ファンタスティックフォーチュン2


 独特の世界観と3人の主人公が魅力的なファンタの第2弾。 キャラクターたちの人間関係や背景の複雑さがパワーアップしています。その反面、改悪されたと感じずにはいられない点もあったり……。
 プレイヤーは3人のヒロインから1人を選び、神秘の島アロランディアで「星の娘」を目指します。前作同様、恋愛よりも、国家間の諍いや陰謀に巻き込まれたり、はたまた主体的に乗り込んでいったりするのがメインだと思います。世の中の不条理や人間の汚さを感じるストーリー。 前作にもそういった雰囲気はありましたが、直接主人公たちが巻き込まれることはあまりありませんでしたよね。しかし、本作ではドロドロが身近に繰り広げられます。それがとても楽しいです。乙女ゲーで恋愛対象キャラに殺されそうになったのは初めての経験でした。あ、三角関係もありますよ。少女漫画的な三角関係とはちょっと違いますが(笑)。
 ストーリーとキャラクターの魅力はばっちりのこの作品ですが、残念なことに大きな欠点があります。それがシステム。まず、メッセージスキップ機能がありません。同じイベント(しかも長い)を繰り返しプレイで何度も見ることになるので、この機能はぜひ欲しかった。さらに、育成もスキップできません。一週間がとても長くて苦痛です……。 誤字等も多かったですが、まあこの辺は目を瞑れなくもないかな。また、システムがよろしくないことに加えて、攻略も難しいです。普通にお目当てのキャラを追いかけているだけでは、恋愛EDには辿り着けません。それが作品の個性に繋がっているとはいえ、ゲーム中にヒントが提示されていないのは、不親切だと思います。これらのストレス設計のせいで、作品の魅力に気づく前に投げ出しちゃう人もいたんじゃないかと心配です。
 特に好きなキャラはいませんが、カップリングなら騎士院×葵。切なくやりきれない気持ちになるシナリオですが、萌えました。一番最初に恋愛EDを見たシリウス×マリンも印象深いです。いやいや、とにかく衝撃的な展開でした。あとはプルート×マリンとか、ブルー×アクアあたりが好きです。それにしてもこの作品、すっきりハッピーなEDはあまりない気がします。 シビアというかなんというか。確かに、現実において全てが上手くいってめでたしめでたし、なんてことはありませんからね。けれど、あのキャラクターたちなら、残された問題を抱えながらも強く生きていくだろうと思えます。私も頑張ろう(笑)!

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