ときめきメモリアルドラマシリーズ vol.3
   旅立ちの詩


 ときめきメモリアルドラマシリーズ第3弾にして、初代ときメモ最後のゲーム。 これまでにプレイしたあらゆるゲームの中で、一番好きな作品です。 ヒロインは詩織と館林さん。詩織編と館林編とは途中から分岐して、全く異なる展開を辿ることになります。 詩織編は主人公の自分探し寄り。そして幼馴染バンザイです。館林編はもどかしい恋物語。館林さんが健気で可愛いです。
 卒業を目の前にして、主人公は自分が高校時代を無為に過ごしてしまったことに気付く。何にも本気で打ち込んだことの無い自分。今からでも遅くない。彼は残りの高校生活をマラソンにかけることにします。
 今作で前2作以上にパワーを発揮しているのが、『虹色の青春』と『彩のラブソング』のところでも書いた 「プレイヤーを主人公に同化させる仕組み」。 本作の主人公はマラソンに挑戦するので、プレイヤーは毎日のトレーニングをミニゲームとしてこなしていくことになります。 ここまでは前2作とほとんど一緒。しかし、今回はそれだけでは終わりません。 物語の終盤、主人公がいよいよフルマラソンに挑戦する場面でも、このゲームはプレイヤーにトレーニングのときと同じ操作を要求してくるのです。 メインストーリーを読み進めながら、ミニゲームと同じ操作をする――かなり衝撃的でした。でも、素晴らしい演出だった!  なんてったってフルマラソンですから、その場面ではいつものミニゲームよりもずっと長い時間、淡々とボタンを押し続けることになります。 終わりの見えない連打。 当然疲れます。だけどそれが、必死に走る主人公への感情移入度を高めてくれました。回想シーンや音楽などの演出も絶妙だったから、 最後のほうでは泣きながらボタンを押していた記憶があります。
 やっぱり、こんなに良いゲームが忘れ去られてしまうのは、あまりにももったいない!  ドラマシリーズがまとめて移植される日が来ることを、心から願っています。

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