金色のコルダ2


 3年半越しの、待望の新作です。主人公と前作登場キャラクターは続投。そこに新キャラも加わって、前作とはまた一味違ったコルダになっています。 コンクールから数ヶ月後の星奏学院を舞台に、かつてのライバルたちとアンサンブルを組んで、音楽に溢れた高校生活を満喫しましょう。
 今回はアンサンブルということで、育成部分が複雑化しています。主人公のレベルや全体の完成度だけでなく、各キャラのレベルにも気を配らなければならない等、やることがいっぱい。 大変といえば大変ですが、難易度は3段階から選べるし、システムも至れり尽くせりなので、楽しさのほうがまさると思います。SLGならではの、考えて攻略する楽しさのあるゲームでした。
 ただ、前作では育成部分の結果が恋愛イベントの発生や内容に細かく影響していたのに対し、本作ではほとんど影響しません。 したがって、イベント内で語られる主人公像もなんとなく限定されています。つまり、前作では、能力値が低い主人公ならば能力値が低いなりのイベントが発生していたけれど、 本作ではそういう変化がないから、明言はされていないものの常に、音楽の才能があって、音楽の道を進むつもりの主人公のみが想定されているように感じました。 さりげなく主人公像の想像の幅が狭められているわけで、前作のイメージでプレイするとしっくりしないところがあったり。とはいえ、今回の育成部分の複雑さを考えると、 これを恋愛にいちいち反映させていたら恐ろしく難しいゲームになってしまったでしょうから、これは仕方ないのかな、とも思います。
 コルダといえばイベントの豊富さが特色でしたが、本作でもそれは健在。 声付きの恋愛・友情イベントは減った気もするけれど、昼休みや登下校、練習後のデート等のこまごまとしたイベントのパターンが沢山あります。 そして、これらのイベントではキャラクター同士の絡みが多め。 恋愛イベントも、前作ではほとんどが主人公と相手キャラとの1対1だったのに対して、他のキャラの登場するものが多くなった印象です。友情! 仲間! という感じで、微笑ましい。 おまけイベントも充実していました。
 システムについては、本当に至れり尽くせり。セーブ・ロードはいつでもできるし、クイックセーブ・ロードもあるし、スキップは速いしと、3年半経っているだけあって格段にプレイしやすくなりました。 また、イベント回想機能で主要なイベントを振り返ることもできます。さらに、前作では恋愛イベントを全て見ようとすると攻略本が必要でしたが、本作では攻略に必要な情報がゲーム中で具体的に提示されています。 おかげで攻略本いらず! 言うことなしの親切さです。
 キャラクターについては、続投の宿命だと思いますが、たまに違和感を覚えることがありました。特に後夜祭のワルツ。 個人的には、現代もののコルダには、台詞よりもシチュエーションでそこはかとなくときめかせてもらいたいです。 あと、違和感とは違うけれど、私が彼に落ちるきっかけとなった月森の全開の笑顔がなくなったのも悲しくて仕方ありませんでした。 あまりにショックで数日間落ち込んでしまったほど(笑)。これについてはいまだに寂しくなるときがあります。なにも完全になくさなくても……。
 ともあれ、大好きなコルダに新作が出て、シリーズが展開したことはとても嬉しいし、 それがプレイしがいのある面白いゲームだったことも喜ばしく思っています。おめでとう、コルダ!

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