第十九話 「魔境岬に一人立つ神秘の少女」(83/7/8)脚本・上原正三 監督・小林義明

 伊賀電の目の前で青年が倒れ、「イガクリスタル……」の言葉を残し息を引き取った。青年の素性を調べてみると、名は伊賀幸一、電の故郷である奥伊賀島の出身であった。

 電は島に上陸し、情報を集め始める。すると突然現れた仮面怪人が電に攻撃を加えて逃げ去った。追跡した電はやがて教会へとたどり着く。庭で食事を楽しんでいた神父に怪人のことをたずねると、見ていないと答えた。さらにイガクリスタルについて聞くと、穏やかな表情を急変させ、教会へ駆け込んでしまう。

 島のことは村長に聞けとの神父の言葉通り、電は魔人湖のほとりで村長に会った。イガクリスタルについてたずねると、「生きてこの島を出たかったら、二度とその言葉を口にするな」との言葉を残し、村長は立ち去ってしまう。

 その直後、電はセーラー服を着た身軽な少女達を見て追いかけた。しかし、逆に襲われ吊り橋から落ちそうになる。助けを求めるも、少女達は逃げるように去っていった。続いて現れた神父はカタリベビーストに変身、突き落とされた電は赤射して上昇し、クライムバスターで追い払った。

 イガクリスタルを持つ者は全宇宙を支配できるという。マドーもまた奥伊賀島での探索を始めていた。そんなマドーの前に立ちはだかる仮面怪人と少女達。だが、力の差は歴然で、カタリベビーストに仮面怪人がとどめを刺されそうになったとき、赤射した電が駆けつけた。

 マドー一味を蹴散らし、仮面怪人と少女達のもとへ行く電、仮面を外すと怪人は村長であった。村長は電が島を探りに来たスパイだと勘違いし、襲ったのであった。伊賀幸一を殺したのは、イガクリスタルの秘密をマドーに売り渡そうとしたからだと言う。

「真っ赤に燃ゆる体を持ち、真っ赤に燃ゆる正義の心を持った若者が現れて、マドーを滅ぼしてくれる」

 二千年前、マドーに星を住めなくされ、地球に移り住んだイガ星人の予言者の言葉を話す村長。電も少女達もイガ星人の子孫、イガクリスタルを守ってくれと言い残し、古い地図を電に託して村長は息を引き取った。


 「オゼバン談」

 カタリベビーストの人間体の神父として、斉藤晴彦氏が出演されています。「ロボット8ちゃん」でバラバラマン役を演じられていましたが、その時、バラバラギャルをやっていたのは、ドクターポルターの吉岡ひとみさんです。

 渡氏によると斉藤晴彦さんはすごい役者で、いろいろ勉強になったそうです。あの時から顔が変わったとよく言われたとか。

 電は神父にもらったパンを捨てたのでしょうか?

 教会は台本では喫茶店だったらしいです。

 イガクリスタルを守る少女みゆき役は、「透明ドリちゃん」の柿崎澄子さん。黄色い靴下の少女は渡氏と同期の今泉ゆかりさん。青い靴下の少女はやはりJACの小島憲子さんです。小島さんは「宇宙刑事シャイダー」ではギャル4(緑)を演じ、森永奈緒美さんとの対決シーンで頑張っていらっしゃいました。

 番組冒頭で早見優さんの歌が流れます。もしかすると渡氏のリクエストでしょうか?吊り橋でぶら下がるのは怖そうでしたね。

 大葉氏の出演は一カ所。「伊賀のカバ丸」の撮影に入ったのか、髪型がすっきりして耳が出ています。


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