今年は湾奥の水温が10℃を切らないまま桜のつぼみが開きそう。


春の気配を魚達も必ず感じ始めてるはず。


久里浜じゃポチポチ良型が混じってるみたいだし、なんだか魚が動き出したような気がするぞ。






 予報じゃ前夜から朝方まで強い北風が残るんだとか・・。

先週の西風に比べたら恐れるに足らず、往路の高速でもそんなに風は心配してなかったんだけど。



 陽も早くなり薄明るくなった頃、港に着くと宿のトタンはバタバタ、港はポチャポチャ。これまた賑やかなもんだ。(汗



今日は釣れそうな気がする・・
(いつもそう思ってるけど(笑))


岸壁にロップで舫われた船は暴れ馬の如く跳ね続ける。
港前は潮に力が無いものの、小刻みな波が強風に煽られ白い飛沫で真っ白だった。
(やっぱ・・やめとけばよかったか?)






 なんか今日は竿が曲がりそうな気がする。

前半の微かなチャンスをものにできそうなそんな予感。



そして何より・・


  オレしか乗ってないんだから!




昼からは二本竿を下ろすまでに凪いできたが・・
潮周り通り、潮は殆ど動かず







 港前にくらべればいくらかいいんだろうか?

久里浜に着いても ギッタンバッコン♪ 

舳先から飛び込んできた波が何度か足場を流れていった・・。(汗



 今日は定位置じゃとても釣りになりそうにないから左胴の間からビシを落とす。

仕事のモヤモヤを思い浮かべながらも、激しい揺れの中で魚信を見失わないように竿先を見つめる。


ここ何回か、どーも底ダチの取り方が解せないんだなぁ。水深が変わるのか、潮の流れなのか、微かに変化する。
そんな自信の無さがついつい手返しを早めちゃうんだ。




べた凪ぎになればなったで
全く反応ないし
オレは海悪の方が相性良いな・・







 海悪の中、1時間が過ぎて、やっと魚の気配を感じることができるようになった。

海が変わるまであまり時間がない。



 そして、この日二度目にして最後となった微かな魚信をオレは見逃さなかった。


キーパから竿を外すと同時に立てる。
緩めのドラッグから糸が滑り出す。ヨコタを喰らいながらもテンションを保ったままハンドルを回して竿を立てる。


軽く締めたドラッグから”グーッ”と5mほどが引き出された。
ちょっと良いかも?と思いながら、バッカンに潜めてあったいつ作ったかも覚えてない仕掛けに一抹の不安を抱き、慎重なやりとりを心がける。
何しろ、前回もすっぽ抜けてるからね。






 既に上ッ潮は落とし始めているのか魚は潮に払われながら抵抗を繰返す。ドラッグが緩いせいか、鋭い突っ込みは吸収されて手元にあまり伝わってこない。


残り40mになったところで頭の中で半信半疑になってきた。

 「魚の顔を見るまでは気を抜かない。」

そんな誰かの言葉を思い出しながら、とにかく慎重にコトコトと巻いた。
顔見てなんぼだから。



そして、確率50-50。


ビシを取り込んで手繰ったハリスは軽くなった。


しかーし、 ハリスは船底へと吸い込まれて姿が見えない。

まさか・・ 化けるなよ。


船べりに腹をあてがい、身を乗り出して船の外へ外へとゆっくりと糸を手繰る。

そしてひらめいた赤い魚体。







 船頭も半信半疑だったのか、オレがキャビンへ視線を送るとこっちの様子を伺ったまま固まってやんの。

本物である事を伝えると慌ててタモを持って掬い上げてくれた。


 針の掛かりどころを見て、オレにはまだ運が残ってることを感じる事に・・。

鋭い前歯の生えそろった上あごの皮一枚に掛かった針は軽く持ち上げる時に千切れた。
あの時「顔を見るまで・・丁寧に・・・」と思い浮かばなったら、いや前回のバラシがなければ、すっぽ抜けていたに違いない。


 今回は数少ないチャンスを良い形で生かす事ができてなんとも言えない充実感。

それは自分のイメージどおりの結果が出せたからなのかも知れない。

ま、それもこれもオレ独りのために海悪の中船出してもらったってのもあるよな。





おまけ



この日釣ったのは90m

久里浜沖は乗っこみに備えて早くも?

60mラインへと船団が散り始めた模様。


そして この日釣れたのは♀
胃袋は殆ど空っぽで

5cmほどの卵を抱え始めてました。






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