第二十八話 「暗黒の宇宙の海 さまよえる魔女モニカ」(82/10/22)脚本・高久進、永井達郎 監督・田中秀夫

 宇宙辺境の地に一人の老女が捕らわれていた。老女の名はモニカ。戦いながら宇宙をさまよっていた殺し屋である。

 ドンホラーは命の花で若返らせ、その身を自由にする代わりにギャバンの暗殺を命じた。モニカは条件をのみ、若き力を取り戻して地球へ向かう。

 その日は烈の誕生日。ミミーと楽しく食事をする予定であった。しかしモニカとマクーに襲われ、ミミーが毒矢を受けてしまう。

 ミミー重傷の報を受け、コム長官とマリーンがやってきた。毒は宇宙トリカブトと宇宙毒蛇の猛毒を混合したもので、放っておけば化石のようになって死ぬことが解る。

 解毒するには命の花が必要と知り、モニカが持っていたことを思いだした烈は、遭遇した場所へ行った。マクーは罠を張っており、烈はハッコツダブラーに襲われる。蒸着して追い払ったが、モニカが現れた。モニカは宇宙刑事が大嫌いだと言う。愛していた宇宙刑事に裏切られたからだった。

 命の花を賭けて烈とモニカは戦う。一進一退の攻防が続き、烈は足をすべらせて崖から転落した。

 モニカのすぐれた腕前を見て、自分の地位が危ないと思ったハンターキラーは、モニカに毒を塗った剣を投げつけ牢へ押し込める。

 烈はボロボロになりながらも崖をはい上がり、洞窟に入ったところ、牢屋に入れられているモニカと出会う。モニカはなぜ命を賭けてまで花を求めようとするのかたずねた。「命より大切なミミーを救うのに、命の花が必要なんだ」烈の言葉にモニカの心は打たれる。烈はモニカを牢から救い出した。

 モニカは自分の解毒のために命の花を使わせず、烈に持って帰るよう言い、追ってきたマクーを前に烈を差し置いて奮戦する。しかし、ハッコツダブラーに殺されてしまう。怒りに震える烈は、命の花をくわえて蒸着した。ハッコツダブラーを倒し、命の花を手にミミーのもとへ急ぐ烈。花の解毒作用によってミミーは快癒した。


 「オゼバン談」

 モニカ役の吉岡ひとみさんは、愛多きゆえに女殺し屋となった悲しい女を好演。次作「宇宙刑事シャリバン」で、ドクターポルターとしてレギュラー出演することになります。

 若返るだけでなく服装まで変わるのは、モニカの持つ魔力のせいでしょう。

 コム長官とマリーンの宇宙船が、やっぱり100メートルワープでやって来ます。

 烈がダブラーに投げ飛ばされた瞬間発光、そのまま白い影が駆けめぐりクラッシャーを次々となぎ倒す。かっこいい蒸着は、やはり田中監督でした。後に単なる光る玉になりますが、人の形が残っている方がいいですよね。

 ハンターキラーといい、モニカの愛した男といい、宇宙刑事は必ずしも思いやりのある人間ばかりではないみたいです。その一方で愛する人のためなら我が身の危険も省みない宇宙刑事もいます。烈と牢獄に閉じこめられたモニカのやりとりも必見。宇宙刑事はこうでなくっちゃ!

「赤射」は語尾の母音が「あ」のせいか、言葉に炸裂音的響きがあるため、ヘレンが死んだ回のように怒りを爆発させる変身が似合います。「蒸着」は語尾の母音が「う」のせいか、言葉が内にこもるため、この回のように怒りを内面で煮えたぎらせ、変身後にぶつけていく姿が似合います。もし、ギャバンに怒りを爆発させる変身が必要な回があったなら、串田アキラ氏のように「ジョウチャー!」と発声していたことでしょう。

 クラッシャーとダブラーの騎馬戦風突撃あり。前回同様、シルバービームであっさり吹き飛ばされました。相変わらずの意味不明さです。

 エレクトロソナーの右アンテナカットあり。


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