第十話 「人間クラッシャー部隊を撃破せよ!」(82/5/28)脚本・上原正三 監督・奥中惇夫

 十七歳の少年でも人工筋肉を移植することによって、大人の五倍のパワーを得ることが出来る。マクーは少年達を鍛え上げ、人間クラッシャーとしてギャバン抹殺にやくだてようと画策した。

 ダブルマンを中心に、優れた運動能力を持つ少年達が集められる。

 出かけようとした烈のもとへ大山小次郎が現れた。おいの高校球児が球速を160キロにしてやるとの甘言に乗せられ、ついていってしまったと言うのだ。いぶかしさを感じた烈は、二人でその場へ向かった。

 集まっていた少年達はロードワークに出、マクーロードに駆け込み、二人の前からいなくなる。ロード内ではニジチョウモンスターの麻薬効果のある鱗粉が振りかけられていた。少年達は幻覚を見ながら、「人間クラッシャー」になる意識を植えつけられる。

 どこを探しても見つからなかった少年達が、実にさっぱりとした顔で、烈と小次郎の前に戻ってきた。問いただしても、覚えていないらしい。しかし、その夜から少年達は家庭内で暴力を振るうようになった。

 噂を聞いた烈は、いよいよ本腰を入れて調査を始める。インコのミミーの情報で、少年達がしごかれているジムを発見した。スポーツドクターに蹴りを入れるとダブルマンに変身、たちまち正体を現すマクー一味。蒸着して戦うも逃げられてしまう。残された少年達は、心を失ったように呆然とした顔で家に帰された。しかし、すぐに家出をしてしまうのだった。

 烈はドルギランで調査し、マクーの秘密基地を探し当てた。基地内では今まさに人工筋肉の移植がなされようとしていた。烈は蒸着して少年達を救出、ニジチョウモンスターとダブルマンを倒す。かくして少年達に穏やかな家庭がもどった。


 「オゼバン談」

 この回のダブルマンは鈴木その子ふうです。

 逆回しを多用したスピード感のあるアクションが見ものです。

 クラッシャーをなぎ倒しながらの蒸着は必見。すでに蒸着ポーズを取っている烈に、飛びかかっていくクラッシャーがいるのです。変身中は直接攻撃をしないという、ヒーロー物の掟を破る斬新な演出だと思います。アクション監督の金田治氏は天才ですね。

 スクーパーが再登場しますが、やはりギャビオンは輸送車で終わりました。

「スタッチックショック」という、静電気でショックを与えて正気にもどす技が出てきます。

 大葉氏が最後に見せる「JAC笑い」には、今でもあこがれています。


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