乙女的恋革命★ラブレボ!!


 ダイエットというキワドイ題材を扱ったり、実兄との恋愛を盛り込んでみたりと、なかなか思い切った乙女ゲー。お兄ちゃんルート、衝撃的でした。
 幼い頃は数々の美少女コンテストで優勝していた主人公が、今はなぜか体重100キロ。とはいえ、本人はちっとも気にしていなかったのに、主人公が暮らすマンションに入居してきたイケメンたちは、彼女に対して冷たい態度を取ります。 それにショックを受けた主人公は、ダイエットを始めることを決意するのでした。
 シミュレーションパートとアドベンチャーパートで構成される本作は、シミュレーションパートでパラメータを上げるとその数値に応じてイベントが発生する、というオーソドックスなつくり。 しかしながら、どうもこのふたつのパートのバランスが悪い気がします。
 シミュレーションパートには、ゲームとしての面白さがあまり感じられません。せっかくダイエットという変わった要素があるのに、他にもさまざまなステータスがあることで埋もれてしまい、 いたって普通の恋愛シミュレーションになってしまっているような。学校がらみの教養やら運動やらのステータスは切って、ダイエットシミュレーションに徹して欲しかったです。 また、ダイエットの進み具合が恋愛やその他のイベント等にほとんど反映されないのも、このゲームの特色である「ダイエット」が埋もれてしまっている原因のひとつ。 数値やステータス画面の主人公のシルエット以外にも、ダイエットの達成感を味わわせてくれるものがあれば良かったのですが。痩せる喜びが感じられないので、繰り返しプレイするうちに シミュレーションパートは作業になってしまいました。
 他方、アドベンチャーパートではお約束てんこ盛りの恋愛にときめくことができます。キャラクターも魅力的。それぞれのイベントも結構長めで嬉しかったのですが、そのぶん数が少なくなってしまっているのは残念でした。 イベントが少ないことによって、シミュレーションパートの作業感がより強まってしまっていたから。乙女ゲーの核である恋愛は素敵なのに、このゲームの売りであるはずのダイエットが足を引っ張ってしまっている、 もったいない作品だと思います。
 システムは若干もったりしていますが、我慢できないほどではありません。あとは、おまけモードが充実しているのが嬉しい。イベント回想もあります。ただこの回想、イベント全体を回想できるわけではないのが残念でした。
 と、不満ばかり書いてしまいましたが、萌えがいっぱいのこの作品、年下ときょうだい恋愛が大好物の私は、かなり楽しませていただきました! 一人称が「俺」の年下キャラと、実兄を攻略対象にしてくださったメーカー様には感謝感謝です。 橘くんルートでは、「こんな年下キャラを待っていた!」と心の中で叫び、お兄ちゃんルートでは、驚きと嬉しさのあまり、涙が滲みました(笑)。特にお兄ちゃんルート。 血縁きょうだいものという嫌悪を覚える人も少なくない題材に、果敢にも真正面から取り組んでくださるとは……! まさに革命を起こしてくれたと思います。どうか、次は弟を!なんて。

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