『リング0 〜バースデイ〜』


昭和48年、女優を目指していた山村貞子(仲間由紀恵)は母親の死をきっかけに上京、劇団「飛翔」に入団して日々稽古に努めていた。
貞子は独特の存在感を持ち、劇団の中では少し浮いた存在ではあったが、傍目には普通の人間であった。
しかし、貞子の回りには貞子にしか見えない「少女」が付きまとっていた。


ある日、劇団の公演が近づいたころ、貞子が目標としていた主演女優の愛子(奥貫薫)が突然の怪死を遂げる。
そして、無名の貞子は主役に抜擢された。


だがその後も怪現象が続き、貞子は劇団の仲間たちから疑われていく。
そんな貞子を一人でかばう音響担当の遠山(田辺誠一)。
遠山は貞子に惹かれており、そして貞子も徐々に遠山に惹かれていく。
そんな貞子に、遠山に想いを寄せている劇団員の悦子(麻生久美子)は嫉妬していた。


一方、新聞記者の彰子(田中好子)は超能力者・山村志津子の公開実験の謎を探っていた。
彰子の婚約者は志津子の公開実験の取材後に変死を遂げていた。
志津子は貞子の母親であり、復讐心に燃える彰子は貞子周辺の調査を始める。
そして彰子は劇団の取材を通して貞子にも同じ超能力があると知り、悦子を抱きこみ貞子への復讐を計画する。


劇「仮面」の公演前、貞子は自分を抜擢した演出家の重森(若松武史)に呼び出される。
重森は貞子の素性を知っており、それをネタに貞子を脅迫する。
それを見ていた遠山は重森に飛び掛り、もみくちゃになった末、重森を殺してしまう。
遠山は重森の死体を隠し、この公演後、2人で遠くへ逃げようと貞子に語る。


そして劇団の公演が始まった。
その公演中、隠していた重森の死体が見つかる。
劇団員は貞子の仕業として、劇が終わったあと貞子を拘束しようとしていた。
一方、彰子と悦子の復讐劇も始まっていた。
悦子は遠山を音響室から遠ざけ、彰子から受け取った志津子の公開実験のテープを流す。


舞台上の貞子はそのテープを聴き激しく動揺し、そして貞子の超能力が暴走を始め、自分の主治医を殺してしまう。
劇場はパニックに陥り、そして貞子は死んだはずの母親・奈津子の姿を舞台上で見て、その場から逃げ出そうとする。
しかし既に舞台は劇団員によって囲まれており、やがて貞子は追い詰められる。
「私じゃない」(あの「少女」がやったんだ)
そう言っても劇団員が信じるはずもなく、貞子は控室で劇団員たちに撲殺された。


そこへ彰子と悦子が現れ、彰子は一言。
「私が殺したかったのに」
その後、彰子は貞子の素性を語り、死んだ貞子と劇団員を連れて貞子の養父・伊熊博士が住む家へと向かう。
その家には、あの「井戸」が。
そして彰子と劇団員たちはその家で、伊熊博士から事実を知らされる。


貞子は奇形児として生まれたが、ある日分裂して2人になってしまった。
ひとり(=貞子)は母親似の美しい女性、もうひとり(=妹と呼称)は父親(どうも人ではない存在らしい)に似た邪悪な女性として。
伊熊博士はその妹に注射を続けて成長を抑え、幽閉していたという。


その妹を殺さなければ自分たちは殺される・・・彰子は銃を持ち、妹が幽閉されている部屋へと向かう。
しかし部屋は空であった。
伊熊「まさか貞子を連れてきたのか」


その頃・・・。
トラックの荷台で、死んだ貞子の手を握る遠山。
そのとき、遠山の手が握り返される。
貞子は生き返っていたのだった。
遠山は貞子を連れ、トラックから逃げ出す。
それに気づいた彰子と劇団員たちは2人を追った。


逃げる2人の後ろにはあの「少女」・・・妹が。
貞子もそれは気づいていた。
もうすぐ自分は自分ではなくなるという予感を覚え、遠山について来ないよう言う貞子。
そして貞子は崖から飛び降りて自殺を図ろうとする。
しかし・・・飛び降りようとしたそのとき、貞子は妹と再びひとつになってしまう。


貞子と遠山を追って森の中を歩き回っていた彰子と劇団員たちは、遠山の断末魔の声を聞く。
そして次々と殺されていく劇団員たち。
このままでは全員殺されると判断した彰子はその場から逃げ出し、立ち尽くしていた悦子を連れて家に逃げ込む。


貞子が外にいるのを確認して窓を閉める彰子。
そして銃を構え入り口を伺ったそのとき・・・既に貞子はそばにいた。
追い詰められる彰子と悦子。
貞子は体を異様なまでに軋ませ近づいてくる。


そして・・・2発の銃声が響き渡った。


伊熊博士は貞子と妹がひとつになってしまったことを悟っていた。
博士は覚悟を決め、落ち着いて戻ってきた貞子を騙し、毒を注射する。
貞子は悶え苦しみ、追ってくる博士から逃げようとする。
そして2人はあの「井戸」へと近づいていく・・・。


井戸の前で、伊熊博士はそばにあった鉈で貞子を切りつけ、井戸に突き落とした。
・・・全ては終わった・・・・・・かに思われた。


しかし・・・・・・博士は、貞子が死ねない体であったことを知らなかった。
気を失っていた貞子は、遠山との甘い一時の夢を見る。
貞子が遠山の顔へと手を伸ばした瞬間・・・夢から覚め、目の前にあった遠山の顔は冷たく深い井戸の壁に変わる。
そして、井戸の中には貞子の、絶望の叫び声が響き渡った・・・。




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