第二十一話 「踊ってチクリ大ピンチ ハニー作戦よ!」(82/8/20)
  脚本・上原正三 監督・田中秀夫

 ハニー治療センターでは触るだけでケガが治るという。
 乗馬クラブの経営者・藤豪介や大山小次郎のケガも、
噂通りたちまち直った。

 治療してもらった人は口々に、
常識はずれな多額の寄付を申し出るという。
 うさん臭さを感じた烈は治療センターへ向かった。

 調査の結果、治療を受けた人の体には、
麻酔薬のような薬が注入されており、
同時に小さなコントロール装置も埋め込まれていることが解った。
 単に痛みを感じないだけで、
完治していたわけではないのである。

 コントロール装置の電波をたどり、
潜入していく烈とミミー。

 別行動をとっていたミミーが、マクーに捕らわれてしまう。
 首をはねられそうになった瞬間、
烈が駆けつけ、ミミーと操られていた人々を救出した。

 現れたミツバチダブラーを前に蒸着。
 マクーの陰謀は潰えた。


 「オゼバン談」

「デンジマン」「サンバルカン」のへドリアン女王役でおなじみの、
曽我町子さんがミツバチダブラー役で登場します。
 ナイスなアフロヘアーと、
レオタードで踊る姿がセクシー?(スタイルいいですよね)

 この回のダブルモンスターは、
ダブルガールとモンスターを合体させた珍しい例でしょう。
(部下の蜂面女は少し間抜けですが……)

 ホラーガールも影響を受けたのか、
いつもよりよけいに踊ります。

 19、20話より撮影が先だったのか、
それとも必要がなかったのか、
烈がアクション用のブーツを履くことがありませんでした。





  第二十二話 「黄金仮面と妹 太陽に向かって走るヨット」(82/9/3)
  脚本・上原正三 監督・小林義明

 ヨーロッパ各地で大富豪の宝石が狙われるという事件が続発。
 やがて日本にも飛び火する。

 マクーの気配を感じた烈は、
事件現場が悪徳商人・石黒の旅行先と一致すると調べをつけた。

 烈は石黒邸へ忍び込む。
 そこには黄金のマスクをつけた怪盗Xがいた。
 非常ベルが鳴り、二人は逃げ去った。

 後日、烈は動き出した石黒の追跡を開始する。
 石黒は宝石を運ばせては、お金を払わずに殺していた。

 現場に怪盗Xが現れ、
石黒の手に入れた宝石を盗んで逃走。
 マクーに捕まりそうになったところを烈が逃がす。

 烈は怪盗Xになっていた青年の身元を調べた。
 父は宝石商で、マクーに宝石を奪われ、殺されていたのだ。

 怪盗Xは奪われた父の宝石を取り戻すために動き出すはず。
 オークションにはマクーが絡んでいる。
 青年の身を案じた烈は、会場である豪華客船へ急いだ。

 烈の予想通り、怪盗Xはマクーに捕まってしまう。
 ショーの出し物として槍で貫かれそうになった時、
烈が現れ救出した。

 正体を現すクラゲダブラー。
 烈は蒸着して倒した。

 青年は取り戻した父の宝石を胸に、
妹とともにアメリカへ旅立った。


 「オゼバン談」

 バトルフランス役で大葉氏と共演したこともある、
倉地雄平氏が怪盗X役で出演されています。
 船上で大葉氏に手を取られて逃げるシーンがほほえましかったです。
 放映当時、まだマスクをつけている段階で、
「バトルフランスだ!」と叫んだ私は、
やはりオタクだったのでしょうか?(笑)

 妹役の吉川理恵子さんは、
吉川進プロデューサーのお嬢さんらしいです。

 クラゲダブラーは日本だけでなく世界中で悪さをした珍しい奴です。
 鼻炎持ちというのも変わっています。

 観ていただければわかりますが、
この回の目玉はやはり大葉氏の変装でしょう。
 魔法使いのおばあさん、紅い花をくわえたブロンド女性、
ヘラクレス(?)、ガンマンと次々に早変わりをします。
(ギランから衣装を電送した? あれも一種の蒸着?)

 蛍光灯風のレーザーブレードが初登場しますが、
やけに短く感じます。
 剣が円柱状に見えるので、
私はあまり好きではありません(何かを連想させる……)。

 クラゲダブラーにとどめをさす直前のすれ違ったときに、
ギャバンがレーザーブレードを落とします。
 しかし、そのままギャバンダイナミックをしました。
(揚げ足取りみたいですいません)

 ヨットで旅立つ兄妹を観て、
「ウルトラマンレオ」の最終回を思い出しました。
 レオはどこへ行ったんでしょうね(関係ないって!)。





  第二十三話 「闇を裂く美女の悲鳴!霧の中の幽霊馬車」(82/9/10)
  脚本・上原正三 監督・小林義明

 夜霧の中を駆け抜ける不気味な馬車を見て、
若い女性は家路を急いだ。
 その女性の隣の部屋に住んでいた大山小次郎は、
様子がおかしいことを心配し、
屋根裏に上がって女性の部屋をのぞく。
 しかし、天井を踏み抜いて落下、
マント姿の怪しい男に女性が連れ去られるのを目撃し、
そのまま気を失ってしまう。

 小次郎は誘拐犯と間違えられ警察に捕まったが、
烈が身元引受人となって釈放された。

 その後も女性がいなくなる事件が続発する。
 マクーは獣星帝国に新しい血を入れるため、
娘達を獣性化し送り込むつもりだったのだ。

 烈は調査に乗り出した。
 女性が狙われるのならと、月子が自らおとりになる。

 月子が連れ去られそうになったため、
烈が駆けつけるとマクーが現れた。
 蒸着してしのぐも、月子を見失ってしまう。

 次の日、落ちていたスカーフを手がかりに、
烈はマクー基地を探り当て、月子を救い出した。

 逃がすまいと、マントの男はクモダブラーに変身、
烈を糸でぐるぐる巻きにしてしまう。
 だが、烈の体は発光し、蒸着を完了、
クモダブラーは倒され、マクーの陰謀は阻止された。


 「オゼバン談」

 悪役として常に殺気を放つ山本昌平氏がダブラー役です。
 口から網を吐き出す姿が怪しさ満点。

 ギラン内で烈がフランス語の新聞を読んでいるのに驚きました。
 名前のモデルとなったジャン・ギャバンがフランス人のため、
フランス語も堪能なのでしょうか?

 クモダブラーにあわせて、
クラッシャーも基地内でクモの動きをしているのがおかしいです。

 蜘蛛の巣をモチーフとした魔空空間での戦いが、
不思議な美しさを醸し出しています。
 蜘蛛の巣にぶら下がっているギャバンを
くすぐって(?)落としたのが最高でした。

 新技「ギャバン・ショック!」
蜘蛛の巣に捕らわれた時、そう言いながら脱出します。
(熱を発して焼き切る?)

 レーザーブレードのアップで、
「ブ〜ン」という効果音が入るのが残念(何かを連想させる……)。

 最後になりましたが、
「のぞきはいかんよ小次郎君!」
(部屋の天井踏み抜いたら嫌われるって)





  第二十四話 「ミミーの悪夢か!?吼える切り裂き魔獣」(82/9/17)
  脚本・上原正三 監督・田中秀夫

 ミミーはギャバンがサーベルダブラーに殺される夢を見た。
 バード星人には予知能力がある。
 ミミーは一緒にバード星へ帰ろうと頼んだ。
 しかし、ギャバンの母は地球人。
 地球は第二の故郷。命をかけても守りたいと答えるギャバン。

 ミミーは心配のあまり熱を出して倒れてしまう。
 意識を取り戻したミミーに、
ギャバンはしばらくは外出しないと約束した。

 その後、ミミーはわかばと陽一が襲われるのを予知する。
 烈は急行し、ミミーの夢の通りサーベルダブラーに襲われた。
 夢の通り行動しては殺されると、烈はわざと蒸着しない。
 当然苦戦し、崖から川に落ちてしまう。
 気絶した烈の耳にミミーのテレパシーが届いた。
「危ないギャバン!」
 烈は目を覚まし、やっと蒸着。
 追いかけてきたサーベルダブラーと戦った。

 すでにミミーの夢とは違う行動をしているため、
サーベルダブラーは無事に倒せた。


 「オゼバン談」

 烈がミミーにジュースを飲ませようとしたときの、
バード星のシンボルの入った銀のコップが欲しいです。

 橋の上での烈とクラッシャーとの戦いが見事。
 その直後、ダブラーに襲われ橋から落下、
危ないと思ったら体が発光し、ギャバンとなって下の岩を蹴って上昇。
 かっこいいなと思ったら、やはり田中監督でした。
 蒸着シーンの演出は田中監督が一番ですね。

 落下しながらのクイックモーションの蒸着も覚えましょう。

 巨大化したダブルモンスターをドルではなくギャバン自身が初めて倒します。
 一寸法師の鬼退治みたいです。
 技も初登場の空中前転ギャバンダイナミック!

 しかし、水中眼鏡もつけない素潜りで、
にごった川の中の魚を手づかみにする烈はすごい。
 おそらく水中に潜った瞬間に蒸着し、
レーザースコープで発見して捕まえ、
逆蒸着とともに水上へ出るのでしょう(ホントか?)。
 水着姿にまたまた感激?

 ラストのインディアン娘のようなミミーもかわいかったです。





  第二十五話 「妖しくゆらめく水中花 わかばが危ない」(82/10/1)
  脚本・阿部和江 監督・田中秀夫

 マクーは女性を意のままに操る薬を用い、
獣星帝国に花嫁として送り込もうとたくらんだ。

 水中花の小瓶に薬を詰め、
「においをかげば美人になれる」と言っては、
少女達に配るゴシキダブラー。
 小瓶を手に入れたわかばも急に化粧を始め、
粗暴な振る舞いをするようになる。

 スイミングクラブに行って様子がおかしくなったと陽一に聞き、
烈は調べに行った。
 そこで烈も薬をかけられ幻覚に悩まされる。
 ゴシキダブラーにも襲われ苦戦したが、蒸着してしのいだ。

 後日、水中花を配られた少女達がいなくなる。
 烈はわかばの口紅に仕掛けた発信器を頼りに追跡、
少女達を解放した。

 蒸着してゴシキダブラーも倒し、マクーの陰謀は阻止された。


 「オゼバン談」

 マクーはしきりに地球の女性を欲しがっています。
 ダブルガールの数は少ないみたいですから、
女の生まれてくる確率が少ないのかもしれません。

 しかし、この回のダブルモンスターは、
貴重なダブルガールとモンスターを合体させたようです。
 巨大化したのをギャバンダイナミックで倒しました。

 烈がプールに落とされた瞬間発光、
光の玉が水中を走り、水上へ飛び出すとギャバンに。
 岩だらけの斜面を転がり落ちながら発光、
そのまま斜面をすべり上がり、頂上でギャバンに。
 といった感じで、蒸着の演出は田中監督が一枚上手ですね。

 レーザーZビームで、
飛んでいるマクー戦闘機を撃ち落とすシーンがあります。
 かなり遠方まで正確に狙い撃てるようです。

 陽一の発した「ブスブスバンバン」という言葉と、
小次郎さんのビキニ姿が面白かったです。





  第二十六話 「人形は見た!!毒ガス殺人部隊の正体」(82/10/8)
  脚本・上原正三 監督・小林義明

 どこからともなく戦場に姿を現し、
毒ガス兵器を使うドリームバード。

 大山小次郎は偶然入手した写真が、
ドリームバードのものではないかと烈に相談する。
 烈は写真の入っていた封筒に記されていた大学へ向かい、
持ち主の坂田を追跡したが、
謎の覆面集団に襲われ見失ってしまう。

 坂田は入院している妹の手術代のために、
マクーに協力させられていた。
 烈は坂田が悪人ではないことを見抜き、
坂田を捕まえて間違っていると諭す。
 しかし、坂田はゼミの教授について行ってしまった。

 教授のあとを追う烈。
 基地を発見し忍び込んだが、
取り囲まれて銃で狙われてしまう。

 教授は身動きのとれない烈に毒ガスを浴びせろと坂田に命じた。
「君のそんな姿を見たら妹が悲しむ」烈の言葉にためらう坂田。
 じれた教授が自ら毒ガス銃を構えたとき、
坂田が飛びついて阻止した。

 教授はガスダブラーに変身、坂田を吹き飛ばす。
「妹を……」の言葉を烈に残し、坂田は息絶えた。
 烈は怒りに震え、クラッシャーを次々になぎ倒し蒸着。
 ガスダブラーも倒した。

 烈は坂田の妹の入院している病院へ向かった。
 だが本当のことは話せなかった。
 お兄さんは長い旅に出たと告げ、
純真な若者を殺人者に仕立てようとするマクーに、
あらためて怒りをつのらせるのであった。


 「オゼバン談」

 マクーが世界を股に掛けて悪さをしていたことがよく解ります。

 烈のシャツが密かに半袖になっていました。
 ミミーに喫茶店の勘定を払わせるとは相変わらずの貧乏ぶりです。

 鳥面人のホラーガールが口をきくのに驚きましたが、
やはりインコのようなしゃべりかたでした。
 彼女こそバード星人?

 この回は話が陰惨で、
ダブラーを倒してもすっきりしないものが残りました。
 当時、家にはビデオが無く、ラジカセをテレビに近づけて録音し、
後で話を思い出せるようにしていたのですが、
この回は二度と聞くことがありませんでした。

 でも、蛍光灯レーザーブレードの効果音が無くなって良かったです。

 ラストシーンで坂田の妹に真実を伝えられない烈の心理を
大葉氏が細やかな演技でこなされています。





  第二十七話 「先生たちが変だ!学校は怪奇がいっぱい」(82/10/15)
  脚本・上原正三 監督・小林義明

 学校で動物の世話をしていた陽一は、
飼育小屋の前で校長がウサギを連れていくのを目撃する。
 後をつけると、校長は目の前で消えてしまった。
 陽一は他の先生に校長のことを言うが、
ウサギは小屋に戻っており、誰にも信じてもらえなかった。

 悔しさのあまり、陽一は烈に泣きつく。
 烈は陽一を信じ、校長を調べ始めた。

 その夜、校長は先生を集め、まがまがしい儀式を行い、
先生達を思うままに操り始める。
 邪悪の心を持った先生の指導で、
邪悪の心を持った生徒を育てようとマクーはたくらんでいたのだ。
 戦争好きの大人に成長すれば、
各国に侵略戦争を仕掛けると目論んだのである。

 次の日、陽一はクラスメイトと喧嘩して廊下に立たされた。
 校長がバスケットを持って出かけるのを見かけ、ついていくと、
校長は穴を掘りバスケットを埋め始める。
 ウサギが入っていると思った陽一は、
掘り返そうとして校長に捕まった。

 陽一が帰ってこないことを心配したわかばは、
学校へ向かい、まがまがしい儀式を目撃してしまう。
 先生達に追いかけ回され、
捕まりそうになったとき烈が駆けつけた。

 陽一とわかばを逃がすと、校長が正体を現す。
 烈は蒸着してジャアクダブラーを倒した。

 マクーの長期展望は立ち消え、
子供達に平和な学校生活がもどった。


 「オゼバン談」

 邪悪の心を持った子供が大人になるのを待つなんて、
マクーもずいぶんと気の長い計画を立てたものです。

 何の変哲もない昼間の学校で、
特に恐ろしいメイクをしているわけでもない先生たちが追っているだけなのに、
下手なホラー映画よりも恐ろしい映像を創りあげる小林監督の手腕に脱帽。
 魔空空間の幻想的な雰囲気や緊迫感のある映像は、
小林監督のものだなと思いました。

 映像も怖いですが、校長の怖さには凍りつきます。

 レーザーブレードの効果音が変わり、
以後はこれが使われるようになりました。

 最後に、
「ウサギは耳を持ってはいけません!」





  第二十八話 「暗黒の宇宙の海 さまよえる魔女モニカ」(82/10/22)
  脚本・高久進、永井達郎 監督・田中秀夫

 宇宙辺境の地に一人の老女が捕らわれていた。
 老女の名はモニカ。
 戦いながら宇宙をさまよっていた殺し屋である。

 ドンホラーは命の花で若返らせ、
その身を自由にする代わりにギャバンの暗殺を命じた。
 モニカは条件をのみ、若き力を取り戻して地球へ向かう。

 その日は烈の誕生日。
 ミミーと楽しく食事をする予定であった。
 しかしモニカとマクーに襲われ、ミミーが毒矢を受けてしまう。

 ミミー重傷の報を受け、
コム長官とマリーンがやってきた。
 毒は宇宙トリカブトと宇宙毒蛇の猛毒を混合したもので、
放っておけば化石のようになって死ぬことが解る。

 解毒するには命の花が必要と知り、
モニカが持っていたことを思いだした烈は、
遭遇した場所へ行った。

 マクーは罠を張っており、烈はハッコツダブラーに襲われる。
 蒸着して追い払ったが、モニカが現れた。

 モニカは宇宙刑事が大嫌いだと言う。
 愛していた宇宙刑事に裏切られたからだった。

 命の花を賭けて烈とモニカは戦う。
 一進一退の攻防が続き、
烈は足をすべらせて崖から転落した。

 モニカのすぐれた腕前を見て、
自分の地位が危ないと思ったハンターキラーは、
モニカに毒を塗った剣を投げつけ牢へ押し込める。

 烈はボロボロになりながらも崖をはい上がり、
洞窟に入ったところ、牢屋に入れられているモニカと出会う。
 モニカはなぜ命を賭けてまで花を求めようとするのかたずねた。
「命より大切なミミーを救うのに、命の花が必要なんだ」
 烈の言葉にモニカの心は打たれる。

 烈はモニカを牢から救い出した。

 モニカは自分の解毒のために命の花を使わせず、
烈に持って帰るよう言い、
追ってきたマクーを前に烈を差し置いて奮戦する。
 しかし、ハッコツダブラーに殺されてしまう。
 怒りに震える烈は、命の花をくわえて蒸着した。

 ハッコツダブラーを倒し、
命の花を手にミミーのもとへ急ぐ烈。
 花の解毒作用によってミミーは快癒した。


 「オゼバン談」

 モニカ役の吉岡ひとみさんは、
愛多きゆえに女殺し屋となった悲しい女を好演。
 次作「宇宙刑事シャリバン」で、
ドクターポルターとしてレギュラー出演することになります。

 若返るだけでなく服装まで変わるのは、
モニカの持つ魔力のせいでしょう。

 コム長官とマリーンの宇宙船が、
やっぱり100メートルワープでやって来ます。

 烈がダブラーに投げ飛ばされた瞬間発光、
そのまま白い影が駆けめぐりクラッシャーを次々となぎ倒す。
 かっこいい蒸着は、やはり田中監督でした。
 後に単なる光る玉になりますが、
人の形が残っている方がいいですよね。

 ハンターキラーといい、モニカの愛した男といい、
宇宙刑事は必ずしも思いやりのある人間ばかりではないみたいです。
 その一方で愛する人のためなら我が身の危険も省みない宇宙刑事もいます。
 烈と牢獄に閉じこめられたモニカのやりとりも必見。
 宇宙刑事はこうでなくっちゃ!

「赤射」は語尾の母音が「あ」のせいか、
言葉に炸裂音的響きがあるため、
ヘレンが死んだ回のように怒りを爆発させる変身が似合います。
「蒸着」は語尾の母音が「う」のせいか、
言葉が内にこもるため、
この回のように怒りを内面で煮えたぎらせ、
変身後にぶつけていく姿が似合います。
 もし、ギャバンに怒りを爆発させる変身が必要な回があったなら、
串田アキラ氏のように「ジョウチャー!」と発声していたことでしょう。

 クラッシャーとダブラーの騎馬戦風突撃あり。
 前回同様、シルバービームであっさり吹き飛ばされました。
 相変わらずの意味不明さです。

 エレクトロソナーの右アンテナカットあり。





  第二十九話 「電撃マジック合戦!暗殺のプログラム」(82/10/29)
  脚本・上原正三 監督・田中秀夫

 華麗なマジックで人々を魅了していた二代目引田天功の前に、
ポール一世と名乗るマジシャンが現れ、
「人間ワープ」という出し物で勝負をしようと持ちかけてくる。

 マクーは日本一のマジシャンとしてポール一世を有名にし、
マジックを悪用して多くの人間を自由に操ろうと考えたのだ。

 引田天功は挑戦を受けた。
 しかし、アシスタントが事故で出演できなくなる。
 烈はたまたま事故現場に出くわし怪しい影を見た。

 引田からマジック合戦の話を聞き、
烈は日本マジシャン協会で名簿を調べたがポール一世の名はなかった。
 マクーの陰謀を感じた烈は引田のアシスタントになる。

 マジック合戦当日、
マクーは引田のボックスの中に人間を原子に分解する装置を取り付けた。
 烈はそれに気づき、
事前にポール一世のボックスに付け替えておく。

 引田のマジックは成功し、ポール一世は失敗。
 烈にマクーであることを指摘されたポール一世は、
マジックダブラーに変身した。

 烈も蒸着、マジックダブラーを倒し、
人々は引田天功のマジックに酔いしれた。


 「オゼバン談」

 カラーひよこのように青く塗られた猫が哀れです。

 二代目引田天功が実名で出演、
中田博久氏とともにマジック合戦をします。
 プリンセス・テンコーVSキャプテンウルトラに注目。

 烈は白い靴下が好きみたいです。
 清潔感がありますね。
 ピノキオ姿もかわいらしかったです。

 ジェットコースターのループの頂点で、
名乗りを上げるギャバンにもしびれました。

 エンディング以外ほとんど活躍しなかったギャビオンが登場。
 ドリル戦車スクーパーの輸送だけではなく、
ミサイル、レーザーと大暴れします。
(着地したのは二号機だけなのに、
 ギャバンが上に乗ると一号機もありました)

「ギャバンショック」を使いますが、
前回使ったときの蜘蛛の巣から抜け出すものとは違い、
遠くの敵を攻撃するものでした。





  第三十話 「ドンホラーの息子が魔空城に帰って来た」(82/11/5)
  脚本・上原正三 監督・小林義明

 テレス星から怪電波が発せられていると知り、
ギャバンは調査に向かった。

 そこでギャバンは、いきなり赤い鎧に身を包んだ男に襲われる。
 男はドンホラーの息子サンドルバ。
 彼流の挨拶をして、魔空城へ帰還した。

 魔空城ではサンドルバのために宴が催された。
 ハンターキラーはサンドルバにすすめられた酒を断り、
叩きのめされてその場を辞す。

 サンドルバはギャバンと一対一の勝負をするつもりだった。
 突如サンドルバの槍先のドクロから、謎の老婆が飛び出す。
 老婆はサンドルバの母・魔女キバ。
 キバは正面からギャバンと戦うのをさけ、
妖術でまず金縛りにすべきだと献策した。

 その直後、ドルギランに宇宙刑事特有の暗号電文が届く。
「森が動くとき、見るなしゃれこうべの目」
 烈はその言葉を胸にサンドルバと対決、
槍のドクロに隠れていたキバの妖術をかわした。

 作戦が失敗したマクーはケイビダブラーを差し向け、
二対一で烈を攻めたてる。
 烈は身動きがとれないようにされ、
サンドルバの槍で貫かれそうになった。
 そこへ男が助けに入る。
 帯びていた剣でクラッシャーを次々に倒し、烈の身を自由にした。
「蒸着せよ! ギャバン!」
 男の言葉に応える烈。
 サンドルバを退け、ケイビダブラーを倒した。

 ギャバンを倒せなかったことにいらだち、酒を飲むサンドルバ。
 キバはサンドルバを慰め、
妖術を使うことをギャバンに教えたとハンターキラーを指さす。
 宇宙刑事特有の暗号は元宇宙刑事でなければ使えない。
 裏切りが露呈し、ハンターキラーは暗黒銀河の果てに追放された。

 烈を助けた男は「宇宙刑事アラン」と名乗った。
 地球に使命を帯びてきたアランは、力を貸して欲しいと烈に頼む。
 烈は快諾し、二人はかたい握手を交わした。


 「オゼバン談」

 魔女キバはドンホラーの妻ですが、
どう見てもおじいさんです。
 でもサンドルバのことを「腹を痛めて産んだ息子」と言っていますから、
やはり女なのでしょう。

 ハンターキラーは、
結局ギャバンとまともに戦わないまま追放されてしまいました。
 元宇宙刑事なら、それらしい戦いも見てみたかったです。
 ボイサーを騙して連れてきた手柄だけで幹部になったのなら、
案外マクーは人材難ですね。

 ハンターキラーの手先となったエイのようなミニモンスターは、
6話と13話の魔巣窟にもいました。

 どうやらギャビオンはレギュラー化されたみたいです。

 クラッシャーの衣装がベストからジャンパーに戻っています。

 宇宙刑事アラン役で宮内洋氏が出演します。
 謎のウエスタン野郎から全身タイツへ華麗に変身(腹は見ないで!)。
 コンバットスーツは持っていませんでしたが、
剣はエネルギー弾を飛ばせる新型(旧型かも)でした。
 伊賀電もそうですけど、
瞬時に服を脱ぎ捨てる技術は宇宙刑事訓練学校で習うのかもしれません。

 後に「宇宙刑事シャリバン」で、
ミスアクマ2役をされるララさんが出演しているらしいです。
(ピンクのタイツで踊るダンサー?)
 顔面の銀塗りには意味があるのでしょうか?
 ダブルガールの東まり子さんまでひどい目にあっていました。

 この回のダブルモンスターは必見!
 自分の頭をもぎ取り、ギャバンに蹴りつけるのです(超斬新)。
 ロケットパンチならぬロケットヘディング!



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