第三十一話 「激走トラック兄妹」
  脚本・曽田博久 監督・山田稔

 街で喧嘩をしていた男は白石の古い友人であった。
 白石は喧嘩を止めていた妹に、
兄が街道レースに熱中し、喧嘩にあけくれ、仕事もない状態だと聴かされる。

 その頃、国防省からフィーバー隊に、
時価五百億円の金塊輸送の依頼があった。
 白石は旧友のトラック運転手に任せることにする。

 フィーバー隊でトラックの警護をかためつつ輸送していると、
エゴス一味の襲撃を受けた。
 トラックを逃がし、その場を引き受けたフィーバー隊だったが、
ゼニゲバ怪人に先回りをされトラックを奪われてしまう。

 奪い返そうと追っていったコサックは、
銭形爆弾で重傷を負わされフィーバーが解けてしまった。
 白石はトラックの荷台の鍵を仲間に届けるよう運転手に託した。

 まんまとトラックを強奪したエゴスであったが、
荷台の鍵には爆弾が仕掛けてあった。
 ゼニゲバ怪人は運転手が鍵を持って逃げた事を思い出し、
直ちに追跡する。
 襲われた運転手は上手く逃げるも、
鍵が災いの元だと川に投げ捨ててしまった。

 エゴスは運転手の妹を誘拐し、脅迫してきた。
 白石以外のフィーバー隊は運転手の元へ向かい、
鍵が捨てられたことを聴く。
 鍵を指定の時間までに持っていかなければ妹が殺される。
 フィーバー隊は総動員で鍵を探した。
 白石もケガを押して参加し、なんとか鍵を発見した。

 運転手は鍵をエゴスに渡したが、妹を再び奪われてしまう。
 しかし発信器つきのブローチを妹に手渡していたため、
フィーバー隊は電波を頼りにあとを追った。
 妹はコサックに救出され、怪人はペンタフォースで倒される。
 続いて現れたゼニゲバロボットもフィーバーロボに両断され、
金塊は無事に届けられた。


 「オゼバン談」

 トラックの運転手として佐藤蛾次郎氏が出演されています。
 役をきちんと消化されており、たいへん好感を持ちました。
 富士山の前をトラックが走っているTシャツもナイスです。

 劇中でゼニゲバ怪人が、
サロメに金のネックレスを作ってやると約束しています。
 エゴスには女性が少ないせいでしょうか。
 ここだけ見ると軟派な怪人のようですが、
銭形爆弾は一発でコサックのフィーバーを解くほど強力で、
なかなか侮れない怪人でした。
 死ぬ時のセリフ、
「弟よ〜、俺の遺産を相続してくれ〜〜〜っ!」も印象深いです。
 相続できなくて残念でした。

 以後、サロメは外出着を毎回のように変え、
意外におしゃれな女性であることがわかります。
 ゼニゲバ怪人のセリフは、
たいそうおしゃれ心をくすぐったかもしれません。





  第三十二話 「ふるさと殺人村」
  脚本・上原正三 監督・竹本弘一

 フィーバー隊に殺されたカットマンの恨みを晴らすため、
ミミズ怪人が誕生した。

 その頃、伝正夫に幼なじみのヨシオから手紙が届く。
 十年に一度しかない水汲み祭りが開催されるというのだ。
 神人に選ばれた男が村人の健康と豊作を願って、
三日三晩泉の水を汲み続ける祭りを伝は懐かしんだ。
 クラス会もあると知った伝は休みをもらって故郷へ帰る。

 エゴスは村人に化けていた。
 すぐに殺しては恨みは晴れぬと伝を神人に選び、
三日三晩苦しめるのが目的であった。
 伝は村人を人質に取られ、言うことを聞くしかなかった。
 神人に選ばれたから三日くらい帰れないと基地に連絡させられたあと、
伝はひたすら水を汲み続けた。

 曙、志田と女性隊員二人は神人に選ばれた伝の姿を見に行った。
 伝は毒でのどを潰されていたため助けを求められなかったが、
まばたきによるモールス信号で人質の救出を頼む。

 四人はサロメにナイフを突きつけ、
村人の閉じこめられている牢にたどり着くも、
逆に閉じこめられてしまった。
 しかしSOSを受信したコサックとアメリカによって救出される。

 憂いの無くなった伝はフィーバーし、
現れたミミズロボットを前に単独でフィーバーロボに乗り込んだ。
 残った四人のフィーバー隊はミミズ怪人の呪いに苦しめられるも、
ペンタフォースで粉砕し、
ミミズロボットはフィーバーロボに倒された。

 伝は村人からあらためて神人に選ばれたが、
当然断り、慌てて逃げ出した。


 「オゼバン談」

 冒頭のミミズがのたうっている映像は、
におってきそうな生々しさで、とにかくキツイです。
 鉄板に乗せて火にかけたのかも。
 単なるイメージ映像か?
 もしくはカットマンはミミズから製造されているということでしょうか?

 曙はミミズの黒焼きをみんなに勧め、
だんだんエスカレートしています。
 しかし、浴衣を持っているのは意外でした。借りたのかもしれません。
 その他、劇中には志田、ケイコ、トモコの浴衣姿があります。
(休みが多いぞフィーバー隊!)

 志田の衣装は白いTシャツに黄色いマフラーでした。
 曙とのダンスバトルも必見です。

 水を運んでいる伝を応援する村人の中に、
「宇宙刑事シャリバン」第7話で見事な階段落ちを見せた泉福之助氏がいます。
 この頃から熱演していたことが解り、感激しました。

 村人の中には、
アメリカのスーツアクトレスである小野寺えい子さんもいるみたいです。
 伝が神人に選ばれるラストシーンで、
幼なじみと村長の間に映っている女性がそうだと思われます。
 曙達がバスから降り、バスが通り過ぎたシーンでも、
右側にいらっしゃいました。

 捕らわれた曙達を救うために、
コサックとアメリカが駆けつけるのですが、
アメリカのバイクシーンはめずらしいです。
 フィーバーすると乗れるのかも。

 これまでは怪人をまず倒し、五人でロボに乗っていましたが、
この回はジャパン一人が操縦をします。
 乗り込む際には足の裏からジェット噴射が出ていました。
 一人で動かしたほうがロボが機敏に見えるのは謎です。
 ロボットどうしが戦っている下で、
残りの四人と怪人が戦っている絵を見ると、
ロボの巨大さが伝わってきて迫力があります。





  第三十三話 「コサック愛に死す」
  脚本・上原正三 監督・竹本弘一

 開発中のドリルミサイルに目を付けたエゴスは研究所を襲った。
 たまたま居合わせた白石の目の前で、
開発者は殺され、設計図を奪われてしまう。
 開発にたずさわっていた神誠は、
設計図を取り戻すために単独で行動を開始した。
 神は白石の国防省時代の同僚でもあった。

 開発者の娘マユミは父を殺されたショックで白石のことを拒絶する。
 殺しあいをするバトルフィーバーは人殺しだというのである。
 血のにおいがすると言われた白石は、ひどく傷いた。

 後日、白石は元気を取り戻したマユミを連れて湖へ行った。
 白石がジュースを買いに行っている間にエゴスはマユミを人質にとる。
「血のにおいがする」とのマユミの言葉を気にしていた白石は、
強化服を持ってきてはおらず、フィーバーも出来ぬまま、
エゴスの銃弾を浴びてしまう。
 駆けつけた神がエゴスを追い払うも、白石は息を引き取った。

 神はコサックのスーツを受け継いでエゴスと対峙した。
 5人そろったフィーバー隊はイーグル怪人を倒し、
フィーバーロボに乗り込んだジャパンによって、
イーグルロボットも破壊された。


 「オゼバン談」

 冒頭に志田と曙が指相撲をしているシーンがあります。
 個人的な意見かもしれませんが、
この二人が絡むのが一番微笑ましい絵になりますね。
 その後の探索も二人で行動していました。
 志田は前話の衣装の上に黒い革ジャンを着用。

 イーグル怪人の口の中のぼんやりとした顔が、
しゃべるときに口を動かすのが非常に気持ち悪いです。

 白石謙作の殉職のわけは伊藤武史氏が結婚したかららしいです。
 しかし、理由の如何を問わず、
このストーリーは当時の記憶がばっちり残っている、
たいへん印象深いものとなりました。
 デートの前に鼻毛を抜くのもおしゃれです。

 ひとつ気になったのは白石の幼少時の設定です。
 第7話では「孤児だったのを鉄山将軍に拾われた」、
「中央アジアで生まれ育った」とされていたのですが、
この回では「牧場を経営している神父にひきとられた」となっており、
育った場所も日本のようです(神父は外人でしたが……)。

 白石の殉職地は「下久保ダム」、
現地で見たときもそう思ったのですが、
劇中でもたまっている水が「ま緑」でした。

 若い人にはあまりなじみがないかもしれませんが、
鉄山将軍役の東千代之介氏は時代劇の超大スターで、
日舞のとても上手い人だったそうです。
 新コサック役の伴直弥氏は、
東氏がおられることにとても驚いたとか。

 神誠がフィーバー後に、
すぐにコサックの名乗りポーズなどをとることが出来るのは、
やはり強化服にプログラムされているからでしょう。
 ダンスアクションも変わらないところを見ると、
あの動きは育った環境で覚えたものではなく、
プログラムされたものなのかもしれません。

 この回もジャパン一人でロボに搭乗(足の裏のジェット噴射あり)。
 前回同様、一人で操縦した方が動きがよいように見えます。





  第三十四話 「地獄で笑う闇将軍」
  脚本・上原正三 監督・広田茂穂

 交通整理をしていた警官の制止を振り切ってトラックが逃げ去った。
 警視庁はもみ合った際にトラックが落とした新型銃の密造ルートを
フィーバー隊に依頼する。

 銃は二年前に暗躍した闇の将軍一味が密造していた物であった。
 話を聞いた神誠は単独で闇の将軍に接触。
 いきなり銃撃を加えるも、闇の将軍に弾をはじかれ、
捕らえられた神は崖から海へ突き落とされてしまう。
 海岸に漂着した神はフィーバー隊によって収容された。

 闇の将軍とエゴスがつながっていると判断した鉄山将軍は、
密造工場を特定し、摘発するよう指令を出した。
 そんな中、神はフィーバー隊を脱退して基地を出ていく。
 二年前、刑事だった弟のアキラが、
闇の将軍を追いつめつつも射殺されてしまったのだ。
 神は復讐をするために強力な銃を作り、
再び闇の将軍のもとへと向かった。

 神の銃は間違いなく闇の将軍を撃ち抜いた。
 しかし、闇の将軍はセミキラー怪人へと変身、
神を捕らえて射殺しようとした。

 駆けつけたフィーバー隊は神を救出。
 ペンタフォースでセミキラー怪人を吹き飛ばし、
フィーバーロボでセミキラーロボットを両断した。


 「オゼバン談」

 マリアもそうでしたが神もまた、
OP冒頭のターンのシーンで初代の服を着ています。
 EDの乗馬シーンも同様でした。
 でも明らかに他の隊員とは空の色が違うので、
かなり浮いています。

 今回はてっきり、
ドリルミサイルの設計図を取り返す話かと思っていたのに、
別の話だったので驚きました。
 結局エゴスはミサイルの製造に失敗した?

 鉄山将軍の登場は第24話でダイアンを送り出して以来です。
 あとは第28話、第32話、第33話において、
バンクフィルムでバトルシャークを発進させただけでした。
 それなのにOPでクレジットされ続けていたのは、
やはり大スターの証でしょうか?
 九官鳥に命令されるよりも、
鉄山将軍に命令された方がフィーバー隊員も気合いが入りそうです。
 スーツは白系統でさわやかでした。

 アメリカが神にコサックの強化服を投げる際、
スーツだけでマスクは投げませんでしたが、
きちんと全身フィーバーできました。
 前話のように顔が出た状態で見得を切り、
マスクを装着すると思っただけに残念でした。

 ロボは五人で操縦、
足の裏のジェット噴射はありませんでした。

 26話以来、久しぶりにクロスフィーバーをやります。
 モーションは新しい方でした。





  第三十五話 「腹ぺこ大パニック」
  脚本・上原正三 監督・広田茂穂

 エゴスは漁船を襲撃して港に釘付けにし、
東名高速を分断して関西方面からの魚の輸送を封じた。
 独自のスーパーでのみ魚を売り、世相評論家に不安をあおらせ、
食料パニックを起こすのが目的であった。

 曙が東西スーパーで高い魚を買わされたと聞き、
鉄山将軍はフィーバー隊に探らせた。
 マリア、トモコ、ケイコはスーパーの店員になりすまして潜入するも、
エゴスによって冷凍室に閉じこめられてしまう。

 スーパーの一室にサロメがいるのを見た曙は、
エゴスの陰謀を確信し、蹴散らしてマリア達を救出した。

 エゴスが海にいるとにらんだ神はコダイギョ怪人を釣り上げた。
 戦闘後に逃げ出したコダイギョ怪人を、
釣り針に仕掛けてあった発信器で追跡。
 集結したフィーバー隊はペンタフォースでコダイギョ怪人を撃退。
 コダイギョロボットはフィーバーロボの電光剣の前に砕け散った。

 魚は再び市場に流れだし、
曙主催による「さんまを食べる会」が開かれた。


 「オゼバン談」

 この回にもドリルミサイルは出てきません。
 エゴスは説明書を紛失したのかも。

 マリア、トモコ、ケイコのスーパーの店員姿がかわいらしいです。
 その後、冷凍室に閉じこめられて眼鏡が凍るトモコが笑えます。

 アメリカのバイクシーンあり。

 サタンエゴスや宇宙刑事の首領の声でおなじみの飯塚昭三氏が、
品のいいお父さん役を演じていらっしゃいます。
 氏は「電子戦隊デンジマン」第46話にも出演されていました。

 怪人誕生の時、名前、目的の説明があります。
 誰がしゃべっているのか、なぜ字幕が入るのかは謎です。
 説明内容も生まれる前に解っていることばかりで無駄のような……。

「(曙が)給料を全部はたいてサンマを買った」との志田のセリフを聞き、
フィーバー隊が給料制であることが解りました。
 しかし、全部使うとは……。曙の気前の良さには驚嘆します。

 ロボは5人で操縦、足の裏のジェット噴射なし。
 クロスフィーバーもありませんでした。





  第三十六話 「爆破された結婚式」
  脚本・上原正三 監督・平山公夫

 サタンエゴスは連戦連敗にいらだち、
ヘッダー指揮官を謹慎処分にした。
 指揮権をサロメに与え、マリアを狙うよう指示、
用心棒にバクダン怪人をつける。

 マリアはいとこの結婚祝いにオルゴールを送った。
 サロメはそれと同じオルゴールに爆弾を仕掛け、
贈り物の中に紛れ込ませる。
 大事には至らなかったが、
マリアは爆弾犯人として逮捕されかかった。

 鉄山将軍の手配で釈放されたマリアをふくむフィーバー隊は、
結婚式の出席者の身元確認を行った。

 すり替えられなかったマリアのオルゴールを持ち去った者がいると、
サロメは出席者を調べ上げ、親戚の娘クミを誘拐する。
 いったんはオルゴールを手にしたサロメであったが、
駆けつけたマリアによって取り戻されてしまった。

 嫌疑を晴らしたマリアはフィーバーして残りの隊員と合流。
 バクダン怪人を倒し、
バクダンロボットはフィーバーロボによって破壊された。


 「オゼバン談」

 怪人の難産に苦しみ、
いざ生まれると五体満足であることに安堵する。
 サタンエゴスはかなりの母性の持ち主のようです。
 怪人製造器を優しくなでるカットマンもいい味を出していました。

 怪人の名前、体重、専門の説明があります。
 けっきょく怪人製造器の声ということでよいのでしょうか?
 説明にあわせてポーズをとるバクダン怪人がかわいいです。

 神と曙がバイクで併走しているシーンあり。
 キカイダーの中に大葉氏が入っていたことを考えると、
なんて事のない場面でも感慨深いものがあります。

 マリアのいとこの結婚相手として春田純一氏が出演されています。
 本名の「三三夫」から現在の芸名になったのはこの頃のようで、
大葉氏と同じ時期みたいです。
 春田氏は「ジャッカー電撃隊」第7話の国際科学特捜隊の研究員、
「電子戦隊デンジマン」第40話のボクサー青年も演じていらっしゃいました。

 フィーバー直後、アメリカの蹴りが、
モロにカットマンの股間に入っています。
 さらにアメリカがバトルシャークを呼ぶとき、
ジャパンがどさくさに紛れて胸に触っているようにも見えました。

 久しぶりにシャークの武装をフル活用しています。
 オートコントロールでも的確に武器を使い分け、
敵に命中させることが出来るみたいです。

 シャークを発進させる鉄山将軍のスーツが、
話の冒頭のさわやかスーツとは違い、前バージョンになっていました。
 バンクフィルムを間違えたのかもしれません。

 フィーバー隊がコマンドバットを初めてヌンチャクにして戦います。
 5人が同じ武器だと絵的に面白くありませんし、
「バトルホンコン」みたいで共感できませんでした。

 ロボは5人で操縦、足の裏のジェット噴射なし。
 クロスフィーバーもありませんでした。



もどる

トップへ