第一話 「幻夢」(83/3/4)脚本・上原正三 監督・小林義明

 ギャバンの後を引き継ぎ、地球地区担当になったシャリバンは、都内で怪現象が頻発していると大山小次郎に聴き、調査を開始する。

 マドーの暗躍を感知した電は、怪しい超高層ビルに目をつけ、パートナーの女宇宙刑事リリィとともに潜入した。電は罠にかかって殺されそうになったが、オートコントロールで駆けつけたシャリンガータンクに救出される。

 地球侵略をたくらむ魔王サイコは、宇宙刑事が嗅ぎつけてきたと知り、魔怪獣ゴリビーストをシャリバン抹殺のために送り込んだ。

 電はグランドバースを襲ったマドー戦闘機を撃退、追跡して基地を発見し、マドー一味と戦う。幻夢界に引きずり込まれ、4倍のパワーを得たゴリビーストに苦戦するも、シャリバンクラッシュで葬り、見事に初陣を飾った。


 「オゼバン談」

 地球に来てすぐの電が、大山小次郎から連絡を受けたってことは、烈から紹介されていたのでしょうね。

 超高層ビル内でピエロが出てきたとき、バックに「三田寛子ファンの集い」と書かれたパネルがあるのが笑えます。直後に現れた海坊主は黒いスーツでした。

 シャリンガータンクはギャビオンとは違い第一話から大活躍。オートコントロールで伊賀電を救出する素晴らしいメカです。分離攻撃もシリーズで初めて効果的(?)に使われました。

 マドー戦闘機が爆発する際の合成で、バックの幕にシワがよっているのは気になりますよね。

 一話のうちに二機も沈められたマドー戦闘母艦は弱すぎ。デザイン的には子供の頃に見たカマキリの卵を思い出させます。

 スーツに入っているのは同じ村上潤氏なのに、ギャバンとシャリバンで、きちんとキャラにあった動きを演じわけていらっしゃるのはすごいと思いました。パンチやキックも微妙に違うんです。スーツアクターという職業が、文字通りアクターであるということがよく分かります。ご本人は「初めの頃は演じわけに苦労した」と述懐されていますが、私にはちゃんと伊賀電が赤射蒸着したように見えました。村上氏も大葉氏と同じく、学生時代にはバスケットをやっていたとのこと、バスケットは運動神経を鍛えるのに適したスポーツなのかもしれません。

 かけ声はまだ「シュウ!」ではなく、「サーィ!」「ターィ!」「シェイ!」といろいろでした。

 シャリバンの魔怪獣はギミックが豊富で、見ているだけでも面白いです。

「クライムバスター!」と銃の名前を言いながら発射するのは、ルパン三世が「ワルサーP38!」と言うのに近い? なるべく足下を撃つのは、相手を必要以上に傷つけない宇宙刑事流のジャスティスショットです。

 シャリバンクラッシュの閃光が魔怪獣の体を走るとき、画面の左上から右下へ向かうのはおかしいような……。右上から左下になるはずです。

 飯塚昭三氏は一年間の休養ののち、復帰初の仕事が魔王サイコだったそうです。感情を出さない発声法なので、一度聴いた後の演技の修正が出来ず非常にやりづらかったとか。

 大葉氏の出演は二カ所。


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