第二十一話 「密室の牙・リリィはミステリーがお好き」(83/7/22)
  脚本・上原正三 監督・田中秀夫

 シャリバンはパトロール中にマドーの襲撃を受け、
なんなく撃退したが、モトシャリアンに魔怪獣の卵をつけられてしまう。
 気づかずにグランドバースへと帰還する電、
車体は洗浄されたが卵が死ぬことはなかった。

 その後、電は再び街へパトロールに出る。
 グランドバースに一人残ったリリィは、
エアロビクスを楽しみ、シャワーを浴びて、
好きなミステリーを読みふけるのであった。

 グランドバースの警報が鳴ったときには、
すでにウツボビーストが誕生していた。
 成長速度は凄まじく、
通信回路を破壊され、外部との連絡を絶たれてしまう。

 定時連絡の取れない電はグランドバースに戻ろうとしたが、
目の前で風船に包まれてさらわれた明と千恵を追っていく。

 リリィは機関室のカメラにウツボビーストが映っているのを発見、
プラズマカノンのエネルギータンクへ向かうのを阻止するため、
バードニアブラスターを片手に奮戦したが力及ばなかった。

 電は明と千恵を無事に救出した。
 しかし、マドーに襲われたため赤射、
魔怪獣が出てこないことに気づき、
空中で制御を失っているグランドバースを見て急いで戻った。

 駆けつけたシャリバンによってウツボビーストは倒され、
リリィの命とグランドバースは守られた。


 「オゼバン談」

 モトシャリアンの路面走行はハンドルがほとんどきれないため、
見ていて危なっかしいです。
 今にもボディーを地面に引きずりそうで……。

 リリィ用のバードニアブラスターは、
M16をハンドガンタイプに改造したように見えます。

 読んでいた本は「ムーンスターオデッセイ」という題名で、
内容はミステリーではなく、SFだそうです。

 リリィ役の降矢由美子さんの話によると、
シャワーシーンは少し抵抗があったが、
グランドバース内での生活感を出すために納得してやられたとのこと。
 エアロビの経験は無かったそうです。
 この回はリリーが主役で好きな話だとか。

 大葉氏の出演は一カ所。





  第二十二話 「テニスプレイヤーを襲う天国への誘惑」(83/7/29)
  脚本・高久進 監督・田中秀夫

 天才テニスプレイヤー花井ジュンのマンションへ怪しい女占い師が現れ、
全日本杯争奪戦の勝敗を占い、負けると言い切った。
 名声が落ちることから逃れるには死んで楽になるしかない。
 催眠術をかけられた花井はマンションの屋上から飛び降りる。

 パトロールでたまたま通りがかった電が救出するも、
花井の目から飛び出したシニガミビーストに襲われた。
 赤射をしたが逃げられてしまった。

 世界各国でも幸せの絶頂にある人たちが原因不明の自殺をしていた。
 名声のある者が死ぬと必ず後追い心中があることを狙い、
マドーがシニガミビーストの催眠術で自殺させていたのである。

 ギャバン隊長の報告で人気のある者が狙われるということを知った電は、
水泳界のホープ矢吹ユミを、
リリィは流行作家青村一郎をそれぞれガードした。
 シニガミビーストを発見した電は赤射して応戦したが、
またもや逃げられてしまう。

 全日本杯争奪戦が二日後に迫り、花井ジュンは練習を再開した。
 しかし「試合に出れば負ける。世間の物笑いになる」
 という催眠術はかかったままであった。
「楽になりたければ駐車場にある赤いオープンカーに乗れ」との声に従い、
花井は猛スピードを出す。
 ジープでパトロールをしていた電はすぐさま追跡、
オープンカーに飛び乗って花井を助け出した。

 目を覚ました花井に首を絞められた電は、花井の顔面に掌打を入れた。
 すると目の中にひそんでいたシニガミビーストが飛び出した。
 電は赤射して勝利を得、
有名人たちにかけられていた死の催眠術も解けた。


 「オゼバン談」

 グラビアなどで活躍されていた早坂あきよさんが、
テニスプレイヤーの花井ジュン役です。

 シニガミビーストの人間体は曽我町子さんがやられていました。
 変身後も曽我さんの声なのが嬉しいです。

 ブーツでの壁走りは烈もやっていましたから、
この技術も宇宙刑事訓練学校で習うのかもしれません。
 しかしシャワー室に入り込むのはいただけませんでした。
 音や匂いで気づくはずです。計画的犯行?

 この回のアクション用のスーツには渡氏が入っているそうです。
 言われてみると確かにいつもとは違い変な感じがします。
 伊賀電が変身したシャリバンなのに、
伊賀電役の渡氏が入ると違和感を感じるのは興味深い話です。
 スーツの目線はきちんと顔ごと向けないといけないため、
慣れていないと難しいのでしょうね。

 頭蓋骨の上で戦う映像は気持ち悪かったです。

 大葉氏の出演は一ヶ所。





  第二十三話 「コピー時代の恐怖 そっくり人間大集合」(83/8/5)
  脚本・高久進 監督・小笠原猛

 リリィとドライブを楽しんでいた電は、
少年少女達に女性がハンドバッグをひったくられたのを見て追いかけた。

 電気製品解体業を営む夫婦の家へたどりついたが、
子供たちは間違いなくずっとここにいたと言われ追い返されてしまう。
 夫婦は追い返した後で子供が四組八人に増えていることに驚いた。

 話を聞いた電は家に向かい、
サーチャースコープで子供たちを透視したがアンドロイドはいなかった。

 子供が増えたのはやはりマドーの仕業であった。
 人間は自分と同じ顔をした者が現れると驚き慌てる。
 コピー人間が増え、悪事を働けば、社会は不信にまみれ混乱に陥る。

 マドーは狙い通りコピー人間を増やしていった。
 解体業夫婦の子供たちの心も荒れ、夫婦は自殺を決意する。
 だが、いざ首をつろうとした瞬間、本物の子供たちは止めに入った。

 偽物であることがばれたコピー兄弟はコピー人間製造工場へ逃げ帰る。
 電はあとをつけコピーマシンを破壊、
赤射して捕まっていた少女を救出し、
立ちはだかったニメンビーストを倒した。

 電はリリを連れ遅いバカンスへと向かう途中、解体業の家族を見かける。
 健康的で仲の良い様子に電とリリィもまた笑顔になるのであった。


 「オゼバン談」

 番組冒頭「星空の街を歩こう」が挿入歌として使われます。

 解体業のだんなは漫才師の青空球児氏です。
 しかし、さすがに「ゲロゲロ」はやりませんでした。

 この回からミスアクマ1の丸山千絵子さんと、
ミスアクマ2のララさんが降板し、
それぞれ長門美雪さん、水木由さんになります。
 ファンコレには病気で倒れた(二人同時に?)とあるのですが詳細は不明です。

 サーチャースコープ前に見せた、
クイックモーションの赤射も覚えましょう。

 シャリバンが外人の女性を抱えて球体飛行をするとき、
女性まで球体に溶け込むのはこれまでとは違う表現ですね。

 黄色いシャツの双子はJACの蜂須賀祐一・昭二兄弟です。
 宇宙刑事、戦隊シリーズ、後楽園遊園地のショーなどで、
スーツアクターとして活躍されています。
 スピルバンにも素面で出演されていました。
 一度見たら忘れられない個性的な顔ですよね。

 大葉氏の出演は一ヶ所。
 きれいにセットがきまっていました。





  第二十四話 「昆虫ハリケーンが運んだ日本なまけ者病」(83/8/19)
  脚本・上原正三 監督・小笠原猛

 夏休みの登校日、小学校へ怪しい老人が現れ子供たちに昆虫を配った。
 持ち帰った昆虫はガスを吹き出し、家族を怠け者にする。
 鈴木モータースでも一家全員が被害に遭い、翌日は店を閉めてしまった。

 原因は昆虫にあると気づいた電は、リリィと共に回収作業を開始する。
 その最中に昆虫をばらまいている連中を見つけ、
追跡するとマドー一味が現れた。
 ビルスビーストを前に赤射したが逃げられてしまう。

 マドーはビルスビーストを昆虫博士に仕立て、
「昆虫からウイルスは検出されなかった。かわいい昆虫に罪はない」
 と発表させ、それまで以上に昆虫を配った。
 なまけ者病は全国に蔓延、都市の機能はストップする。

 電は公園で配られていることを聞きつけて駆けつけた。
 襲ってきたマドー一味と戦うために赤射し、
ビルスビーストを倒した。
 昆虫達も消滅し、街は活気を取り戻した。


 「オゼバン談」

 怪しすぎる昆虫……。
 アキラにクワガタを見せられた電が、何クワガタか悩みますが、
私にはノコギリクワガタにペイントしたものにしか見えませんでした。
 もう少しなんとかして欲しかったです。

 ちびっ子ファイトローがドクターポルターに資料を渡すシーンがあります。
 戦いには行きませんけど、一応仕事があるのですね。

 愛用のジープにはレーダー、通信機など、
様々な装置が付いていますが、
まさか拡声器まであるとは思いませんでした。

 福引所のオヤジに扮した栗原さんのいでたちは、
とても似合っていたと思います。

 幻夢界のさなぎを敷き詰めたイラストには悪寒を感じました。
 虫嫌いの人は目をそらすかも。

 大葉氏の出演は一ヶ所。
 豪遊宴の影響か、少ししゃべり方がオカマっぽく聞こえました。





  第二十五話 「鬼の目に涙・天使の涙・パパ助けに来て」(83/8/26)
  脚本・上原正三 監督・田中秀夫

 一晩で利子一千億という法外な取り立てをして、
マドーは一流会社を乗っ取っていた。
 拒めば妻子を殺すと言われ、
ペルセウス電子工業の郷原社長は姿をくらます。
 電は郷原の暴走する車とぶつかりそうになり、何とかかわした。

 ボロボロの衣類を着た大山小次郎を見て電はおどろく。
 無利子、無担保、無保証人で五万円借りたところ、
三日経ったら二十五万円請求されて逃げていると聞き、
話をつけるために電はローン会社へ向かった。
 そこでハードビーストに襲われたが、赤射してしのいだ。

 社長一家の失踪を報じた雑誌広告の写真を見て、
電は暴走車に乗っていた男だと気づく。
 リリィに調べてもらうと、
ペルセウス電子工業の郷原社長であることが分かった。
 ギャンブルに手を出し一千億の借金を作って会社を乗っ取られたという。
 妻子は人質に取られたままだと聞き、
電は郷原社長の足取りを追ってギャンブル会場を聞き出した。

 電とリリィは会場である豪華客船に潜り込んだ。
 マドーは理性を麻痺させる薬を混ぜた酒を飲ませて、
ギャンブルに没頭させ、次々と借金をさせていた。
 電は郷原の妻子を見つけだし、リリィに逃がすよう指示。
 自分は乗客達を逃がし、怒り狂うマドー一味を前に赤射、
ハードビーストにシャリバンクラッシュを喰らわせた。

 郷原一家は何もかも失ったが、
子供たちを中心にゼロから再出発することとなった。
 家族にとってはつらい現実であったが、
子供たちに悲壮感はなかった。


 「オゼバン談」

 リリィと電がフランスのものらしき新聞を読んでいます。
 烈も読んでいましたから、フランス語もバード星で習うのでしょうか?

 着た切り雀の烈や電とは違い、
リリィは普段着がいくつもあっておしゃれです。
 やはり女性職員の方が給料がいいのかもしれません。

 小次郎さんの変装はかなりやばめです。
 電も「ル○ペン姿」って……。

 ジープを飛び越えながらの瞬時の赤射は見事でした。
 つなぎの発光シーンが必要ないほど自然です。

 広告文の「謎の社長一家(改行)失踪」は、
「社長一家(改行)謎の失踪」の方がいいような気がします。

 子役の女の子は、
「宇宙刑事ギャバン」第15話でまりつきをしていた子です。

 ハードビーストは少しタモリさん似。
(グラサンだけだって)

 大葉氏の出演は無し。





  第二十六話 「憎しみの罠 メークアップ大戦争」(83/9/2)
  脚本・上原正三 監督・田中秀夫

 オーバーヒートで動かない車に難渋していた女性のために、
水をもらってきてあげようとした伊賀電は、
油断したすきに車のボンネットに縛り付けられ、そのまま崖下へ落とされた。
 何とかロープを切って脱出したが、
カイキビーストに遊園地へと引き込まれる。

 遊具やアトラクションにまぎれながら次々と攻撃を加えてくるマドー、
広い遊園地に目の届かない電はリリィに応援を頼んだ。

 リリィはカイキビーストに襲われていた小次郎を逃がしたが、
自分が襲われてしまい電に助けられる。

 その後、マドーは千秋を人質に取り、
ビルの屋上からつるして「抵抗すればロープを切る」と脅した。
 カイキビーストに攻撃され、思わず反撃してしまった電を見て、
ガイラー将軍はロープを切る。
 落下する千秋を前に電は赤射して受け止め、カイキビーストと戦った。

 シャリバンクラッシュが閃いたとき、遊園地にいつもの歓声が戻った。


 「オゼバン談」

 渡氏はこの回、足の付け根をおかしくして、
捻挫かなと思っていたら骨折していたそうです。
 しかし、スタッフには黙って撮影を続行し、
病院へ行ったのは第27話の撮影が終わってからとのこと。
 鉄人・衣笠なみの根性ですね。

 前回のル○ペンに続き、小次郎さんの七変化あり。
 赤フン丸出しの鈴木氏、のりにのってます(笑)。
 ふんどしを千秋に持たせて「つれてってくれよう、なあ」と熱演?

 ガイラー将軍の変装もかなりキツイです。

 棺の中の千秋にはビビリました。
 バイクに足を引かれる電の映像も痛々しすぎ。
 もしかすると骨折して足を引きずってしまうのをごまかすため、
仕方なくはさんだ映像なのかもしれません。

 電がマシンガンを奪って連射します。
 敵の武器を使うことにちゅうちょは無いみたいです。
 臨機応変なのでしょう。

「マグナムチョップ」は二回目ですよね?

 千秋役の中川みどりさんがビルからぶら下がります。
金田氏が吹き替えでやると言ったところ、
やりたいと言ったのでやらせてあげたのだそうです。

 落下した千秋を球体飛行でキャッチ、
その後、球体に吸収して飛行と、
ユーホービーストに突き落とされた小次郎さんを助けた時とは違います。
 こちらの方が処理が楽なのでしょうね。

 幻夢城にドクターポルターがもどってくると、
ちびっ子ファイトローが嬉しそうによっていくシーンがあります。
 ちびっ子ファイトローが出演するときは、
たいがいドクターポルターの近くにいるので、
彼女が育てているのかもしれません。

 大葉氏の出演は無し。





  第二十七話 「裏切りの空 暗黒刑務所からの逃亡者」(83/9/9)
  脚本・高久進 監督・小笠原猛

 マドーと戦う異星人の自由主義者の集まりオルガナイザー。
 その一員のリタ、ムーア、キースが地球へやって来た。
 シャリバンとコンタクトを取り、共に戦うためである。
 シャリバンに会ったリタは決意を新たにし、
全宇宙で戦っている仲間達へ激励の通信を送った。

 同じ頃、マドーの暗黒刑務所から一人の男が脱走する。
 地球にたどり付いた男は、
マドーに捕まりかけたところをシャリバンに助けられた。
 マドーに傷つけられ、危ない状態だった男のために、
シャリバンは輸血をしようと血液型を調べて驚く。
 自分と同じ血液型。男もイガ星人の末裔だったのである。
 シャリバンは自分の血を輸血し、男は快方へと向かった。

 男はマリオと名乗った。
 イガ星が滅ぼされたとき、
マリオの祖先は銀河系の他の惑星へ逃れたが、
そこもまたマドーの襲撃を受け、
指導者だった父と母は暗黒刑務所へ投獄され、
マリオはそこで生まれたという。
 父は獄死、母は捕らわれたまま、
自由を叫ぶ人たちの助けを借り、マリオはようやく脱走に成功したのだ。
 電はマリオを同じ血で結ばれた兄弟と思うようになる。

 暗黒刑務所からの脱獄に成功した者は誰一人としていない。
 コム長官はマリオを疑う素振りを見せた。
 だが、電は命がけで脱獄してきたマリオを疑う気にはなれなかった。

 その後、マリオはマドーに人質に取られてしまう。
 命を助け助けたければ三人のオルガナイザーを連れてこいと言われ、
血を分けた兄弟を見殺しに出来ない電は三人に頭を下げた。
 心情を察してくれたリタのおかげで、
電と三人は指定の場所へ向かう。

 三人とすれ違い、電のもとへ歩み寄るマリオ。
 しかし、突如剣を抜き斬りかかってきた。
 マリオは三人をおびき出すために魔王サイコの命を受け、
脱走を装っていたのである。

 マドー一味も襲ってきて危ういところを、
駆けつけたリリィがブラスターで応戦した。
 リリィはマリオに母親が息子の裏切りを知って自殺したことを話す。
 苦悶するマリオ。
 ウラギリビーストが電に襲いかかったとき、
マリオの投げた剣が電を救った。

 怒り狂うウラギリビーストのギロチン剣に、
マリオが倒れるのを見て電は赤射。
 マドー一味を蹴散らし、ウラギリビーストを倒すも、
マリオは瀕死の状態であった。

「母さんと、あんたに悪いことをした……」
 後悔の念に押しつぶされそうなマリオへ、
電は何のわだかまりもなく、
「俺達は同じイガ星人だ。血を分けた兄弟だ」と答える。
 自分を許してくれた電の手を握りしめ、
マリオは静かに息を引き取った。


 「オゼバン談」

 第20話以降イガ星がらみの話が無かったので、
あれはいったいなんだったんだろうと当時思っていたところ、
豪華ゲストでストーリーが始まり驚いた記憶があります。

 リタ役のシェリーさんは「オズの魔法使い」で、
主演のドロシーをやられていました。
 番組の途中に赤と青のセロファン眼鏡で立体になる場面があったように、
うっすらと記憶が残っています。

 キース役はおなじみ高橋利通氏。
 第13話では伊賀電をぶん殴っていたのに味方となってもどってきました。
 ワルマッチョもイイマッチョもできる役者であることを証明しています。

 マリオ役は尾崎紀世彦氏。
「シャリバンVマーチ」「星空の街を歩こう」を歌った縁で出演されたのでしょう。
 しかし、セリフの棒読みはちょっと……。

 この回はやはりクライムバスターに輸血装置があることに目が向きます。
 ファジーな弾道といい、まさに万能銃。
 この手の銃では一番好きなデザインです。スリムなところが最高。

 しかし、モトシャリアンの地表での走行は将棋の香車を思い出させます。

 弱者を救うためなら土下座もした。
 友人を信じるためなら上司にも反論する。
 間違いを犯した友人を広い心で許す。
 自然や動物を愛することも含めて、
伊賀電を見ていると胸に手を当てて考えたくなることが沢山あります。

 大葉氏の出演は無し。





  第二十八話 「キャンパスは風速80Mの猛烈ストーム」(83/9/16)
  脚本・上原正三 監督・小笠原猛

 ジープでパトロール中、伊賀電は千恵と明に呼び止められた。
 男の人が死にそうと聴き、
行ってみると胸にナイフの立った男が、
「大神教授を助けて……」との言葉を残して死んでしまう。
 電は身分証明書の城東大学助教授・野村洋一という記述を頼りに、
大学へ向かった。

 大神教授には会えたが、
野村はノイローゼだったと聞く耳を持たない。
 釈然としない電は野村のマンションを訪ね、
日記に書かれていたシンポジウムについての文章を読んで大学へ戻った。

 マドーは世界を代表する三人の教授から脳髄を取り出し、
スーパーコンピューターと連動させ、
パワーアップさせようとたくらんでいたのである。
 すでにそのうちの一人である大神は拉致され、
偽物とすり替わっていた。

 電は大神が偽物ではないかと見てリリィに確認させた。
 確認がとれた頃、城東大のシンポジウムに参加するため、
残りの二人の教授が来たが、マドーにさらわれてしまう。

 リリィも大学構内を捜査していてキャンパスビーストに捕まった。

 助けを求めるリリィの声に電は赤射して駆けつけ、
三人の教授とリリィを逃がし、
シャリバンクラッシュでキャンパスビーストを粉砕する。

 世界を代表する頭脳は守られ、
三人の教授はあらためてキャンパスに招待された。


 「オゼバン談」

 題名がちょっと意味不明ですね。

 キャンパスビーストは珍しい横わけ魔怪獣です。
 どこかにいそうな顔で笑えます。
 笑うといえば海坊主が初めて感情を見せ、笑みを浮かべました。

 この回の渡氏のアクションシーンは吹き替えです。
 自分で出来るシーンを他人にやられるのは、
取られたような感じがして悔しかったそうです。
「ケガをしてはいけないな」と、あらためて思ったとか。
 しかし、この時、
違和感がなく流れを切らない吹き替えを研究したことが、
翌年の「宇宙刑事シャイダー」につながったのではないかと思われます。

 シャリバンの前にテニスルックの女性が二人立ちはだかりますが、
右側の二番目にラケットでぶん殴った人は、
「超電子バイオマン」で二代目イエローフォーを演じられた、
田中澄子さんだと思われます。
 シャリンガータンクの砲撃で吹き飛ばされました。

 マグナムチョップあり。

 挿入歌の「超次元戦斗母艦グランドバース」は、
二番が使われていました。

 大葉氏の出演は無し。





  第二十九話 「敵は誰だ?荒野をめざす熱血児」(83/9/23)
  脚本・上原正三 監督・田中秀夫

 中南米の戦場で大量殺人兵器・中性子銃が使われた。

 伊賀電は新兵器が日本から輸出されていることをつかんだ。
 マドーのにおいを感じた電は、
来日した国際的兵器ブローカー・サイゲルのあとをつける。
 だがバイクの男に尾行を邪魔された。

 電は男を待ち伏せして組みついた。
 男は元刑事新田、マドーではなかったが、
サイゲルは自分の得物と告げて立ち去った。
 陰謀にはめられ、刑事を辞職するしかなくなり、
復讐を誓っていたのである。

 見失ったサイゲルを探すためホテルを次々とあたった電は、
サイゲルが殺されているのを目にする。
 怪しい二人組を追う電。
 新田もまた兵器密造工場の情報を得、
二人組の行く先と同じ場所へたどり着く。
 二人組を捕まえることはできたが、
兵器工場はおとりであった。

 電は簡単に工場を見つけられたことに疑問を持った。
 別の工場を探すために兵器の輸送ルートの目星をつけ、
リリィと共に透視装置を使いトラックを一台一台調べた。

 十日に及ぶ張り込みで、ようやく怪しいトラックを発見、
倉庫まで追跡し、夜を待って潜入、中性子銃の部品を見つける。

 電は黒幕と見た佐倉弁護士のもとへ向かい、
マドーの激しい攻撃を受けて赤射、
密造工場とヘイキビーストを破壊した。

 目的を果たした新田は、
マグロ漁船員として新たな人生を歩むために旅立った。


 「オゼバン談」

 渡氏は伸びていた髪を切られたみたいで少しさっぱりしています。
 骨折の影響で足を上げるアクションは吹き替えですが、
ちょっとアフロヘアー気味です。

 伊賀電がナイフを持ち歩いているとは知りませんでした。

 見ていただければ分かりますが、
新田役の富岡賢氏はマイケル富岡氏です(目が怖い)。
 シャリバン対ヤキソバンの素面の戦いは必見でしょう。

 ガイラー将軍が手すりに電光剣を走らせるのは、
アイデアだなと思いました。
 いまいち強いのか弱いのかはっきりしないキャラですが、
マドーにいなくてはならない人でしょう。

 この回のヘイキビーストは宇宙戦士ふうで、
見ようによっては魔怪獣ではなく味方みたいでした。
 珍しく名前も外見にぴったり。

 大葉氏の出演は無し。





  第三十話 「捨てられる子供たち 変身するママ」(83/9/30)
  脚本・上原正三 監督・田中秀夫

 伊賀電はジープでパトロール中、
泣きわめく赤ちゃんをあやしている女の子を見かけて話しかけた。
 母親は育児を放棄して異次元美容センターへ行っていると聴き、
電は女の子を連れていってあげたが母親は素っ気ない態度であった。

 後日、再び女の子を見かけた電は、
母親がかわいい赤ちゃんを残して出ていったと聴き、
異次元美容センターに怪しさを感じる。

 美容センターはやはりマドーが絡んでいた。
 夫や子供への愛情を無くし、
おのれの欲望のままに自己主張するよう洗脳していたのである。
 家庭を崩壊させ、人間同士の絆を無くし、
支配しやすくしようとたくらんだのであった。

 電はリリィに探らせたが、マドーに変装を見抜かれ、
普通のエステを施されて帰ってくる。
 何の収穫も得られなかったリリィの話を聞いても、
電は疑いをぬぐい去ることは出来なかった。

 次々と崩壊していく家庭の話を見聞きした電は、
一軒一軒家を訪ね、
家出した主婦が全員異次元美容センターへ通っていたことをつきとめる。

 潜入してみるとマドーが機械を使って主婦を洗脳していた。
 多くの子供たちに悲しい思いをさせたマドーに怒りを覚えた電は、
躍り出て一味を蹴散らし、主婦たちを逃がした。

 襲ってきたヘンシンビーストは赤射して倒し、マドーの陰謀を阻止、
陰鬱だった各家庭は明るさを取り戻した。


 「オゼバン談」

 幸恵の母親役として、
モモレンジャーの小牧リサさんが出演されています。
 無駄な肉が無くレオタード姿が美しいです。
 ミスアメリカの頃よりウエストも脚も細くなっているのはすごい!
 オープンリールのステレオで踊っているのはもっとすごい?
(そういえばリリィもオープンリールでエアロビしていました)

 美容センター基地内でガイラー将軍が、
「死にに来たかシャリバン!」と言うとき、
「超電子バイオマン」のブルースリー役の大須賀昭人氏がいます。
 その後、銃を発射し、伊賀電に銃を奪われました。

 珍しい映像なんだろうと、
伊賀電がマシンガンを連射するシーンをいちいち記述していましたが、
彼はけっこうやっていますね。
 しかし、いくらマドーでも人間体は、
人間が操られている可能性もあるわけですから、
いきなり銃殺はまずいような気がします(しかも必ず連射)。
 間違いなくファイトローや魔怪獣が変身したものと、
確信はあるのでしょうが……。

 この回のスパークボンバーはきれがよく、
これまでで一番かっこよかったです。
 コツを覚えたのかもしれません。

 幻夢界のドクロの背景が気持ち悪いですが、
直後のミイラ男の包帯がやけに新しくて笑えます。
 清潔好きなミイラ?

 大葉氏の出演は無し。



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