第三十六話 「風雲の宇宙海にイガ戦士団のZ旗あがる」(83/11/11)脚本・上原正三 監督・田中秀夫
オルガナイザーのリタから電にメッセージが届いた。「マドーに恨みをいだくベル姉弟が地球へ向かったから保護して欲しい」電はベル姉弟の宇宙船が着陸したとみられる場所へ急いだ。
マドーもベル姉弟が地球へ来たことをキャッチしていた。魔王サイコは討伐のためにガイラー将軍と手下を差し向けたが、ベル姉弟に一蹴されてしまう。
マドーとの戦いに自信を持ったベル姉弟は、保護に来た電の言葉を聞こうともしなかった。電は再び説得を試みるため姉弟のもとへ行き、「隠れ家を探してくるから、ここを動くな」と言いきかせて別れる。
だが、その間にベル姉弟はマドーに襲われ捕らえられてしまった。電は助けを求める姉弟のテレパシーをキャッチし、駆けつけて赤射。ふたりを救出する。
電のことを疑っていた姉弟は心を開き、姉のヘレンは生い立ちを話し始めた。自分が十歳、弟のビリーが五歳の時に、両親をマドーに殺され、以後宇宙戦士に育てられたと。
ふとビリーの胸元にイガ獅子のペンダントが光っているのを見て驚く電。お守りとしてヘレンも同じ物を持っていた。ベル姉弟もまたイガ星の末裔だったのである。電はイガ星を再興するためにマドーと戦っていることを話した。姉弟は目を輝かせて聴き入った。
マドーにやられた傷のせいで具合の悪いビリーのために、電は水をくんできてあげる。しかし、その間にまたもやマドーに姉弟を捕らえられてしまった。
抵抗すれば姉弟を殺すと言われ、手出しもできぬままブンリビーストに痛めつけられる電。見かねたビリーはファイトローの銃を奪い電を助けたが、ガイラー将軍の電光剣によって重傷を負わされる。
すきを見て電は赤射。マドー一味を蹴散らし、立ちはだかるブンリビーストを倒した。
ビリーの容態は悪く、命の灯は消えようとしていた。「イガ星へ行くんだろ、いっしょに再興しよう」電の言葉にうなずき、「連れてってくれよな、俺も……」とイガ獅子のペンダントを差し出すビリー。電が受け取とると「姉さんを……」の言葉を残してビリーは息を引き取った。
「これ以上無茶をしないでくれ」ビリーの墓前でヘレンに頼む電。だが、ヘレンはマドーと戦うことを強く決意するのであった。
「オゼバン談」
ベル・ヘレン……。想い出の中で美化されているのかと思っていた彼女は、一目惚れしたときと同じように輝いていました。男勝りのキレのいいアクションに、かわいらしい声、リリーの存在を食いかねない強力なキャラクターです。伊賀電やリリーでさえ登場していない、LDのジャケットを飾るだけのことはあります。いろいろと難しい事情はあるでしょうに、あの写真を選んで下さったかたには御礼申し上げます。
ヘレンについて聞かれた渡氏の言葉。「ヘレンにくわれちゃって。あ、楽でいいやーて(笑)」
後のワイルドさを強調するためか、この回のヘレンはやけに色白メイクです。
ビリー役は土家歩氏。アクションも頑張って、やんちゃな少年を好演し、バイクロッサーギンとして特撮番組に携わっていくことになります。アルミホイルで止血されていたのを見て、バファローダブラーになったダブルマンを思いだしました。
ベル姉弟の宇宙船はマグマ大使にそっくり?
ブンリビーストはビリーも言っていましたが、まさに「魔怪獣」という言葉が似合います。合体しているほうが弱く見えるのが難点。なにかその時用の技があればよかったですね。
渡氏はビリーが死ぬシーンを「太陽にほえろ!」でテキサス刑事が死んだ時の山さんの演技を参考にして、自分なりにアレンジしたそうです。
大葉氏の出演は無し。
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