第一話 「東京地底の怪要塞」(82/3/5)脚本・上原正三 監督・小林義明

 人々が平和で穏やかな暮らしをいとなんでいる地球。その美しい星を植民地化し、犯罪に満ちた世界にしようとたくらむ宇宙犯罪組織マクーが動き始めた。

 マクーは手始めに建設中のスペースコロニーを破壊、破片を地球へ落下させる。爆発する石油コンビナート、まっぷたつに折れる超高層ビル、街はたちまち大パニックとなった。あいさつをすませたマクーは、あらゆる財宝と人材を手に入れるため、地球上の秘密基地に武器や資材の運搬を始める。

 銀河連邦警察は、その動きを察知し、バード星本部から一人の宇宙刑事を派遣した。バード星人の父と地球人の母を持つギャバンである。

「母のふるさとをマクーの勝手にはさせない」超次元高速機ドルギランで移動しながら、両親の写真を納めたロケットを手に、決意を新たにするギャバン。と突然、警報が鳴り響く。地球での活動を邪魔されてはこまると、マクーが二十機を超える戦闘機で襲ってきたのだ。ギャバンはうろたえずギラン上部のレーザー砲を発射、撃退に成功する。

 一息ついたギャバンを呼ぶ女性の声。現れたのはコム長官の娘ミミーだった。ギャバンのもとを離れたくないと、勝手に乗り込んでいたのである。帰らせようとするギャバンを拒み、ミミーはレーザービジョンでインコに変身、地球へ向かって先に飛んでいってしまう。

 地球に到着したギャバンは、さっそくジープで調査に出かける。ミミーとも合流し、ルポライター大山小次郎とも面識を交わした。

 アバロン乗馬クラブの陽一少年は、昨夜見たUFOを探しだそうとUFO少年隊を組織、マクーの秘密基地を発見し、潜入する。しかし、獣星人ダブルマンに見つかってしまい、あわてて逃げ出すが、捕らわれて処刑が決まる。

 あわやというところへギャバンがジープで駆けつけた。戦闘員クラッシャーを次々となぎ倒し、子供たちを無事に救出。だが、現れたシャコモンスターに襲われ、力の差を感じたギャバンは蒸着する。光り輝くコンバットスーツを身につけたギャバン。無敵の力を得、基地内の戦闘機、シャコモンスター、ダブルマンと次々と撃破、マクーの陰謀を阻止した。

 その後ギャバンは救出した陽一の縁で、アバロン乗馬クラブで働くことになる。母の姓を借り、一条寺烈と名乗って、地球での生活が始まったのだ。かくして、ギャバンとマクーとの熾烈な戦いがスタートしたのである。


 「オゼバン談」

 人が住める日本製のスペースコロニーが建設されているところを見ると、この物語は実は近未来の設定だったのでしょうか?

 コム長官とギャバンが会話している最中、マリーンが右手を腰に当てています。「前にならえ」の一番前みたいですが意味は不明です。

 ミミーは第一話からかわいいです。「ギャバン、あなたのいるところは私のいるところ」は名セリフですけど、インコに変身して宇宙空間を飛んでいく姿には驚きました。

 UFO探検隊の陽一が持っている箱形の機械(?)も用途不明です。磁力探知機のようなものでしょうか。自分で作ったのならすごいことです。

 子供たちに簡単に基地を見つけられ、潜入を許してしまうマクーには問題がありますね。

 視聴者に教えるかのように、蒸着ポーズの一つ一つをきっちりとっている烈が新鮮です。

 サイバリアンは赤いキント雲?

 番組当初のせいか、レーザーZビームとシルバービームの使い分けがあいまいでした。

 魔空空間では右耳からもエレクトロソナーのアンテナを伸ばしていました。両耳に同じ機能があるみたいです。壊れたときの予備でしょうか?

 初期のレーザーブレードはかなり短く、ギャバンダイナミックで敵はまっぷたつになることが解ります(後に爆発するようになる)。

 大葉氏は「宇宙刑事ギャバン」がスポンサー、デザイン・設定の企画者104の方たちの念願の作品であったうえ、放送が女の子向け番組の時間帯だったため、最初はすごく不安を感じていたそうです。「バトルフィーバーJ」「電子戦隊デンジマン」以来のつきあいである吉川進プロデューサーにも「お前に賭けてんだぞ」と激励を受けたとか。

 OPのサイバリアンに乗っているギャバンはシャリバンの渡氏とのこと。


もどる