第十一話 「暗黒星雲から来た最強の悪役ファイター」(83/5/13)
  脚本・上原正三 監督・小笠原猛

 銀河連邦警察から怪宇宙船が地球へ向かったとの報を受け、
伊賀電は調べに行く。
 宇宙船は殺し屋ベンガルブラザーズのものであった。
 襲われた電は赤射して退けたが、
その間に使った技はすべてデータとして記録されていた。

 幻夢城に招かれたベンガルブラザーズは、
シャリバンのデータをマドーに譲り仲間にしてもらう。
 歓迎の宴の後、
ベンガルブラザーズは魔王サイコの暗殺を画策した。
 だがサイコの人工頭脳はベンガルブラザーズの心を読みとっていた。
 ベンガルブラザーズは簡単に動けなくされ、
ドクターポルターによってコマンドサイボーグへと改造されてしまう。

 その後、グランドバースへベンガルブラザーズからの挑戦状が届く。
 リリィから連絡を受けた電は地獄谷へと向かった。

 立ちはだかるベンガルブラザーズを前に赤射し、
クライムバスターで倒したが、マドーはもう一体、
シャリバンの技のデータを元に作りだしたショウリビーストを用意していた。

 能力を封じられ、次々と技をやぶられるシャリバン。
 必殺のシャリバンクラッシュまで槍ではじかれ、
戦意喪失寸前にまで追い込まれる。
 しかし、自分には守るべき者があることを思い出し、
クライムバスターで槍を破壊、シャリバンクラッシュで両断した。


 「オゼバン談」

 この回より伊賀電の普段着が白いブルゾンにかわります。
 白いジープにあい、実にさわやかです。

 シャリバンのジープも品川ナンバーでした。
 数字もはっきり読みとれます。

 シャリバンキック、スパークボンバーの説明が突然入り、
アニメなのにいきなり実写になってビール瓶の頭を飛ばす、
「空手バカ一代」を思い出しました。

 ベンガルブラザーズを歓迎する儀式が妙に艶めかしいです。
 しかし、全宇宙を支配するつもりだったわりには弱かったです。

 シャリバンクラッシュ(日輪背負わず)をはじかれますが、
ベンガルブラザーズには、
レーザーブレードもシャリバンクラッシュも見せていません。
 ショウリビーストが独自に破ったのならすごいことですね。

 少しの間、高次元ソナーのアンテナを出したまま殺陣が続きます。

 大葉氏の出演は無し。





  第十二話 「異星人のほほえみ マイフレンド作戦」(83/5/20)
  脚本・上原正三 監督・小笠原猛

 大山小次郎は子供たちを集めて宇宙人友の会を結成し、
夜な夜なUFOを呼ぶ儀式をしていた。

 東京郊外の東多摩市で子供たちが次々と姿を消したと聴き、
電とリリィは現場へ急ぐ。
 しかし子供たちはすでに家へもどっており、
宇宙人にあったと口々に話した。

 マドーはオカリナビーストを心やさしい宇宙人に仕立て、
人々を信じ込ませて警戒心を無くし、
思い通りに操る「マイフレンド作戦」を画策していたのだ。

「マイフレンド」をくり返す宇宙人は、
小次郎や宇宙物理学者・小村教授の元にも現れる。
 発言力のある人たちの支持を得て、
宇宙人を信じる気運は高まった。

 小次郎は「宇宙人と手をつなごう全国ツアー」を企画し、
全国から人々を集め始める。
 その集合場所へ電も宇宙人のぬいぐるみを着てまぎれこんだ。

 やがて現れたオカリナビーストとマドー一味。
 友好的な宇宙人を装い、
「マイフレンド!」と集まった人たちをだまそうとする。

「そいつらは悪魔の集団だ!」
 正体を暴いた電は赤射してマドー一味と戦った。
 悪の牙をむいたオカリナビーストも倒され、
人々は悪夢から目を覚ました。


 「オゼバン談」

「がんばれ!ロボコン」で大山まこと役だった福田信義氏が、
小村教授の息子役で出演されています。
 ずいぶん大きくなって、声変わりまでしていました。
 小村教授役の長沢大氏は、
「宇宙刑事ギャバン」第9話にも出演。
 娘役は鈴木雅美さん。
「宇宙刑事ギャバン」第19話に出演されています。

 ぬいぐるみを引き裂かれると、
赤射したシャリバンが出てくるシーンがカッコイイです。
 小笠原監督は小林監督のホラー演出と、
田中監督の蒸着演出のいいところを受け継いだ監督だなと思いました。

 オカリナビーストのまさに悪の牙をむくデザインも、
ストーリーにあっていて秀逸。

 小次郎さんはやたらと友好的な宇宙人に会いたがっていますが、
バード星人やイガ星人にはたくさん会っています。
 けど、やっぱり異形の宇宙人じゃないと満足しないでしょうね。

 大葉氏の出演は無し。





  第十三話 「強さは愛だ 英雄たちの旅立ち」(83/5/27)
  脚本・上原正三 監督・田中秀夫

 デビュー以来、
すべての試合を1ラウンドKOで飾っているKOジョーの話を聞き、
伊賀電は千秋と共に観戦しに行く。

 予告通り1ラウンドでKOしたジョーを見て、
どこかひっかかるものを感じた電は、
ジョーが所属している大銀河スポーツクラブへ向かった。

 レフリーとトレーナーがグローブをすりかえる話をしているのを聴き、
やはり裏があると確信した電は、
ジョーに殴りかかりパンチをくらってみる。
 だが、喧伝されているほどの破壊力はなかった。

 次の試合の日、会場に潜り込んだリリィは、
試合後のインタビューの隙にジョーのグローブの入手に成功、
グランドバースに持ち帰り調べた。
 グローブには拳を握りしめると鉄板のようになる繊維が仕込まれていた。

 電はジョーのもとへ行きグローブには仕掛けがあることを話す。
 しかし、ジョーはそれでもかまわないと答える。

 リリィの調査によると、
ジョーは中一の時にガンで母を亡くしていた。
 金銭的に余裕がなく手術を受けさせることが出来なかったのである。
 以来、貧しい人でも手術を受けられる病院を作ることが、
ジョーの夢になっているという。

 夢を叶えるために悪魔に心を売り渡してしまったジョーを救いたいと、
電はギャバン隊長に相談した。
「本当の強さは優しさなんだ。愛なんだ。ってことを教えてやる必要がある」
 ギャバンの言葉に、電はもう一度ジョーのもとへ向かった。

 ジョーは夢のことなど忘れ、
昼間から女をはべらし酒を飲んでいた。
 電はジョーを連れだして、
物静かで争いごとの嫌いだった自分の父が、
熊に襲われた見知らぬ母と子を助けるために熊と戦って力つきたことを話す。

「俺は本当の男の強さを見た。君の強さは本当の強さじゃない」
 電の説得も受け入れることが出来ず、ジョーは殴りかかってきた。
 何度も何度も地にはいつくばる電、しかし、そのたびに立ち上がる。
 いかなる暴力も電の信念を曲げることは出来なかったのである。
 電は拳を握りしめ、ジョーの腹部に強烈な一撃を入れた。
 たった一発で動きを止めるジョー。
「わかったか、君はけして強くない。強くなんかないんだ」

 崩れ落ちるジョーを背に立ち去ろうとしたとき、
ジョーのトレーナーが現れた。
 ボクサービーストに変身したトレーナーを前に電も赤射、
シャリバンクラッシュで倒す。

 後日、電は街角でジョギングに励むジョーと出会った。
「もう一度初めからやり直し、夢を実現してみせる。病院を建ててみせる」
 ジョーの決意のこもった言葉に、
電もまたマドーのいない平和な地球にすることを誓うのであった。


 「オゼバン談」

 おもいっきり千秋と腕を組んでボクシング観戦に行く電は、
どこから見てもつきあっているようにしか見えないのですが……。

 ボクサービーストの人間体として高橋利通氏が出演されています。
 だんだん写る時間が長くなっているのが興味深いです。
 あそこまで筋肉モリモリだと、
かえって動きにくくなるのではないかと思われるかもしれませんが、
さすがにJACの一員、敏捷な動きです。

 電の父親・電一郎役は上條恒彦氏。
 熊との戦いは、
自然を愛し弱者を守る電の性格に強い影響を与えたエピソードとして、
効果的に使われています。
 一人きりになった幼少時の電がどんな気持ちで成長していき、
森林警備隊員となって自然を守っていたかを考えると、
涙がこぼれそうになります。

 この回からEDに二番も使われるようになりました。
 口ずさむのが習慣だったので、当時は驚いた記憶があります。
 しかし、いい歌ですよね。

 大葉氏の出演は一カ所。
 久しぶりなので髪の側面が伸びボリュームがあります。
 若干顔色が悪く、
目の下にクマが出来ているうえに視線が鋭いため、
顔が怖く見えます。
 もしかすると15話の拷問シーンの後に撮影されたのかもしれません。

 ミスアクマ2、ドクターポルターのレオタード姿あり。





  第十四話 「連続夢魔におびえる億万長者」(83/6/3)
  脚本・高久進 監督・田中秀夫

 若き日の楽しい夢にまどろむ老婆が、突如悪夢にうなされる。
 目を覚ますと地上げ屋がやってきたが、
想い出の詰まっている家を売るわけにはいかないと、
老婆はかたくなに拒んだ。

 リリィと遊園地で休暇を楽しんでいた電は、
老婆の家の上空だけに暗雲がたちこめているのを見て調べに行く。
 電の姿を見た地上げ屋は逃げるように立ち去った。
 安堵すると同時に、
胸を押さえて苦しみ始めた老婆を電はベッドに寝かせてあげる。

 マドーは老婆がデニモス王国の子孫で、
家の周辺には莫大な財宝が埋まっているらしいことを知り、
軍資金にしようと狙っていたのである。

 電が密かに老婆の護衛を始めると案の定マドーが現れた。
 キラービーストを前に赤射したが、
その間に老婆を怪現象で苦しめられてしまう。
 シャリバンはビーストを倒すよりも、
老婆の救出を優先して家から脱出させた。
 その時、枯葉に埋もれていた飾り石を発見、
中には人形のような物が収められていた。

 電とリリィは老婆を病院に入院させ、
人形をギャバン隊長に調べてもらう。
 X線で透視すると、
数百年前にマドーに滅ぼされたデニモス王国の文字で、
財宝のありかが記されていることが分かった。

 リリィがついていたにもかかわらず、さらわれてしまった老婆。
 財宝のありかをしゃべらないため崖から突き落とされたとき、
赤射した電が老婆をキャッチした。
 か弱い老人を殺そうとしたことに怒るシャリバン。
 マドー一味を次々となぎ倒し、
キラービーストをシャリバンクラッシュで粉砕した。

 電は財宝のことを包み隠さず老婆に話した。
 老婆はデニモス王国の再興よりも、
亡くなった亭主との想い出が詰まっている家で静かに暮らすことを望む。
 財宝は銀河連邦警察を通じて、
宇宙をさまよう人たちのために使われることとなった。

 老婆は家の庭を子供たちに解放し、
穏やかな顔で若き日の夢を見るのであった。


 「オゼバン談」

 白塗りのお化けや、
首だけで襲ってくるロウソクの立ったキラービーストの頭など、
ちょっとやりすぎかなと思いました。
 泣いた子供もいるのでは?
 敵は怖くないといけないので、この辺は微妙なのですけど。

 先週は千秋とボクシング観戦、今週はリリィと遊園地と、
伊賀電のモテモテにいさんぶりには嫉妬する人も多い?

 リリィのチョップを主体とした格闘技が見ものです。
 ちょっと蛇拳風でした。
 相手をしたミスアクマ1の丸山千絵子さんも、
JACらしく頑張っています。
 看護婦姿はレア映像?

 か弱い老婆を殺そうとしたマドーへの、
怒りに燃えたシャリバンの演説にシビレました。
 その後のアクションと共に必見。
 村上潤氏、カッコイイ!

 大葉氏の出演は一カ所。
 この回も顔が怖く見えます。





  第十五話 「海鳴りの仕掛島」(83/6/10)
  脚本・上原正三 監督・辻理

 ギャバンが妹のようにかわいがっていた星野月子が、
マドーに誘拐された。
 ホシノスペースカノンの設計図を渡さなければ殺すと言われ、
ギャバンは苦悩する。
 グランドバースの主砲にも応用されているシステムだけに、
敵に渡れば地球が大変な目にあってしまうからである。

 悩み抜いた末、ギャバンは偽の設計図を渡すことにする。
 連行されていくギャバンをリリィと電が追跡したが、
巧妙にまかれてしまった。

 偽の設計図はすぐにバレ、
ギャバンは拷問にかけられて秘密を話すよう強いられる。
 命がけでホシノスペースカノンの秘密を守った父の影を見つつ、
ギャバンもまた口を割ることはなかった。

 その頃、電はグランドバースで空からの探索を続けていた。
 マクーの要塞であった鬼首島を見つけ海から潜入すると、
熾烈な拷問に耐え続けるギャバンを発見する。
 月子と共に救出し、シャリンガータンクに収容させた。

 基地はギャバンがモグリランで破壊、
立ちはだかるシカケビーストはシャリバンが倒した。
 かくしてホシノスペースカノンの秘密は守られたのである。

 救出された星野月子は宇宙刑事の訓練を受けるため、
バード星へと旅立っていった。


 「オゼバン談」

 大葉氏の手錠をかけられたままのアクションが凄まじいです。
 父の影を見ながら拷問に耐える迫真の演技、
その直後、フラフラだったのにシャリンガータンクを操縦して、
モグリランでマドーの基地を破壊する(まぶしすぎる!)。
 特にストーリーに必要がないなら、
蒸着しないほうがうれしいですね。

 鬼首島はボイサーが拷問を受けていた場所です。
 ギャバンが同じ場所で同じように拷問に耐える姿には、
熱いものがこみ上げてきました。

 しかし、隊長になってまで後輩に金を借りなければならないとは。
 銀河連邦警察の女性職員や長官の娘が、
あれだけ金目のものを持っていたのに、
現場で命をかけている宇宙刑事が安月給なのは不思議です。
 子供の頃から一人で生きていくにあたって、
借金でもこしらえてしまったのでしょうか?

 伊賀電がギャバンを救出するときに使ったミニ光線銃は、
当時作った記憶があります。
 キャンプの時、ミニ懐中電灯として役に立ちました(苦笑)。

 月子が幼稚園に勤めていたのは初耳でした。
 次の職業が宇宙刑事なのは飛躍しすぎ?

 シカケビーストは、
どこから見てもカメレオンビーストなのですが……。
 どうもタイトルから命名されたみたいです。
 LDではシャケビーストになっています。
 さすがに鮭には見えませんね(笑)。

 渡氏の水着姿あり。





  第十六話 「美少女歌手が歌う危険なヒットソング」(83/6/17)
  脚本・上原正三 監督・辻理

 喉を痛めたアイドル歌手の林田佐世子が海に消えた。
 人々は自殺ではないかと噂したが、
佐世子はマドーの手により幻夢声帯を移植され、
サイボーグとして生まれ変わる。

 ステージに復帰した佐世子の歌う「まぼろしブルース」は、
なぜか若者達を凶暴にさせた。
 電はレコードをグランドバースへ持ち帰り調べた。
 聴いた者を暴力的にすることが判明し、
マドーの影を感じた電は佐世子のもとへ向かう。

 佐世子のマネージャーはマボロシビーストであった。
 襲われた電は赤射し、クライムバスターで退ける。

 電は佐世子のマンションへ行き、
マドーが何をたくらんでいるのか聴こうとしたが、
魔王サイコによって連れ去られてしまった。

 佐世子の歌を聴いた少年少女達の暴力行為は、
日増しに日本中に蔓延していく。
 効果に満足したサイコは、
佐世子の妹の明子も歌手にするよう命じた。

 お姉さんと一緒にいられるからと明子に近づくドクターポルター。
 佐世子は妹を巻き込みたくないと手を取り公園に行った。
 いつも一緒にいたいという妹に、
佐世子は自分の本当の顔を見せ、サイボーグであることを告白、
同じ目にあわせたくないと説得した。

 そこへマネージャーのマボロシビーストが現れる。
 捕まりそうになった姉妹を駆けつけた電が逃がした。

 赤射してマボロシビーストは倒したが、佐世子もまた姿を消す。
 海にはアイドル時代のレコードと、
明子が佐世子にあげたぬいぐるみが落ちていた。
 ぬいぐるみを抱き涙をこぼす明子を前に、
マドーと最後まで戦い抜くことを誓う電であった。


 「オゼバン談」

 マボロシビーストの伸び縮みする顔が気持ち悪いです。
 鳴き声も「ムヒ〜〜! ゥフィ〜〜!」と独特。

「まぼろしブルース」の作詞はメインライターの上原正三氏だとか。

 暴力的になった暴走族が、
手榴弾で派出所を爆破するのは恐ろしいですね。

 佐代子のメカ顔はサンバルカンのダークQに若干色を加えた物。
 あの土台を美少女にするマドーの技術力はさすがの一言です。

 服を着てブーツを履いたまま泳ぐ伊賀電はすごい!
 佐世子のマンションでも土足でした。
 レディの部屋うんぬんの前に常識がないです。

 大葉氏の出演は一カ所。





  第十七話 「新型二階だてバスのふしぎな異次元旅行」(83/6/24)
  脚本・上原正三 監督・小笠原猛

 伊豆伊東温泉に向かう二階建てバスが四次元トンネルに入ると、
ビルの屋上などの想像もつかない場所へ飛ばされてしまうという。
 伊東温泉に向かうあらゆる道でも人が消える怪現象が起こっていた。

 伊賀電は調べるために四次元トンネルをジープで抜けてみたが、
何度通っても何も起こらない。
 そこで二階建てバスの乗客にまぎれこんだ。
 するとバスがトンネルに入った瞬間、怪現象に巻き込まれる。
 荒れる海は幻覚だと運転手に言い聞かせ、
電はまっすぐに進むことを指示、
どうにかトンネルを抜けることが出来た。

 マドーは伊東温泉近辺の地下深くに眠るウラン鉱脈を掘るため、
人払いをしていたのである。

 電はマドーがからんでいると睨み、
崖を駆け登って別のルートから町へ侵入した。
 マドーは電の目をそらすため、
シャボテン公園にマグマビーストを送り込み、
観光客をバスに無理矢理詰め込んで走らせる。
 モトシャリアンで追跡するシャリバン。
 暴走するバスを受け止め、
現れたマドー一味を蹴散らして観光客を助けた。

 その頃、大山小次郎は怪現象の話を聞き、
独自に調べているうちにマドーの秘密ルートを発見、
ウラン採掘場へとたどり着く。
 しかし、マドーに見つかり襲われてしまった。

 駆けつけた電が小次郎を逃がし、赤射して採掘マシーンを破壊、
マグマビーストはシャリバンクラッシュで倒した。

 マドーの干渉が無くなり、伊東温泉は元の賑わいを取り戻す。
 小次郎に招待された千秋たちも合流し、
電とリリィもまたリゾートを楽しむのであった。


 「オゼバン談」

 朝日ソノラマのファンコレによると、
観光バスの乗客として声優の川村万梨阿さんが出演されているそうです。
 黒ブチ眼鏡の母親役だとか。
 同じ頃「聖戦士ダンバイン」のチャム・ファウ役をされていました。

 バスガイド姿のリリィさんがカワイイです。

 電はバスの運転もできるのですね。
(グランドバースを動かせるのだからあたりまえか)
 ギャバンで初登場したときからやっている崖走りも見せてくれました。
 少し足が空回り気味なのがいいです。

 マグマに飲み込まれるシャリバンのイラストも必見。

 赤射の前に全身タイツになる時、
足下が映ってしまうと、
ジーンズとブーツが完全に行方不明になってしまいます。

 水筒の水を大仁田厚ふうに噴いてファイトローをひるませ、
水筒を投げつけて倒した小次郎さんがいい味を出していました。
 まともに戦えたのは「宇宙刑事ギャバン」第4話以来です。
 その時はアメフトのヘルメットで頭突きをして、
クラッシャーをやっつけました。
 第18話で女性ばかりがマドーに誘拐されたのも、
伊東の男は何をするか分からないと思われたからかもしれません。

 この回のマグマビーストは、
頭部が開いて花火が噴き出す実に夏向きの魔怪獣でした。
 腹や背中の造形も美しいです。

「Yeh!シャリバン」が挿入歌として初めて使われました。
「シンセサイザーファンタジー」で「ダンドゥダンドゥ」を含む部分を、
打楽器風に表現していたのが印象深かったです。

 歌にあわせて「マグナムチョップ」が初登場?

 モトシャリアン発進時には「DANGER MELODY」が流れます。
 声がMIOさんに似ているので、
オーラバトラーでも飛んできそうな雰囲気でした。
 歌っているポプラさんは、
「夢戦士ウイングマン」の主題歌も歌われていました。

 戦闘後には「シャリバンVマーチ」も使われます。

 ホテル川良は「キカイダー01」で、
千葉氏の弟・矢吹二郎氏も泊まっていました。

 大葉氏の出演は一カ所。





  第十八話 「夏だ!海だ!伊豆半島を襲うメテオの群」(83/7/1)
  脚本・上原正三 監督・小笠原猛

 マドーが伊東で何をたくらんでいるのかつかめていなかった伊賀電は、
採掘マシーンのあった場所へ行ってみる。
 深い地層から掘り出されたとみられる鉱石を拾い、
グランドバースへ持ち帰って調べてみるとウラン鉱石であった。

 直接掘ることに失敗したマドーは巨大なミサイルを撃ち込み、
地層に穴を開ける計画を進めていた。
 ミサイルを探知したギャバン隊長の連絡を受け、
誘導電波が伊東方面から出ていることを知った電は調査に向かう。

 リリィは明や千恵のガードも兼ね、伊東温泉のホテル川良にいた。
 千秋、小次郎も含めて温泉プールを楽しんでいると、
突然霧がたちこめてサメビーストに千秋をさらわれてしまう。
 連絡を受けた電はホテル川良へ急いだ。

 海やシャボテン公園でも女性ばかりが姿を消していた。
 捜査中に千秋らしき人影を見た電は追いかけていき、
サメビーストに襲われたが赤射してしのぐ。

 電は電波を頼りに捜索を続け、ミサイル誘導基地を発見、
赤射して捕らわれていた女性達を逃がし、
シャリンガータンクで基地を破壊した。

 しかし、ガイラー将軍は誘導装置は他にもあると言う。
 サメビーストから怪電波が出ていることに気づいたシャリバンは、
サーチャースコープで誘導装置を見つけシャリバンクラッシュで粉砕。
 巨大ミサイルはグランドバースで爆破した。

 千秋も帰ってきて笑顔を取り戻した一同は、
ホテル川良の豪華料理に舌鼓を打ち、海で楽しく遊ぶのであった。


 「オゼバン談」

 夏場にブルゾンとロングブーツといった電のいでたちはきつそう。
 崖走りもお疲れさまと言いたいです。

 小次郎さんの水着はどこで買ったんでしょうか?
 あの格好でホテル内を歩き回り、川良太鼓を見に行って、
よく注意されなかったものです。

 モトシャリアンの発進時から戦闘中にかけて、
「シャリバンVマーチ」が使われています。
 少しさわやかすぎて、正直な話違和感を覚えました。

 グランドバースの武器、「バース破壊ビーム」が登場。
 しかし、直前の「バースビーム」と区別がつきませんでした。
 このあたりはクライムバスターによく似ています。

 アクション監督の金田治氏によると、
地方ロケは食事の心配をしなくて良いから楽しみなのだとか。
 伊豆のロケは食事がいいと春田純一氏も話されております。
 渡氏は普段一日中スタジオの中にいるので、
ロケは気分転換にいいとおっしゃっています。

 確かにこの回を観ると伊豆に行きたくなります。
 女だらけの水泳大会ふうで喜んだ人も多いのでは?

 渡氏の水着姿もあります。

 大葉氏の出演は一カ所。





  第十九話 「魔境岬に一人立つ神秘の少女」(83/7/8)
  脚本・上原正三 監督・小林義明

 伊賀電の目の前で青年が倒れ、
「イガクリスタル……」の言葉を残し息を引き取った。
 青年の素性を調べてみると、
名は伊賀幸一、電の故郷である奥伊賀島の出身であった。

 電は島に上陸し、情報を集め始める。
 すると突然現れた仮面怪人が電に攻撃を加えて逃げ去った。
 追跡した電はやがて教会へとたどり着く。
 庭で食事を楽しんでいた神父に怪人のことをたずねると、
見ていないと答えた。
 さらにイガクリスタルについて聞くと、
穏やかな表情を急変させ、教会へ駆け込んでしまう。

 島のことは村長に聞けとの神父の言葉通り、
電は魔人湖のほとりで村長に会った。
 イガクリスタルについてたずねると、
「生きてこの島を出たかったら、二度とその言葉を口にするな」
 との言葉を残し、村長は立ち去ってしまう。

 その直後、電はセーラー服を着た身軽な少女達を見て追いかけた。
 しかし、逆に襲われ吊り橋から落ちそうになる。
 助けを求めるも、少女達は逃げるように去っていった。
 続いて現れた神父はカタリベビーストに変身、
突き落とされた電は赤射して上昇し、クライムバスターで追い払った。

 イガクリスタルを持つ者は全宇宙を支配できるという。
 マドーもまた奥伊賀島での探索を始めていた。
 そんなマドーの前に立ちはだかる仮面怪人と少女達。
 だが、力の差は歴然で、
カタリベビーストに仮面怪人がとどめを刺されそうになったとき、
赤射した電が駆けつけた。

 マドー一味を蹴散らし、仮面怪人と少女達のもとへ行く電、
仮面を外すと怪人は村長であった。
 村長は電が島を探りに来たスパイだと勘違いし、
襲ったのであった。
 伊賀幸一を殺したのは、
イガクリスタルの秘密をマドーに売り渡そうとしたからだと言う。

「真っ赤に燃ゆる体を持ち、
 真っ赤に燃ゆる正義の心を持った若者が現れて、
 マドーを滅ぼしてくれる」

 二千年前、マドーに星を住めなくされ、
地球に移り住んだイガ星人の予言者の言葉を話す村長。
 電も少女達もイガ星人の子孫、
イガクリスタルを守ってくれと言い残し、
古い地図を電に託して村長は息を引き取った。


 「オゼバン談」

 カタリベビーストの人間体の神父として、
斉藤晴彦氏が出演されています。
「ロボット8ちゃん」でバラバラマン役を演じられていましたが、
その時、バラバラギャルをやっていたのは、
ドクターポルターの吉岡ひとみさんです。

 渡氏によると斉藤晴彦さんはすごい役者で、
いろいろ勉強になったそうです。
 あの時から顔が変わったとよく言われたとか。

 電は神父にもらったパンを捨てたのでしょうか?

 教会は台本では喫茶店だったらしいです。

 イガクリスタルを守る少女みゆき役は、
「透明ドリちゃん」の柿崎澄子さん。
 黄色い靴下の少女は渡氏と同期の今泉ゆかりさん。
 青い靴下の少女はやはりJACの小島憲子さんです。
 小島さんは「宇宙刑事シャイダー」ではギャル4(緑)を演じ、
森永奈緒美さんとの対決シーンで頑張っていらっしゃいました。

 番組冒頭で早見優さんの歌が流れます。
 もしかすると渡氏のリクエストでしょうか?
 吊り橋でぶら下がるのは怖そうでしたね。

 大葉氏の出演は一カ所。
「伊賀のカバ丸」の撮影に入ったのか、
髪型がすっきりして耳が出ています。





  第二十話 「荒波が呼ぶ七色水晶の孤島」(83/7/15)
  脚本・上原正三 監督・小林義明

 伊賀電と奥伊賀島の少女達は、
古地図を頼りにイガクリスタルの探索を始めた。
 魔境岬へつながる洞窟にたどり着き、
電は一人で入っていく。

 洞窟を抜けると苔を集めている学者と出会った。
 イガ獅子の像のありかを知っているというので案内してもらうと、
油断した隙に古地図を奪われ、崖から突き落とされてしまう。
 学者はカタリベビーストだったのである。

 マドーは奪った古地図を頼りにイガ獅子の剣を発見した。
 だが、岩に突き立つ剣を引き抜くことはできず、
獅子の像から出た光線によって退散せざるをえなかった。

 やがて気絶から目覚めた電も剣の前に辿り着く。
「大きくなったら奥伊賀島へ行き、獅子の剣を……」
 父が息を引き取る寸前に残した言葉を思いだし、
電は剣に手をかけた。
 引き抜くと同時に獅子の像から光線が発せられ、
それが剣にいったん集まり、再び放出して岩壁を崩す。
 目の前で巨大な獅子が口を開け、電は中へ入っていった。
 鎮座した獅子の像の前にある鞘へ剣を収める電、
すると太陽に匹敵する無限のエネルギーを持つイガクリスタルが現れた。

 電は後をつけてきた少女達と共に獅子の像の話を聞いた。
「いつの日かイガクリスタルを持ってイガ星に帰ってくれ、
 そしてイガ星を再興するのだ。
 マドーに渡してはならない、いかなることがあっても」

 マドーもまたイガクリスタルのありかを嗅ぎつけてきていた。
 電はみゆきに獅子の像のたてがみを触るよう指示する。
 それは転送装置になっており、
イガクリスタルを別の場所へ移動させるのである。
 みゆきが言われたとおりにすると、少女達まで巻き込まれ、
イガクリスタルと共に遠い彼方へ消えていった。

 崩れていく洞窟から電は赤射して脱出し、
そのままマドー一味を蹴散らして、カタリベビーストを倒した。

 村長の墓に花を供えつつ、みゆき達の行方を案ずる電、
イガクリスタルと共に見つけだし、マドーを倒す日を誓うのであった。


 「オゼバン談」

 カタリベビーストの人間体としてうえだ峻氏が出演されています。
 独特のひょうきんキャラで、
もう少し出番が多くても良かったのではないかと思いました。
 声がいいんですよね。
 しかし前回の斉藤氏、今回のうえだ氏と二種類の人間に化け、
それぞれが個性的な俳優というカタリベビーストは贅沢なやつですね。
 名前もいいと思いませんか?

 展開が目まぐるしすぎて、
当時は少し取り残されたような気がしましたが、
今後のストーリーまで期待させる素晴らしい出来だと思います。
 これを見せられたら先を見るしかないでしょう。

 渡氏も奥伊賀島の話は台本を読んでもぜんぜん解らなかったそうです。
 撮影の当日もセリフがどんどん変わり、
つながれたのを見るまでどうなっているのか解らなかったのだとか。

 十九話、二十話の電の上着は、
フロントがチャック式の白いジャンパーでした。
 生地も薄手で、中はTシャツ一枚のようです。
 崖から落ちて破れましたが、花を供えるときはもどっていました。
 きっと二枚持参していたのでしょう。

 大葉氏の出演は一カ所。



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