「場所が分からない」 知人にそう連絡した直後の事。 雪崩のごとくに現れる人、人、人。 ジョージ・A・ロメロが描いた幻想がそこにあった。 状況を伝えた私に知人はただ一言、こう言った。 「合流しろ」 容赦なく照りつける日差しの中の葬列。 彼らがゾンビと違う所はただ一つ。 その目は性を渇望している。 |
そんなわけで、逝ってきましたサンクリ36。 快晴どころかコロニーレーザーみたいな陽気の中、まともな精神の持ち主なら俺はどうしてこんな場所にいるんだろう感バリバリの世界に突入です。 いやあ熱いですな。 漢字はこれで合ってます。 袖振り合うも何かの縁、されどその皮膚はしっとりと濡れ、破傷風の予防接種が切実に望まれる環境の中での戦いです。 今回は一般参加でしたが。 一般人のフリは決して許されない無言の圧力がかかります。 共に道を行くだけで、彼らの背負う業の一端を確実に担わされるこの圧力。 帆を張ったら火星まで行けそうです。 時はすでに午後。 軍人と呼ばれる歴戦の雄はとっくに仕事を終え、今ごろはおそらく故郷で凱歌を上げている頃でしょう。 そうした人々は確実に存在します。 イスラム社会に奪われた聖地を奪還すべく、その手に銀貨とティッシュを携えて遥かな死地を逝く十字軍の騎士たち。 彼らは低俗かも知れませんが、限りなく純粋です。 そして彼らの後には草木の生えようも無く。 周囲のあらゆる事象より解脱し、悠久の荒野をただ逝くのです。 …普通に書きましょうか(笑)。 基本オタクとされる方々は興味本位の報道等により、生理的に不快感をもよおす外見に描かれる事が多々あります。 デブで眼鏡でニキビで不潔で汗っかき、着ている服はせいぜいユニクロかジーンズメイト、安っぽいビニールバックか絵の描かれた紙バッグからポスターとか突き出てたりして。 先回りしてお伝えしますが、こういう方ばかりという訳でもなかったです。 中には大変すっぱい香りを振りまいている素敵な方もおりましたが、どちらかと言えば少数派でしたね。 わりと皆さん小ざっぱりした感じでした。 私の感じた印象ですと、まず眼鏡をかけた方はかなりの率でしたね。 そしてジーンズ率、黒髪率が高い。 髪型もごく普通で、一時期言われていたようなナチュラルにボブ・マーリーみたいなのはいません。 勘違いした金髪とかも中にはいたんですけど、あくまでそれは特別と言いますか。 オタクのファッション、略してオタクファッションは(1文字しか略してねぇや)、結構なバッシングの対象になった事もあると聞き及んでいましたが。 言っちゃっていいと思いますよ。 ぜんぜん叩く理由が無いです。 少なくとも大多数の方々はね。 それを言ったら逆に褒める理由もぜんぜん無いわけですが、ともかく外見だけは普通の兄ちゃんたちだと思っておおむね間違いでは無いです。 それなりに洒落た方もいて。 また惜しい所でツメが甘かったり、努力の方向が日本人はおろか地球人ですら無い方も何人かいましたね。 かく言う私はUKパンクスタイル。 100%方向を間違えています。 このサンクリというイベントはいわゆるコスプレが禁じ手らしく、それはもう皆さんカジュアルなスタイルで闊歩されています。 悪く言えば没個性なんですけど、オタクやイベントに偏見を持つメディアはこういう所をこそ見るべきです。 一部分だけ切り取るような報道はよろしくないですぞ。 普通に歩いてるだけで私の姿が気持ちいいほど浮いているのが分かりました。 ここまで書いて思ったんですけどね。 どの辺が同人誌即売会のレポなんですかね。 ファッションから入るレポなんて見た事も食った事もないです。 おそらく誰一人そんなもん求めておらず、もうちょっとこう…。 ○○ちゃん萌えーっ!的な文章の方がいいですねきっと。 私の今年の目標はオタクになる事ですから。 ○○ちゃん萌えーっ!の路線で行きましょう。 ガンダムちゃん萌えーっ!!!! …駄目でした(笑)。 人はそんなに急にニュータイプに目覚めたりはしません。 いきなり違う水に入れたら金魚だって死んじゃいます。 今回の私の目的は同人誌を買うというより、次回の参加申し込みとブースの飾り付けや宣伝法を学ぶために来ているのですよ。 前線は騎士さまにお任せします。 私は私で風車に向かって突っ込んできます。 レポ関係やレビューなども含め、基本的に私の文章は無知な人間が外側から眺めて書いてるんですよね。 コアなレポートはそういう軍人さんにお任せして、私はあくまでマイペースに発信したいと思っております。 新しい知識を得るのは楽しいですよ。 それがエロならもっと楽しいです。 不肖わたくし豪腕はりー、生えている歯はオールヌードの文章書きを目指します。 そんなわけで、まずは私がいかに無知かをお伝えせねばなりません。 入口で係員にとっ捕まりましたからね。 その理由はもちろん腰から下げた十徳ナイフがズバリ小畑先生という事では全然なくて、単にカタログを持っていなかったからでした。 ここで問題です。 カタログって一体何の事でしょうね。 それは持っているだけで、現世とあの場所をつなぐゲートを自由に通れる通行証。 そーいや1年半ほど前のコミケは出店側だったわけで、かつて見せてもらったあの分厚い紙の凶器は終わったあとの思い出に買って読む物だとばかり思っていました。 まさかアレがパス扱いだったとは。 慣れている方にとってはジオングに脚が無いのと同じ程度に当然だそうで、えらいこっちゃ良く分からんのですよと慌てる私。 振り向けばドリフのコントみたいにカタログ売りの兄さんが立っており、なんとか無事にカタログを入手しました。 その辺の本屋であれば確実に裏表紙を上にして買ったであろう可愛いイラストが微笑んでいます。 そして彼女が囁くのですよ。 「この門をくぐる者、すべての希望を持てよっ♪」と。 入ってみました。 超電波によって浮世のあらゆる厄介事から隔離された、そこは永遠のモラトリアムです。 30過ぎのピーターパンが、他人の描いたウエンディーを金で売買する所。 これは中々すごい世界ですよ。 私はそんな彼らを見ながら、恐竜が鳥類に進化した理由が分かったような気がしたのです。 体の重たい恐竜さんは、骨を中空にする事によって翼を得たのだそうです。 大量絶滅や氷河期さえも乗り越えてきた彼ら。 骨ヌキになって天まで昇ろう。 この場合、恥や外聞は余計な重さに過ぎません。 あまりにすべてを捨て去り過ぎてデーモン族に追われるのも一興です。 こうした現象は意外に近くに転がってますよ。 忘年会での中年サラリーマンの団体とか、鯉のぼり集会で山下公園に集まる暴走族とかも一緒です。 一種の熱病なんです。 これは逆説的なんですけど、この病気は免疫があればあるほどすぐかかる奇病です。 初めてのライブハウスの時にも感じました。 そういう場では必ず幾人か、こんな感じの方がいます。 どうしてもその環に入れず、さりとてその場を後にも出来ず、熱病のオーラが織り成す圧力を受けて、さてどうしたものかと立ちすくむ。 一歩踏み出しゃ楽になれるんです。 そうした時、あらためてこの渦の中心を見てみましょう。 そこにいるのは、あなた自身であるはずです。 こうして自分の姿をばっちりと認めた後。 行くは次回参加の申し込みです。 どんな大手サークルよりも遥かに長い行列がそこにありまして、この時点で私の生えかけた翼はすっかりシオシオになりました。 誰もが通る道を私だけ通らぬわけにはいきませんからね。 ゴールが見えてる分、パリダカよりは多少マシです。 こうした現象は即売会ならもはや名物だそうで、思えば私もラーメン食うのに30分とか普通に並ぶ人間なわけですから。 4800円也。 大打撃。 この間、私の知人の一人である某氏は右に左に大車輪の活躍で、サークルさんの面倒を見ながら私に携帯で飛び方を教えるという離れ業をやってのけました。 冒頭の「合流しろ」の彼です。 ありがとう友よ。 少なくとも、この会場の中でだけは君の事を友と呼ぶ。 おそらく戦時下のシナゴーグでもこんな感じだったと思える受付を終え、ようやくのんびりと会場を回る機会を得まして。 売り物の85%くらいは元ネタが分からない異国情緒を満喫です。 そこには嫣然と微笑む姿を変えたウエンディー。 ピーターパンと呼ぶにはあまりにも疲れすぎた中年である私にとって、この選択肢の少なさは素手で小橋に挑むが如しです。 そんな時、ようやく思い出したのですよ。 水戸黄門だって印籠に薬を入れていたのです。 ここの通行証は単に重たいだけでは無いのでした。 この間、約1時間。 カタログってのは別に会場内で読んでもいいんですよね。 そうした思考回路のすべてを母親のお腹の中に置いてきた私にとって、このカタログこそがジョーズにおける酸素ボンベになるでしょう。 普通にカタログを手に持ちながら、「あの案内雑誌いいな〜、どこで売ってるか聞いてみようかな」と考えたのは実話です。 こんなんでよくコミケに出ましたね私。 サイの助けなしに勝負を挑んだヒカルに対し、アキラがぶちキレた理由が分かりますね。自分を見ると。 早速めくってみましょう。 もしかしたら、知ってる人がいるかも知れない。 今の気分は母親を探すアルゼンチンの小僧です。 ぺらぺらぺらとね。 おお、いましたいました。 うちなんかとリンクしてくださっている【陸戦型ダンボール箱】の月影留樹さん。 そういや出るって書いてましたっけね。 カタログってのは便利なもんで、会場の地図まで付いてるんですね。 でも現在地が分からないと単なる紙っきれなんですよね。 滝沢昇が転校生だったように、ここでは私も転校生なんです。 奴の生き方に共感する私としては、泣く泣くアルゼンチンまで戻る決意をいたしました。 するとそこに。 仕事を終えた前途の知人が駆けつけてくれまして。 まるで谷川名人の光速の寄せのように私を誘導してくれました。 私は素直に感嘆したんですけどね。 実はこれ、特殊能力でも何でもなくて。 軍人だったら肌で知ってる最短距離を歩いただけなんですってね。 こういう人材がやがて日本を牽引していく時代が来るかと思うとまず確実に来ないんですけど、こうした良い面はもっと賛美されて然るべきでしょう。 そうそう。仕事中に読みましたよ月影さん。 あのキレのある文章は、活字で読むとまた別の味わいがありますな。 良い出会いはいつでも歓迎したいです。 ところがこの世界、時に不快指数がインドネシアの熱帯雨林より跳ね上がる事がままあります。 並みの覚悟ではおうちに帰れません。 そうした事例もちびちびと紹介しましょう。 「猪木だったら何をやっても許されるのか」 これは前田の有名なセリフです。 猪木を同人に替えてみましょう。 この究極の命題に答えるには、豪腕はりーでは若すぎて不可能です。 まあ描写の線引きとかは実際に描いておられる方々に語っていただくとして、こっちはズブの素人なりに思った事を書きましょう。 金銭が動く以上は商売なんです。 商売というのは、お客さんがいないと成り立ちません。 こんな田舎のガキでも知ってる事を、果たしてすべての同人作家さんたちが理解されておられるのでしょうか? いや、ほとんどの方は大丈夫でしょう。 上記の月影さんなんか、大変気持ちよく接客してくれましたよ。 そう。接客なんですよ。 客と接すると書いて接客なんです。 どう考えてもその態度は客を遠ざけてるとしか考えられねぇだろという方が実際にいるんですよ。 ブースで友達と談笑してるくせに客とは目も合わせないのね。 こっちが話しかけても答えないとかね。 答える相手がこっちじゃなくてお友達とかね。 本を買っても御礼の一言も無いんですよ。 ファミレスとかで食事をした事無いんですか? 金だけ取って店員同士でおしゃべり始めたら頭に来ませんか? 来ないんでしょうね。こういう人は。 あのですね。 君らが好きな作品に傾ける情熱は素晴らしいですよ。 技術も凄いと思いますよ。 君らがやるのはそこまででいい。 何なら私に委託しなさい。頑張って売れるように努力するから。 そんなに売れなくてもいいなら君がここにいる必要は無い。 友達とおしゃべりするのは別の場所でもできるんだ。 知らない人と話すのが怖いのでしょう。 だったら家にいてもいいんですよ。売り子は得意な人に頼めばいい。 別に私はそういう奴は引きこもってろと言ってるわけじゃありません。 しっかりと立ち向かい、いずれは克服して欲しいと願っています。 そのためになら、私はいくらでも協力いたしますよ。 ただね。 こっちはそれなりの努力をして日々のお金を稼いでいるんです。 そのなけなしのお金を、あなたの技術や感性に投資しているわけなのですよ。 お金が動く以上は商売なんです。 商売の出来ない人が商売をするのはやめて頂きたいと言ってるんです。 客としてね。 赤ちゃんは口が聞けないでしょう? 「子育てが出来ないならなぜ俺を生んだんだ」とは言えないでしょう? それが言えるようになる頃には、本当に手遅れなんですよ。 けどね。 私たちはまだ間に合うんですよ。 もう一度だけあなたを信じたいから。 たった一言でいい。 「ありがとうございました」 この言葉は、実は君らが思っている以上に魔法の言葉なんだよ。 これさえ言えたら、後はもう何でもいいと思うんだ。 そういうわけで、さとしん君。 案内してくれてありがとう。 だが友達は選んだ方がいい。 君の前ではきっと彼も陽気なのだろう。君はお客さんではないからね。 …まず私が切られたりして(笑)。 今回の戦利品ですが。 本が都合5冊くらい。 以上。 お粗末。 |
「フェアレディZ」って車、あるでしょう? 私の世代だと、思い入れがあるんですよ。 ロングノーズでカッコ良かったなぁ。 だけど、最近のZには今イチ魅力を感じない…。こういう方が多いそうです。 逆に、今のZを好きな方も多いでしょう。 性能は格段の進歩を遂げ、加速も居住性も問題なし。 リアから見るとポ○シェそっくりなんですけど、そこがまた良いという方もいて。 昔のZ好きは、うん蓄を語りたがる奴が多くてね。 それがウザイと思う方もおられるでしょう。 今のZは別にZじゃなくてもいいとかね。 新しいZが好きな方には、それこそ大きなお世話でしょう。 個人的には、古いファンも新しいファンも、仲良く共存できればいいと思うんですよね。 みんな車が好きなんだから。 それでいいじゃないですか。 L型エンジンからV6のプラズマに変わってね。 そして現行のエンジンになっても、やっぱりファンはいるんですよ。 Zをベースに改造してレースに出たりね。 これこそ愛ですよね。 …分かります? |