第38回グルメフロンティア記念 〜私的名馬紹介〜 |
グルメフロンティア号 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ながつきS(OP) 第4回中山7日目11R・D1800m・平成9年9月27日
明け6歳にしてオープン入りし、その後重賞戦線を戦うも善戦以上の結果が残せなかったグルメですが、苦手な「夏の暑さ」を避けるため北海道に放牧された後、秋の緒戦として選んだのがこのダートのオープン特別だったのです。 因みに私は千葉に住んでいるので、競馬場と言えば「中山競馬場」か「船橋競馬場」が地元と言うことになります。 この日は秋の中山開催の最終週で、この後は12月の年末開催まで中山には戻ってこないと言うことも有り、私は競馬場に出掛けて居ました。 グルメが久しぶりにレースに戻ってきたのは嬉しかったですが、芝の重賞ではなくダートのそれもオープン特別と言う事で、個人的には「陣営も芝の重賞戦線では、ちょっとキツいと感じているのかなぁ」という印象が強かったのを覚えています。
しかし、折角競馬場まで来てグルメの馬券も買わないのではと思った私は、しっかりと単勝だけ買い(^^)、レースを見ることにしました。 レースはスタートから上手く抜け出したグルメが、曇り空の下終始先頭を駆け、直線でも猛然と追い込んでくるエムアイブランを最後の最後まで抑えきり、見事な逃げ切り勝ちをおさめたのです!! 暫く勝ちから遠ざかっていたため、この勝利はグルメ陣営にとっても非常に嬉しい勝ち星だったのではないでしょうか。 またこのレースでの勝ち星は、その後の重賞レースでの活躍、そして翌年始めの「中山金杯」での初重賞制覇に繋がったんだと思います。 そして何と言っても、この「ダートのオープン特別」を勝ったことが、グルメ陣営を翌年のダートGI「フェブラリーS」に出走しようと思わせるきっかけとなったような気がしてなりません。
第47回中山金杯(GIII) 第1回中山1日目11R・芝2000m・平成10年1月5日
その後、年末のレースとして中京の愛知杯を選んだグルメでしたが、勝負どころで内々に入ってしまい追い出しが稍遅れたのと、中京特有の直線の短さ(^^;が災いして、1着になったサクラエキスパートを交わす勢いだったものの、脚を余した2着に惜敗しました。 重賞戦線でもメドはたったものの、やはり善戦を繰り返すグルメ(^^;。 大敗も故障もせず、いつもコンスタントに好成績を残してくれる事は、ファンとして非常に喜ばしいことなのですが、今までの様な「メンバーの力が大体同じ程度」の条件戦とは違い、オープン戦では同じクラスでもずば抜けて強い馬も沢山出走してきます。 「今までの条件戦の様に、何となく善戦を繰り返していればやがて重賞も獲れるだろう」という感覚で居ると、やがて能力のピークを過ぎ「惜しいところまで行ったけど、結局重賞を取るまでの力はなかった」と言う評価をされかねません。
私は前述したような「何時までも善戦ばかりではダメだ」と言う危機感(^^;をこの頃はかなり強く感じていたので、「もうそろそろ、中山金杯でなら重賞を勝ってくれるだろう」と言う楽観的な感覚より、「好調が続いている今、そろそろここら辺で重賞を勝っておかないと、これ以上の躍進は今後期待できないかも知れない」という心配の方が強かったような気がします。 ところで、中山金杯を含め中央競馬の東西金杯は、毎年仕事始めの日である1月5日頃に行われるのが恒例となっております。 私も当時既に社会人でしたから、当然仕事始めの日に会社に行って仕事をしていなければ行けない訳です。しかし、こうなっては中山金杯の結果が気になって仕方がありません(^^;。結局私は、以前から調子が悪い病気の為の「通院」という名目で、仕事始めだというのに会社を休んで中山に観戦しに行くことにしました(^^;;;。
中山に着き、暫く競馬に興じた後、9Rが行われている頃からパドックに陣取り、やがて出てくるはずのグルメを待っていました。 10Rが始まる頃、お目当ての金杯出走メンバーが続々と出てきます。一番最後の方のグルメは…と見ると、さすがに落ち着いた様子。発表された馬体重も「増減無し」と言うことで、相変わらず好調のようでした。これなら今日も良いレースはしてくれそうです。 馬券を買い、発走を待ちます。直前にインタークレバーの発走除外というちょっとしたアクシデントが有りましたが、まもなくゲートが開きました! 肝心のレースの方は、やや後方に控えていたグルメが4コーナーで追い出し、先行抜け出しを狙うセイリューオーを直線坂上でしっかりと捉え、並ぶまもなく抜き去りゴールイン!!! ……遂に念願の重賞制覇を成し遂げてくれたのです。着差は2馬身弱でしたが、数字以上の内容が有るレースで、正に横綱相撲!(^^)。 でも個人的には正直なところ、「やっと思った通りに重賞を勝ってくれたなぁ」という安堵感の方が強く、飛び上がりたくなるような興奮は不思議と感じられなかったのが、この文章を書いている今でも思い出されるレースでした。
第15回フェブラリーS(GI) 第1回東京2日目11R・D1600m・平成10年2月1日
本編でも書いた様に、「中山金杯」の勝利後、グルメが次にどのレースに出るかは非常に興味があり、また色々考えるのも楽しいことでした(^^)。 個人的には、やはりここまで芝の重賞を立て続けに出走し、しかも芝の一戦級のメンバーともそれほど遜色無く渡り合えると感じていたので、出来れば先ず父トウショウペガサスに追いつくためにGIIの中山記念に出て、そこでも勝利出来るようなら本格的に芝のGI戦線に殴り込みをかけて欲しいなぁと考えていました。 しかしご存じの通り、グルメ陣営はダートのGIであるこのレースに照準を合わせてきたのです。 勿論、グルメがダート適性も兼ね備えていると言う事は、昔からのレースでも分かっていたことでしょうが、実際陣営に「このレースにグルメを出してみようか」と思わせるきっかけとなったのは、やはり前年の「ながつきS」で、ダート重賞の実績馬であるエムアイブランを相手にしてもしっかりと勝利を得た、と言う事が大きく影響していると私は思いました。
しかし、中山に行って馬券を買う余裕は何とかありました。ですので、私は中山に行って馬券を買い、すぐに自宅に戻ってレースを観戦することにしたのです。 さすがにダート重賞の最高峰、GIレースと言うこともあり、既にダート重賞で実績を残しているタイキシャーロック、バトルライン、エムアイブラン等が人気となっています。 それに引きかえグルメは、「ダート重賞はこれが初めて。いきなりGIではどうか」「この前のながつきSは脚抜きの良い重馬場だった。今回の様なパサパサの良馬場ではどうか」「最近は1800m〜2000mのレースばかり走っていた。東京コースはこの馬にとって有利だが、1600mの忙しい流れに対応できるか」と言う論調が大勢を占め、人気は6番人気という微妙な位置になっていました。 でも、私にはこのような考えがありました。「この馬は馬体重が530kg前後と重く、ダート適性が有る以上、パサパサの馬場で力強く走るのには逆に向いているのではないか」と言う事と、「この馬は今までどんなレースでもそれなりに善戦してきた。今回いきなりのダートGIとはいえ、やはりそれなりにしっかりと走ってくれるだろう(笑)」と言う事です。 なので、グルメの単勝・複勝を、複勝を厚めに買いました。心配なのは、やはり「最近のグルメにとって1600mはちょっと短いかな…」と言う事、そして「さすがにいきなりのダートGIで優勝!というのは大変だろう」と言う風に感じていたのが私の正直な気持ちでした。 ………しかし、グルメはやってくれました!!!(^^)。ゲートが開くと非常に良いスタートを切り、やがて余裕を持って中段に下がったグルメは、4コーナーで先頭グループの外側に出て、そのままグングンと脚を伸ばし始めたのです。 正直、直線の映像を見ていて「これなら3着には間違いなく入れるぞ!!」と言ってしまった自分の不明を恥じたいくらいです(^^;;;。 2着のメイショウモトナリに4馬身差と言う大差をつける圧勝。「中山金杯」の時と違い、「多分間違いなく勝てるだろう」とは思ってなかったところへのこの勝利に、私は一緒に観戦していた弟達と大騒ぎしたのは言うまでも有りませんでした(^^)。 ……グルメにとって、この後には大して見るべき活躍レースが有りませんでしたが、私にとってグルメのような一介の条件馬が成長し、遂には頂点であるGIタイトルを獲る瞬間を見ることが出来ただけでも、非常に嬉しいことでした。 これからグルメは種牡馬となるわけですが、どうせここまで来たのだから(笑)、しっかりと最後までこの馬を応援してやろうと思っています(^^)。
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