リプルのたまご


 身も蓋もない言い方をしてしまえば『アンジェリーク』の亜流。ほのぼのした古き良き乙女ゲームといった雰囲気の作品です。しかし、『アンジェリーク』が発売されたのは1994年で、この作品が発売されたのは2003年。 この間(特にここ1、2年)に乙女ゲームの数はぐんと増え、内容も多様化したため、時代遅れの感が否めませんでした。もっと早く発売されていれば新鮮な要素もあったと思うので、延びてしまったことが残念でなりません。
 ある日、アヴェンチュリン王国の王子レグランドが禁断の魔法書の呪いによって、眠りについてしまいました。彼を目覚めさせるため、宮廷魔術師(リプル)の見習いである主人公とライバルのルチルは、アヴェンチュリンを囲む国々の6人の王子達と共に、魔法石に魔力を溜めることになります。 100日後に迫る王位継承式までに、レグランド王子の呪いを解くことができるのでしょうか。
 10日に1回のルチルとのカードバトルの勝敗によって、レグランド様が目覚めるか否かが決まります。それに勝てるよう魔力を上げていくのが基本の行動です。王子達のところへ行って魔法石に魔力を込めてもらうか、修練を積むと魔力は上がります。 ちなみに、王子達に魔力を込めてもらうより、修練を積んだほうが多く上がっちゃったりします。これってどうなんだろう。 カードバトルはコツをつかめば簡単。説明書の「プレイのヒント!」を見てみましょう。初回から勝ち続けることができると思います。
 王子様好きの私にはたまらない作品かと思いきや、そうでもありませんでした。本当に「王子様」らしいのはレグランド様くらいです。 なんだか皆様妙に庶民っぽくて(笑)。毎朝のように庶民娘を誘いに来る王子様たち……。親しみやすさを感じるとかではなく、嫌ですよ……。王子様もたくさん集まると「王子様」ではなくなってしまうということですかね。
 王子様を売りにしたゲームでそれはどうかと思いますが、一番萌えたのはアヒルに変えられた師匠との恋でした。「師弟愛→恋愛」という変化がなんとも。レグランド様もお話としては素敵だと思うのですが、いかんせん幼少期(の声)と告白の必死さの衝撃が大きすぎて(笑)。 もう国王になられるんですから、もっとドーンと構えてください、レグランド様。

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