第四十話 「炎のカーチェイス 愛の絆を裂く大予言」(83/12/9)脚本・上原正三 監督・田中秀夫

 大山小次郎は大予言八郎の書いた「地球大噴火」という本を真に受け、東京が大地震に襲われると信じ込み、疎開に行くと言い始める。

 大予言八郎は人々の恐怖心をあおっていた。その結果、街の人たちまで疎開を始めパニックになる。

「地球大噴火」の予言にはマドーが絡んでいた。恐怖と不安から他人を蹴落としてでも生き抜こうとする人間同士の醜い争いを引き起こし、征服をたやすくしようとたくらんだのである。

 大予言八郎に怪しさを感じた電は身元調査を始めた。連絡を受けたリリは尾行を開始するも、どうしても尻尾をつかむことが出来ない。

 リリィは大予言八郎がマスコミに向けて発言している場へおもむき、「この人はペテン師だ!」と挑発して事務所へ潜入した。大予言八郎は正体を現し、ヨゲンビーストに変身する。電はリリィのピンチに駆けつけて赤射、サイコゾーンへ逃げ込んだ魔怪獣をモトシャリアンで追った。

 だが、油断した隙に磔にされ、身動きがとれなくなってしまう。光線を浴びせられ苦しみながら、心の中でモトシャリアンを呼び続けるシャリバン。想いは届き、壁をぶち破ってモトシャリアンが現れた。身を盾にして光線の前に立ちはだかり、その場でスピン、飛びかかってきたファイトローを蹴散らすモトシャリアン。ビームで手枷足枷を壊してもらったシャリバンは、地震発生装置を破壊してモトシャリアンと共に基地を脱出した。そのまま幻夢界に飛び込みヨゲンビーストも倒す。

 人々のパニックを回避し、ワインを片手にくつろぐ電とリリィ。ふと思い出したように電はモトシャリアンの所へ行き、ねぎらうようにワインをかけてやった。

 モトシャリアンはただのメカではなく、共に闘う戦友、助け合う兄弟のように、電にとってかけがえのない存在になっていた。


 「オゼバン談」

 大予言八郎役を潮健児氏がやられています。いつもは恐怖を感じさせる役が多いのに、この回はわりとまともな人間の役だったので、最初見たときは違う人かと思いました。演じる幅の広さには感心します。潮氏は役柄とは違いとても気さくで、周りの人に気を使う人だったらしいので、普段は今回のような声で話していたのではないでしょうか。それにしても大予言八郎という名は胡散臭すぎ(笑)。

 リリィを助けに来た電に最初に殴られたのは、超電子バイオマン・ブルースリーの大須賀昭人氏でしょうか?

 シャリバンのスーツアクターが柴原孝典氏に代わったそうですが、OPでは村上潤とクレジットされています(なんと最終回まで)。番組中にスーツアクターが代わったと気づいた人はすごい?私は当然気づかず、言われてみると脚が少し細くなったかなと感じました。柴原氏はまだ慣れていないせいか、本来ならシャリバンキックであるはずのシーンが普通のキックだったり、スパークボンバーなどの技もありませんでした。しかし、シャリバンクラッシュの直前のにらみ合いで、右脇構えをするのがかっこよかったです。

 モトシャリアンの出番は多いのですが、いまいちスピード感が表現できていないように思いました。ジープに長々と併走されては……。まっすぐ、まっすぐ走り、強引な180度ターンもカッコ悪いです。でも、こんなバイクがあればかわいいですよね。

 大葉氏の出演は無し。


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