第五話 「港のヨーコは愛のメロディーを忘れない」(83/4/1)脚本・上原正三 監督・小笠原猛

 伊賀電が働いている鈴木モータースへバイクの修理を頼みに来た男女が、何かに追われるようにして走り去っていく。修理代をもらっていない電は慌てて追いかけた。

 二人乗りをしていた男女は死神のような男の念力笛で転倒、追いついた電が二人を病院へ送った。あきらかにマドーに追われていたにもかかわらず、「マドーなんか知らない!」と言い張る男。電はついに病室から追い出されてしまう。

 いったんグランドバースに帰還したが、ギャバン隊長の「マドーに見張られていたのでは」との言葉に、電は再び病院へ向かう。しかし、すでに病室に男女の姿はなかった。

 男のバイクが横浜ナンバーだったことを思いだした電は、横浜に向かい、港で男を発見する。逃げる男を追跡するも、五人組の男に襲われ見失ってしまった。

 電が追っていたトキオはマドーのもとで働かされていた。マドーはディスコで踊っている人間の中から超能力が使えそうな者を選び、機械で能力を強化させて手下にしていたのである。

 電は捜索を続けていた。やがて港に係留してある船の中に、トキオと一緒にバイクに乗っていたヨーコを発見する。ヨーコはバイクの事故で記憶を失っていた。だが、電はそれが嘘であることを見抜く。「マドーは悪魔の集団。トキオはそのマドーに利用されている」電の言葉にヨーコはトキオを助けてと泣きながら頼んだ。

 マドーが暗躍していたディスコにはリリィが偵察に行った。踊っているうちに超能力強化の対象として選ばれたが、現れたドクターポルターに宇宙刑事であることを見抜かれる。危ういところをシャリバンが救出し、クライムバスターで超能力強化装置を破壊した。

 魔王サイコはヨーコの記憶喪失が嘘で、シャリバンとコンタクトをとっていることに気づき抹殺を命じる。トキオが船にいたヨーコを連れ出し、岸壁へと向かった。しかし、トキオにヨーコを突き落とすことなど出来なかった。手を取り逃げようとする二人の前へ、死神のような男と五人組が現れる。トキオは超能力で抵抗したが、シャリバンが駆けつける前に殺されてしまった。

 死神のような男はサウンドビーストであった。シャリバンによって倒されたが、トキオが目を覚ますことは二度となかった。


 「オゼバン談」

 OPのプラズマカノンの光線が変更されています。それは一目瞭然なのですが、実は光線の発射順も手肩から肩手へと変わりました。

 この回から小笠原猛監督が撮影のローテーションに加わります。第1話、第2話では小林義明監督のもとで助監督を務めていました。

「鈴木モータース」の名は、やっぱり鈴木自動車とのタイアップが関係しているのでしょうか?

 五人組の中のガラシャツの人は、「超電子バイオマン」でブルースリー役をやった、大須賀昭人氏ではないかと思われます。

 吉川進プロデューサーのお嬢さんの理恵子さんがヨーコ役で出演しています。

 潮健児氏もゲスト出演。フルートを吹く姿が異様な迫力でした。

 赤射シーンの発光飛行で背景が透けて見えるのはどうしても好きになれません。この回は人の形が残っているのですが、赤い円形のセロファンがスライドしているようなのは最悪。ギャバンで初登場したときみたいなshineな感じが欲しいです。

 第1話にも出ていましたが、この回より「海坊主」が頻繁に出てくるようになります(白スーツ)。しかし、終わり頃まではっきりとした設定はなく、ファイトローが化けたものとして紹介されている文献もありました。役の山田一善氏はJACのかたで、魔怪獣などにも入っていたらしいです。空手映画にあの姿で出演したのがきっかけで、効果として使われるようになったのだとか。設定が出来てからは微妙な感情も出したそうです。

 大葉氏の出演は一カ所。


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