第二十話 「荒波が呼ぶ七色水晶の孤島」(83/7/15)脚本・上原正三 監督・小林義明

 伊賀電と奥伊賀島の少女達は、古地図を頼りにイガクリスタルの探索を始めた。魔境岬へつながる洞窟にたどり着き、電は一人で入っていく。

 洞窟を抜けると苔を集めている学者と出会った。イガ獅子の像のありかを知っているというので案内してもらうと、油断した隙に古地図を奪われ、崖から突き落とされてしまう。学者はカタリベビーストだったのである。

 マドーは奪った古地図を頼りにイガ獅子の剣を発見した。だが、岩に突き立つ剣を引き抜くことはできず、獅子の像から出た光線によって退散せざるをえなかった。

 やがて気絶から目覚めた電も剣の前に辿り着く。「大きくなったら奥伊賀島へ行き、獅子の剣を……」父が息を引き取る寸前に残した言葉を思いだし、電は剣に手をかけた。引き抜くと同時に獅子の像から光線が発せられ、それが剣にいったん集まり、再び放出して岩壁を崩す。目の前で巨大な獅子が口を開け、電は中へ入っていった。鎮座した獅子の像の前にある鞘へ剣を収める電、すると太陽に匹敵する無限のエネルギーを持つイガクリスタルが現れた。

 電は後をつけてきた少女達と共に獅子の像の話を聞いた。「いつの日かイガクリスタルを持ってイガ星に帰ってくれ、そしてイガ星を再興するのだ。マドーに渡してはならない、いかなることがあっても」

 マドーもまたイガクリスタルのありかを嗅ぎつけてきていた。電はみゆきに獅子の像のたてがみを触るよう指示する。それは転送装置になっており、イガクリスタルを別の場所へ移動させるのである。みゆきが言われたとおりにすると、少女達まで巻き込まれ、イガクリスタルと共に遠い彼方へ消えていった。

 崩れていく洞窟から電は赤射して脱出し、そのままマドー一味を蹴散らして、カタリベビーストを倒した。

 村長の墓に花を供えつつ、みゆき達の行方を案ずる電、イガクリスタルと共に見つけだし、マドーを倒す日を誓うのであった。


 「オゼバン談」

 カタリベビーストの人間体としてうえだ峻氏が出演されています。独特のひょうきんキャラで、もう少し出番が多くても良かったのではないかと思いました。声がいいんですよね。しかし前回の斉藤氏、今回のうえだ氏と二種類の人間に化け、それぞれが個性的な俳優というカタリベビーストは贅沢なやつですね。名前もいいと思いませんか?

 展開が目まぐるしすぎて、当時は少し取り残されたような気がしましたが、今後のストーリーまで期待させる素晴らしい出来だと思います。これを見せられたら先を見るしかないでしょう。

 渡氏も奥伊賀島の話は台本を読んでもぜんぜん解らなかったそうです。撮影の当日もセリフがどんどん変わり、つながれたのを見るまでどうなっているのか解らなかったのだとか。

 十九話、二十話の電の上着は、フロントがチャック式の白いジャンパーでした。生地も薄手で、中はTシャツ一枚のようです。崖から落ちて破れましたが、花を供えるときはもどっていました。きっと二枚持参していたのでしょう。

 大葉氏の出演は一カ所。


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