ぶらり北陸の2日間のこと

 20世紀最後の局巡りは北陸方面と決まった。決定までのいきさつですが、能登半島を走るのと鉄道 の穴水〜輪島間が2001年春をもって廃止されるというのである。過疎化とモータリゼーションの進行で、 厳しい地方の鉄道運営で廃止がでてくるのはある意味仕方の無いことと思うが、一観光地である輪島から 鉄道が消えるというのは残念だ。今行っておかないと、今後なかなか輪島なぞ行くことがないだろう から、意を決しれ行動に出た。
↑木之本局↑福井大手局
↑特急「白鳥」号↑根上局
↑美川湊町局↑小松局
↑金沢駅内局↑金沢中央局
 会社は27日で御用納め。今回の年末年始休暇で貯金ができるのは12月27・28日だけである。行程は ハードなものになった。27日未明に岡山から「ムーンライト高知」号で関西にでて北陸を目指す。その日は 金沢で泊まり、翌日能登半島に入る・帰りは深夜発の同じく「ムーンライト高知」に間に合うように 行程を組む。帰宅は29日未明になる。宿泊のホテルは、コンビニエンスストアでとる。27日未明に 神戸に降り立ち、近所のコンビニで金沢駅前のホテルを予約した。
 この北陸の旅だが、もう一つ目的があった。それは、降り積もった雪に触れることである(笑)。 瀬戸内に住んでいては、雪が積もることは少ない。しかも出発前に寒気が入り込んで雪を降らせて いた。こちらのほうもちょっと楽しみにしていた・・・。
 滋賀県に入って米原辺りまでは雪が皆無だったので、「もう無いのか?」と思っていたら長浜を 過ぎて急に雪に積もった風景に変わりました。そして今回の旅の始め、木ノ本で降りました。空は 雨が落ちていました。その雨と路面の雪で、道は随分歩きにくかったです。なんとかして1局目、 木之本局に着きました。所在地名は「木之本町」で、JRの駅だけ「木ノ本」です。ここの局名印は「宝」 だったのですが、一体何の絵なのか皆目検討がつかない絵です(汗)。帰りは路地を歩きました。 雪かきがされていない主要道の歩道より、路地の「轍」を歩いたほうが良かったですね・・・。
 JR線で福井県に入ります。敦賀より北は未開の地です。長い北陸トンネルを通って、県庁所在地の 福井市まで走りました。雪はほとんどありませんでした。なんか拍子抜けした感じです。
 福井駅から近い福井大手局に入りました。雪について局員と話を交わしました。2日前まで数cm積もって いたらしい。都市部だとすぐに溶けてしまうのだろうか。エコーはがきも買いました。次に福井中央局。 ここでも絵葉書の買い物。ネットの端末があったのでいじってみましたが、ウンともスンともしません でした。そして福井佐佳枝局。電車通りに面しています。風景印を捺して貰って「さて」と局を出た のですが、2分経って急いで駆け戻る羽目に・・・。肝心の貯金通帳を窓口に出したままでした(汗)。 受取って、小走りに駅に戻ります。
 福井からは特急の「白鳥」号に乗りました。大阪〜青森間を走る長距離列車ですが、奇しくも2001年 3月のダイヤ改正で廃止される運命となりました。石川県に入り、小松で後続の普通列車に乗換、寺井 で降りました。「寺井町」という行政区がありますが、駅の所在地は「根上町」です。根上町出身の 有名人が2人居ます。1人はプロ野球選手の松井秀喜選手。もう1人は内閣総理大臣(2001/2現在)の 森喜朗氏。街中は松井選手の幕やら表示物で占められていました(尤も政治家の出身地と大々的に宣伝 されてもナニですが・・・)。寺井局を訪問。列車でさらに進んで、小舞子で下車。北に歩いたところに 美川湊町局。今回の局巡りで唯一風景印の無い局でした。小松に引き返し、1時間の持ち時間でまず 駅前局を訪問。線路を跨いでガラス張りの小松局。オレンジ色のポストがありました(笑)。そして 次の乗車列車を気にしつつ、小走りで小松京町局にも足を記しました。
 陽が西に落ち始めました。雨も落ちて暗くなってきました。金沢には15時半に到着。駅構内北に ある金沢駅内を訪問。記念小型印があるということで、ついでに貰いました。駅から西へ歩くと、今度は 金沢駅前局。16時が迫っていたので、金沢中央局に寄って駅に戻りました。ここでさらに東へ進みます。 倶利伽羅峠辺りは随分と残雪がありました。すっかり陽が暮れて、富山に到着。お誂え向き、富山中央 局に滑り込み。28日の局巡りが終わりました。金沢に戻り、食事後駅前のホテルに入りました。

12-12-28
木之本→福井大手→福井中央→福井佐佳江→根上→美川湊町→小松駅前→小松→小松京町→金沢駅内 →金沢駅前→金沢中央→富山中央

↑高松局↑宇野気局
↑羽咋局↑石崎局
 翌朝は朝7時に目が覚めました。しっかりと眠れました。TVを点けると天気は晴れのようですが、 気温があがらないよう。金沢駅内のコンビニエンス・ストアで 朝食を求めて、待合室で食べる。これまた2001年3月のダイヤ改正で消えてしまう急行「能登路」号 の出発を見届けて、後発の普通列車で七尾線乗車となりました。
 朝9時の窓口営業開始を見計らって、高松で下車。香川の県庁所在地ではなく、石川郡河北郡の 町名です。西に歩いたところに高松局があり、ここでこの日の貯金開始です。すぐに駅に戻り、金沢 行きの列車で宇野気に引き返します。宇野気駅の東にあるのは「宇野気」局ですが、自治体名は 「宇ノ気町」で「宇野気」は大字になります。窓口の局員とちょっと話。学生に見られていました。 自分は珠洲の出身なんですとおっしゃっていましたが、残念ながら今回は寄れません・・・。
 能登の奥へ歩を進めます。次は羽咋です。羽咋はなんでも「UFOのまち」で売り出しているようで、 局名印の「宝」にもUFO、さらに風景印にもでかでかとUFOの絵が描かれています。ネット端末を見つけた ので、自分のサイトを覗きました。11時になってちょっとつまみたかったので、近くのスーパーマーケット に入って食料を仕入れました。先を進んで、路線名にもなっている七尾に入りました。ここでの持ち時間 は約20分、七尾局で時間を食うと訪問予定局が1局減ってしまいます。なんとか時間内に済みました。 乗車したのは、のと鉄道の急行「のと恋路」号。しかし次の和倉温泉までは普通列車です。なぜこの ような運用をするのか、年が明けて某掲示板で解ったのですが話が長くなるのでここでは割愛します。 和倉温泉では30分の持ち時間。が、すぐ近くに局はありません。和倉温泉局ではとても時間が足りない ので、ここは石崎局を狙います。これも駅から1kmくらい歩かされますが・・・。歩を早めて到着。 風景印はパスしました。駅に戻って次の乗車予定列車に間に合いました。

↑雪の中を列車は進む
 ここからはのと鉄道の路線です。残雪がちらちらと見え出しました。穴水で下車、ここで線路は 輪島方向と珠洲方向に分かれます。穴水局へ歩いていると、書店に自動車が突っ込んでいるのを目撃。 店主がやれやれといった表情で警察を呼んでいました。写真を撮りたい衝動ですが、怪しまれるのが オチなのでやめました・・・。
 いよいよ廃止が決定した穴水〜輪島間を乗ります。車内をみると、やはり「その向き」の人が何人 か居ました。晴れ渡っていた風景が、山に入ると一辺。雪が積もっている中を列車は輪島へ向かいました。

↑輪島局↑河原田局
 輪島に着いたら、なんと寒いこと。どんより曇っていて、にわか雪も落ちてくるほどでした。山を 隔てただけでこうも天気が違うものなのか・・・。街中の店は和風建築で景観を調和させていました。 携帯電話の店までもそうしていました。雪に降られる中、輪島局に到着。貯金をして、同志に送る はがきもここで全て捌き終わって出ました。まだ16時まで時間があったので、駅から南に歩いた河原田局 も訪問して終了。
 さて帰りですが、これがまた大変。「ムーンライト高知」号に間に合うよう、さっき辿った線路を 戻り途中特急にも乗車するという予定でした。しかし輪島の駅前を見ると、金沢行き特急バス乗り場が。 鉄道一本利用と比較すると特急列車に乗らなくて済む分安くつくことが判明、急遽バス利用に替えました。 因みに特急バスは金沢〜輪島間が所要約2時間で2200円、鉄道利用だと普通列車利用でも高くついてしまい ます。この辺りは鉄道は分が悪いです。金沢駅からは米原行き普通列車→姫路行き新快速→「ムーンライト 高知」号と乗り継いで岡山到着。30日午前3時、お疲れ様です<自分。

12-12-29
高松→宇野気→羽咋→七尾→石崎→穴水→輪島→河原田

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