第三十五話 「倒れたら立ちあがれ電!愛は生命の輝き」(83/11/4)脚本・上原正三 監督・田中秀夫
死の淵から奇跡の生還を果たした伊賀電。しかし、レイダーは屍同然と言い切った。そこで魔王サイコはワシビーストを送り電を襲わせてみる。電は赤射して反撃するも、レイダーに苦しめられた記憶が甦り、自らの死体を見た。
無抵抗になってしまったシャリバンを、リリィがシャリンガータンクで救出する。
「伊賀電不調」の報を受け、バード星からコム長官とマリーンがやってきた。電の意識を探ったコム長官は、マドーが霊界と手を結んだことを知る。
このままでは何度やっても勝てない。電は闘争本能を呼び覚ますためのサバイバルテストを受けたが、結果はかんばしくなかった。
マドーは電が不調であることを見逃さず、子供たちを人質に取っておびき出した。攻撃を受けた電は赤射して応戦するも、やはりレイダーに苦しめられる。
幻覚攻撃の最中、電は若くして亡くなった母の夢を見る。名も知れない野草にも、自然の猛威に耐えて育つたくましい生命力があることを教えてくれた母。厳しい寒さや冷たい雪をはねのける人間になって欲しいと願っていた母。
「ここでくたばるわけにはいかない!」電は意識を取り戻した。しかし、いつの間にか磔にされており身動きがとれない。迫ってくるワシビースト。そこへ聖なる者が現れて励ます。「諦めてはいけない。最後の力の一滴までふりしぼるのだ」
シャリバンは全身に力を込め、磔台から逃れた。レーザーブレードが閃いたとき、ワシビーストは葬り去られる。
ふらふらになりながら電はグランドバースへ帰還、痛めつけられてはいたが、顔には満足げな笑みがあった。
「オゼバン談」
ワシビーストは21話のウツボビースト以来、久しぶりに動物の名を冠した魔怪獣でした。
リリィに助けられたシャリバンを見て、ガイラー将軍が「卑怯者め!」と言いますが、「お前がゆうな!」と言いたいです。
コム長官とマリーンの乗る宇宙船はギャバンの頃とは違い、随分すっきりとしたデザインになっています。すっきりしすぎて、ちょっとボロ過ぎ?バード星からだと距離がありすぎて人間電送装置が使えないのでしょうね。
グランドバースを呼ぶときのポーズが覚えたい人は、この回がいいかもしれません。
母親の夢を見ている間、BGMとして、「デジタルトリップ・宇宙刑事シャリバン・シンセサイザーファンタジー」が使われています。CD化されているかどうかは知りませんが、中古レコード屋を丹念に捜せばカセットかLPが見つかると思います。
笑う魔王サイコは珍しい映像でしょう。作戦が失敗すると怒ったりして感情が豊かでした。
大葉氏の出演は無し。
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