第六話 「戦場の森をかける小さな命」(83/4/8)脚本・上原正三 監督・小笠原猛

 若葉山の木や動物たちが、落雷のようなものに焼かれる事件が続発したと聴き、伊賀電は調査に向かった。

 山中はひどく荒れていた。原因はやはりマドーで、襲われた電は赤射してヤマガミビーストと戦うも逃げられてしまう。

 マドーはシャリバンのデータを集め、森林警備隊員であったことに注目し、小動物を次々と殺して見せては電の冷静さを失わせた。やがて洞窟に誘い込まれた電は捕まってしまう。

 電がマドーの罠にはまったと気づいたリリィは、ギャバン隊長に報告した。ギャバンはただちに電送装置で駆けつけ若葉山へ向かう。

 その頃、電は電波を遮断する牢に入れられていた。通信も赤射もできないまま、ヤマガミビーストとの戦いを強いられる。好きなように攻撃を加えられ、とどめを刺されそうになったとき、電を発見したギャバンが電波遮断装置を破壊した。

 マドー一味に飛びかかるギャバン。「シャリバン! 赤射だ!」ギャバンの声に電が応えた。

 赤射したシャリバンの前に敵はなく、ヤマガミビーストは倒され、山は動物たちの楽園にもどった。


 「オゼバン談」

 伊賀電が「地球にやさしい男」であることがよく分かる回です。

 前作まではショボイ宇宙船で、100メートルワープを駆使してやって来たものですが、グランドバースは人間電送装置を装備しているので一瞬で駆けつけられます。おそらく「宇宙刑事ギャバン」第13話で香月博士が研究していた生体電送装置の技術を提供してもらい、バード星の超科学で完成させたのでしょう。

 捜索に出た大葉氏の白いパンタロンがまぶしいです。「チェイス!ギャバン」のトランペットのイントロとともに駆けつける姿に感動。ヤマガミビーストに喰らわせた蹴りは、間違いなくスパイラルキックです。蒸着しないほうが嬉しいのは私だけでしょうか?シャリバンと共に戦うシーンにはしびれました。ガイラー将軍くらいなら倒せそうな勢いです(密かにJACの同期対決)。最後のウサギを持っている姿だけはバトルケニアに見えました。

 クライムバスターの使い分けが初登場しますが、いまいち意味がないような気がします。破壊ビーム、溶解ビーム、ショックビーム、キラービームて……。でもショックビームを浴びたファイトローのリアクションは面白かったです。

 変形前のヤマガミビーストは気色の悪いデザイン。


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