第五十話 「海坊主」(84/2/17)脚本・上原正三 監督・田中秀夫

 ミミーは魔王サイコの絵を見ながら念じたが、どうしても幻夢城へのルートを透視することは出来なかった。

 マドーはサイコの人工頭脳を数千倍にパワーアップするため、イガクリスタル・エネルギー発生装置の開発を急いでいた。

 レイダーの幻夢城乗っ取り計画に気づいていたサイコは、シャリバン討伐を命じ共倒れをはかる。レイダーは逆にチャンスと見てガマゴン大王とともに向かった。二人を監視していたミスアクマ2は、気づかれてガマゴン大王に食べられてしまう。

 少女たちを見つけたガマゴン大王は、早速襲いかかったが、駆けつけた電に邪魔をされた。レイダーは電が赤射するとサイコゾーンへ導き、幻夢城へ向かわせる。サイコは幻夢界を発生させて阻んだ。

 シャリバンをガマゴンに任せ幻夢城へもどったレイダーは、サイコの電子頭脳を破壊して身動きをとれなくした。

 一方、ガマゴン大王はシャリバンを苦しめていた。父と母の幻影を見たシャリバンは「負けてたまるか!」と奮起。聖なる剣を呼んで、レーザーブレードとの二刀流でガマゴン大王を仕留める。

 ドクターポルターに催眠術をかけエネルギー発生装置を製造させ、万年王国を築きあげようと目論むレイダー。突如、白いスーツを着たスキンヘッドの男が現れ、魔王サイコを名乗る。男はサイコと合体して再び分離、動けなかったサイコは意識を取り戻した。サイコは命を二分して男に持たせていたのだ。男はサイコラーに変身しレイダーを葬り去った。

 サイコラーは目障りなシャリバンをも消すため、電を襲った。電は赤射して応戦、シャリバンクラッシュで倒したが、サイコラーはサイコから命を注いでもらい生き返る。サイコとサイコラーは同時に倒さないかぎり何度でも復活するのであった。

 双剣から光線を発しシャリバンを苦しめるサイコラー。リリィがブラスターで援護するも、シャリバンは傷を負い動きがままならない。

 ファイトローも現れ危ういところへ、オルガナイザーのリタとキースが助太刀に入り、なんとか敵を退けた。

 リタとキースにイガ星の末裔がいることを聞かされた電は、イガクリスタル奪還に向け決意を新たにした。


 「オゼバン談」

「ミミー」「ガマゴン」「海坊主」と、知らない人が聞いたら何のこっちゃ分からないタイトルが続きました。

 マドー戦闘母艦は二千年前から同じ物を使っているみたいです。弱いのはそのせいもあるのでしょうが、砲台の向きを見ても分かるとおり、本来は地表を攻撃する爆撃用とみられるため、魔王サイコの運用ミスもあると思われます。

 女性を舐めたがるガマゴン大王のエロジジイぶりはあいかわらずで、食べられてしまったミスアクマ2には同情を禁じ得ません。

 小次郎さんの拳法にも注目。

 第一話からちらちらと意味ありげに出演していたスキンヘッドの男が、ここにきてサイコの分身であったことが分かります。ファイトローの偵察要員であるとばかり信じ込んでいたため、当時は驚かされたものです。ただ、最初からこの設定ではなかったみたいですので、驚いたのも当然かも。一年間頭と眉をそり続けた山田一善氏は、実生活では大変苦労されたのではないかと思われます。なかなか出来ることではありません。

 やはり聖なる剣にもエネルギーを注入して欲しかったです。ストーリー上において意味を持つ剣のほうが地味なのはかわいそう。

 リタ役のシェリーさんとキース役の高橋利通氏が再登場。シェリーさんはテンポのよいアクションで頑張っていらっしゃいました。高橋氏のキースは槍も使うようになっています。ちいさなおじさんムーアは戦死した?

 サイコとサイコラーは同時に倒さなければならない!こうしてギャバン隊長がやってくることになるのでした。ただ出すのではなく、意味のある登場のさせかたには感服します。さすが上原正三氏!

 大葉氏の出演は無し。次回まで我慢、我慢。


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