久遠の絆


 まず『久遠の絆』というタイトルが素敵。パッケージ裏の「千年前から好きだった。」という文も直球でズガンときます。これらを見て、雰囲気のある作品だなあと感じました。ジャンルは「壮大なシナリオを絵と音楽で演出する、『シネマティックノベル』」だそうです。なるほど素晴らしい絵と音楽だったと思います。
 平安・元禄・幕末・現代と転生を繰り返す二人の男女の許されぬ愛を軸に、それを取り巻く人々の愛憎、さらには神々の戦いまで描かれた、ボリュームたっぷりのお話です。
 泣けはしなかったけれど、面白かったです。個人的には、ストーリーよりも壮大な世界観と和風の空気に魅力を感じました。また、輪廻転生モノが好きなので、転生するたびに変わったり変わらなかったりな主人公と周りの人たちの関係を見るのが単純に楽しかったです。主人公が二枚目なのも嬉しい(笑)。
 しかし、作品の軸となっている「恋愛」はイマイチだったように思います。恋愛感情を抱く過程があまり丁寧に描かれておらず、主人公の気持ちについていけなくなることがありました。前世の彼女に対しての愛情なのか、現世の彼女に対しての愛情なのか、よくわからなかったし。 「彼女の魂」に対してなのでしょうが、主人公にしろ他の人にしろ、転生するごとにそれぞれ新たな人生を生きてきていることを思うと、すっきりしませんでした。主人公だけでなく、女性キャラクターの気持ちにもどうも納得できず。 主人公の心情も、主人公以外の人物の心情も、もっと描写して欲しかったなあと思います。 こういう感想を抱くのは私が女だからかもしれませんが、女性キャラ同士の関係がもっとドロドロしていると嬉しいかも。

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