●●維新の嵐 幕末志士伝…………………………………………………………………………………幕末好きにはたまらない、幕末体験ゲーム。坂本龍馬や土方歳三、あるいは名もなき（ついでにお金も人脈も無い）志士となって、激動の時代を駆け抜けましょう。 ゲームの目的は、時流を自分の思想に近づけること。異なる思想の持ち主を、一人ずつ地道に説得していきます。主人公の知名度が低いうちは、そのへんの志士としか話せなくてちょっと切ないですが、知名度が高くなるにつれて歴史上の有名人と会えるようになります。これが物凄い快感。そんな有名人を説得して、思想を変更させたときはなおさらです。ちなみに、説得というやり方以外に、要人の暗殺という方法もあったりします。成功率は低いけれど、激動の時代の雰囲気が出ていて面白かった。 龍馬編、歳三編には、史実どおりのシナリオがきちんと用意されています。史実自体がドラマチックなので、それをなぞるのも良いですが、せっかくのゲームです。ここは歴史のifを楽しみましょう。龍馬編では暗殺を逃れられるのはもちろん、結婚相手だって選べますよ。彼に新時代を見せられるなんて魅力的ですよね。 私は新選組ファンなので、やはり歳三編が楽しかったです。芹沢さんの粛清で真っ向勝負してみたり、隊士の切腹を許したりもできます。また、説得によって藤堂さんを引き留めることも可能です。全体から見れば小さな出来事だけれど、味わえる喜びはなかなか大きいです。そしてなにより感激したのが雄藩討伐エンディング。［ここからネタバレ］近藤さんも土方さんも死なない、夢のようなエンディング。最後の戦闘には沖田さんも参加します。刀だけでガットリング砲に立ち向かって勝てたのがたまらなく嬉しかったです。 刀の時代の終焉はみんな感じているもののそれも自然に受け入れている、新時代（徳川幕府のもとでの、ですよ）への希望に満ちたエンディングでした。［ここまで］実際の歴史がそうだったらこんなに新選組に魅力を感じることはなかったと思いますが、「もしも」の世界で遊ぶのは想像以上に楽しいものです。 フリーキャラの主人公だと、さらに自由度が高くなります。人斬りになるもよし、学問修行に精を出すもよし。はたまた時代の荒波には飲み込まれずに、日本全国を悠々と旅したりもできます。幕末という時代をどんな風に生きるかは全て自分次第、なのです。貧乏には常に悩まされますが、それもまたある意味リアルで面白いところです。 ………………………………………………………………………………… |