第二十七話 「裏切りの空 暗黒刑務所からの逃亡者」(83/9/9)脚本・高久進 監督・小笠原猛

 マドーと戦う異星人の自由主義者の集まりオルガナイザー。その一員のリタ、ムーア、キースが地球へやって来た。シャリバンとコンタクトを取り、共に戦うためである。シャリバンに会ったリタは決意を新たにし、全宇宙で戦っている仲間達へ激励の通信を送った。

 同じ頃、マドーの暗黒刑務所から一人の男が脱走する。地球にたどり付いた男はマドーに捕まりかけたところをシャリバンに助けられた。マドーに傷つけられ、危ない状態だった男のために、シャリバンは輸血をしようと血液型を調べて驚く。自分と同じ血液型。男もイガ星人の末裔だったのである。シャリバンは自分の血を輸血し、男は快方へと向かった。

 男はマリオと名乗った。イガ星が滅ぼされたとき、マリオの祖先は銀河系の他の惑星へ逃れたが、そこもまたマドーの襲撃を受け、指導者だった父と母は暗黒刑務所へ投獄され、マリオはそこで生まれたという。父は獄死、母は捕らわれたまま、自由を叫ぶ人たちの助けを借り、マリオはようやく脱走に成功したのだ。電はマリオを同じ血で結ばれた兄弟と思うようになる。

 暗黒刑務所からの脱獄に成功した者は誰一人としていない。コム長官はマリオを疑う素振りを見せた。だが、電は命がけで脱獄してきたマリオを疑う気にはなれなかった。

 その後、マリオはマドーに人質に取られてしまう。命を助け助けたければ三人のオルガナイザーを連れてこいと言われ、血を分けた兄弟を見殺しに出来ない電は三人に頭を下げた。心情を察してくれたリタのおかげで、電と三人は指定の場所へ向かう。

 三人とすれ違い、電のもとへ歩み寄るマリオ。しかし、突如剣を抜き斬りかかってきた。マリオは三人をおびき出すために魔王サイコの命を受け、脱走を装っていたのである。

 マドー一味も襲ってきて危ういところを、駆けつけたリリィがブラスターで応戦した。リリィはマリオに母親が息子の裏切りを知って自殺したことを話す。苦悶するマリオ。ウラギリビーストが電に襲いかかったとき、マリオの投げた剣が電を救った。

 怒り狂うウラギリビーストのギロチン剣に、マリオが倒れるのを見て電は赤射。マドー一味を蹴散らし、ウラギリビーストを倒すも、マリオは瀕死の状態であった。

「母さんと、あんたに悪いことをした……」後悔の念に押しつぶされそうなマリオへ、電は何のわだかまりもなく、
「俺達は同じイガ星人だ。血を分けた兄弟だ」と答える。自分を許してくれた電の手を握りしめ、マリオは静かに息を引き取った。


 「オゼバン談」

 第20話以降イガ星がらみの話が無かったので、あれはいったいなんだったんだろうと当時思っていたところ、豪華ゲストでストーリーが始まり驚いた記憶があります。

 リタ役のシェリーさんは「オズの魔法使い」で、主演のドロシーをやられていました。番組の途中に赤と青のセロファン眼鏡で立体になる場面があったように、うっすらと記憶が残っています。

 キース役はおなじみ高橋利通氏。第13話では伊賀電をぶん殴っていたのに味方となってもどってきました。ワルマッチョもイイマッチョもできる役者であることを証明しています。

 マリオ役は尾崎紀世彦氏。「シャリバンVマーチ」「星空の街を歩こう」を歌った縁で出演されたのでしょう。しかし、セリフの棒読みはちょっと……。

 この回はやはりクライムバスターに輸血装置があることに目が向きます。ファジーな弾道といい、まさに万能銃。この手の銃では一番好きなデザインです。スリムなところが最高。

 しかし、モトシャリアンの地表での走行は将棋の香車を思い出させます。

 弱者を救うためなら土下座もした。友人を信じるためなら上司にも反論する。間違いを犯した友人を広い心で許す。自然や動物を愛することも含めて、伊賀電を見ていると胸に手を当てて考えたくなることが沢山あります。

 大葉氏の出演は無し。


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