●旅行貯金とはなにか?
まず、局巡りの原形(?)となる「旅行貯金」というものを簡単に説明いたします。
旅行貯金とは、旅行において訪問先の郵便局で記念として貯金を行うことをいいます。
窓口で貯金を行い、郵便貯金通帳に局名の入ったゴム印(局名印)を押してもらいます。
手軽に記念が残せると、多くの人々に広まりました。
●「旅行貯金」か「郵便局巡り」か?
このように、窓口で貯金して局名印と局長印を受けていくうちに、次第に意識が変化していきます。
たとえば、ある自治体にある郵便局を全部訪問していく、貯金窓口時間(通常9時〜16時)を
有効に使ってできるだけ多くの郵便局を訪問していく、などと考えるようになります。
そして、あたかも郵便局を訪問するために出かけるような錯覚に陥りします。
そのような行為を皮肉をこめて「貯金旅行」と言ったりします。また、初めから郵便局を訪問することに
重点を置いている人々もいます。ここでは「郵便局巡り」「局巡り」と称することにします。
●郵便局巡りを楽しむ
郵便局巡りは、一見すると奇異のように受け取れます。一般の貯金ともニュアンスが異なり、
窓口で通帳に局名印や局長印を受けるのは通常の業務では行わず、手間もかかります。しかし、
今では充分な理解を得られています。一部の郵便局では、局名印に図柄やキャッチフレーズを挿入する
(宝のゴム印)など趣向を凝らしています。郵便局もピンからキリまであり、その奥深さを感じさせられます。
●環境の移り変わり
かつて郵便事業の管轄が「郵政省」だった頃、通帳は一般の本のような「横開き」でした。1ページあたり
の記帳行数も20でした。またページの上辺と下辺には「局長印(主務者印)」という朱色の印を捺す欄が
設けられ、局名印とセットで捺してもらうことが目的でありました。
現在の「縦開き」の通帳になったのは、2001年の省庁再編で郵便事業の管轄が「郵政省」から「総務省」に変わって
からです。1ページの記帳行数は24に増えた換わりに、局長印を押す欄が消滅しました。まず通常貯金から順次切り替えられ、
縦型で残っていた貯蓄貯金も2003年の公社化を機に切り替えられました。当分の間は局側の厚意で空きスペースに局長印を
捺すことに代えていましたが、後に通達により局長印が捺される術を失うことになります。これらの一連の環境の変化で、
モチベーションを落としてしまう同士も現われました。一方で局長印の収集が可能な定期貯金に活路を見出す同士も…。
2007年10月に郵便事業は民営化され、貯金業務は「ゆうちょ銀行」に引き継がれました。一部の貯金窓口は、ゆうちょ銀行直営の
窓口となりました。民営化直後は一部のゆうちょ銀行窓口において、局名印(というより店名印か)が用意されていなかったり押印拒否を
受けたり混乱も見られましたが、現在では従前と大きく変わることなく受け付けてくれます。ただし定期預金については形態が変わった
そうで、現状で局長印を集めようとすると相当手間がかかるようです(当方は手を出していないのわかりかねますが…)。
■詳細は、他のサイトもご参照ください。