第十一話 「父は生きているのか?謎のSOS信号」(82/6/4)
脚本・上原正三 監督・田中秀夫

 ドルギランに宇宙刑事特有のSOS信号が入った。地球でそれを打つことが出きるのは、父ボイサーとハンターキラーしかいない。罠かもしれないが、烈は迷わず発信源へ向かった。

 道中、マクーに襲われていた少女を助け、さらに発信源へと近づく。そこは烈を殺すために作られた罠の町だった。父に会うためにもここで死ぬわけにはいかない。烈は蒸着し、辛くも逃げ延びた。

 ミミーに怪我の治療をしてもらっていると、助けてあげた少女が現れ、烈に似ていると一枚の写真を差し出す。写っていたボイサーの姿を見て驚く烈。少女は父の友人・星野博士の娘月子だったのである。博士の発明を兵器に転用しようと考えたマクーに狙われて、両親をハンターキラーに殺され、ボイサーの保護を受けていたのである。ボイサーに逢いたかった月子は霧吹谷に手がかりがあると知り、行こうとしたところをマクーに襲われたのだった。

 烈は霧吹谷に向かい、父の宇宙船を発見する。マクーの総攻撃を受け、不時着していたのだ。中を捜索し、寝室にはいると、見覚えのあるジャケットが掛けてあった。烈は父が間違いなくここにいたことを知る。ふと手にした枕の下に、懐中時計を見つける。そこには幼い自分と母の写真が納められていた。父の姿は見えないが、間違いなくそこにある父の愛を確認し、むせび泣く烈。

 しかし、父を想う子の心などお構いなしに、マクーは攻撃を仕掛けてきた。烈は蒸着して身を守り、アルマジロモンスターとダブルマンを倒す。

「ボイサーはしばらく預かっておく」ハンターキラーの捨てぜりふが不気味に響いた。


 「オゼバン談」

「青い地球は母の星」にあわせて流れる回想シーンが心を揺さぶります。

 この回からドンホラーの声がかわりました。飯塚昭三氏は喉を痛め一年間仕事が出来なくなったそうです。

 第三話で触れられた父とハンターキラーの話も拡がりを見せます。

 馬に引きずられる大葉氏もすさまじいですが、「父よ」が流れる中、懐中時計とジャケットを手に、目薬ではなく自ら感情をたかめて泣く姿にもしびれました。

 戦闘シーンでは「チェイス! ギャバン」が初めてかかります。軽快なトランペットのイントロが最高です。この回は挿入歌が効果的に使われ始めた回でもありますね。

 魔空空間の装置を作動させるとき、クラッシャーが一人、苦しそうに後ずさりしています。装置から電磁波でも出たのでしょうか?

 それにしても、烈はよく犬を拾うなあ。大葉氏ご自身も犬や子供が好きだそうです。


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