第三十七話 「不思議な毒花を熊狩りじいさんは見た」(83/11/18)脚本・高久進 監督・小笠原猛

 鳥や動物が凶暴になり人を襲っていると聴いた伊賀電は山を調べに向かった。山中に分け入った電は誤って熊狩り用の罠にかかり、またぎのおじいさんに助けられる。

 隕石に乗って地球へ運ばれた惑星ガニメデスの花の実は動物たちを凶暴にさせる。その実を用い強い魔怪獣を造り出そうとたくらんだマドーは、花の咲いている場所の捜索を開始した。

 またぎのおじいさんの孫である吾一少年は、ガニメデスの花を獲ろうとしてクマビーストに襲われ、崖から落ちてしまう。

 飼っていた犬が吠え立てているのを聴きつけ、おじいさんが駆けつけた。再び山を捜索に来た電は、ジープで二人を病院へ連れていってあげる。

 吾一の手術の最中、おじいさんは電にガニメデスの花について語ってくれた。吾一が生まれて間もない頃、吾一の両親は熊に襲われて死んだ。おじいさんは熊を仕留め、胃の中に見たことのない花の実があるのを見つけ、これが熊を凶暴にしたに違いないと思ったおじいさんは、山をくまなく歩いて花が咲いている場所を見つけ焼き払ったという。

 マドーは電の目を引きつけているうちに吾一の病室へ押し入り、孫の命を助けたければ花のありかを教えろとおじいさんに案内させた。

 電は吾一の犬の行く先に従い、おじいさんを追跡する。マドーは花を手に入れおじいさんを殺そうとしていた。その時、追いついた電は赤射して救出し、クライムバスターで花を焼き払う。

 現れたクマビーストはシャリバンクラッシュで倒し、山に平和が訪れた。吾一少年も無事に退院し、おじいさんの跡を継いでマタギになることとなった。


 「オゼバン談」

 小次郎さんはどう説得してあの服を千秋に着せたのか謎です。マグマ大使の奥さんみたい? そこまでしてくれた千秋を熊が出た瞬間に置いて逃げる。やっぱり怖いですよね。そう考えると伊賀電一郎のとった行動のすごさが分かります。

 電のジーンズはブーツでふくらはぎの部分がピッタリしているため、スリムかと思ったら意外に裾が広かったです。靴下はやっぱり白。

 前転しながら赤射してリリーを救うシーンは実にスムーズで完成度が高かったです。

「エルボーハンマー」は初登場?

 クマビーストの人間体は、ライダーシリーズ、バロム・1、スカイゼルなど、数々のヒーローのスーツアクターを務めた中屋敷鉄也氏です。現在は哲也と改名し、舞台を中心に活躍されています。

 おじいさんの左目の脇の傷など、設定が細かいなと感心しました。あえて語らないところにも好感が持てます。

 犬も、おじいさんも、少年も、とてもいい味を出していました。イガ星がらみの話ではないのですが、どこか心あたたまる話でホッとさせてくれます。犬好きな人はぜひ見ましょう。

 大葉氏の出演は無し。


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