北風が強くなる予報を聞いて諦めかけたアオリイカ。 前夜は緩い南風、なんとか午前中ぐらいはもつんじゃないかと、エギや竿を忍ばせ、アオリイカか、マダイかを決めかねたまま宿に向かう。 港に着くと見慣れない先客の車が止まってた。 松輪も休みだし、今日は意外と出足が早いのかな? 続いてもう一台の車が先客の後ろにつけた。 |
車の中でまだ暗い港の様子を眺めていると、徐々に北風に煽られて水面がざわめき始める。 やっぱ、アオリは諦めるか・・。 ケータイで各地の様子を聞いてみると上手では既に4mだった北風が10mまで吹きはじめている。 やがて、船頭が現れる頃には下手まで風が吹きぬけ港前もポッチャポチャ。 そして何より、先客の正体がこの人だった事に焦るオレ。 密かに進行していた、御前崎遠征2005。 その初戦を時化により挫かれた主は諦めきれず、INA丸に時化とともに現れた。(笑 |
15mほどに勢いを増した北風で港前は真っ白け。 そんな中を、ゆっくり、ゆっくりと揺られながら久里浜沖へ。 昨年不調だった久里浜沖90m。 船数も少なめ、お客さんも3つ4つと疎らな船が目立ってますね。いつもの久里浜下手の船団について、上げ潮の淀みから実釣開始。 もう、秋鯛の面影も無くぶっこみから喰ってくるなんてことは皆無?静かーに、そして気長にその時合いを待つのであります。 早々に小あじが姿を見せますが、すぐに下げ潮が勢いを増して釣り難い状況へ。 |
ワンチャンスの時合いを上げ潮の行き始めにかける。 落としの上っ潮が完全に抜けて淀みへ。 思ったよりこの淀みが長く、しっかりと棚を決め、手返し5分で打ち返す。 やがて上げ潮が流れ始める。もう少しだ。 下げ潮の時には完全に潮上で全く反応を得られなかった餌に現れる僅かなシグナル。 上げ潮が行き始め20分、沖上がりまで30分。 シビレながらコマセヲ打ち替え続けたその時、-2.5m、傾いた竿先からイレギュラーで僅かな魚信! 竿を手に取って立てる。 うねりを往なしてはハンドルを回す、そして”グッグーッ”と竿を絞り込む魚信。 型は大きくないけど、間違いなくマダイ。 諦めなくて良かった。 |
竿尻をお腹に突き立て、久しぶりの感触を楽しんでいたオレの顔はきっと穏やかだったんだろうなぁ。 その穏やかな表情が曇りはじめる。 あまり大きくないと思いながら、ハンドルを回す。 いや、こりゃー小さいな・・。 ん? 待てよ・・・。 その不安が確信に変わって竿を立てたまま止めてみる。 そして、手元に伝わってくるものは何も無かった。 |
沖上がり直前、すぐに最後の一ビシを放り込んだが・・。 終わりを告げる親方のアナウンスで仕掛けを回収すると刺し餌は綺麗に残ったままだった。 うねりもあったし、喰いが浅かったんだろう。 訪れたチャンスを生かしきれなかった事を悔やみながらも、妙に納得して諦めの良かった今日のオレ。 それは信じたチャンスが訪れたからだったのかも知れない。 次はそのチャンスを生かせるといいなぁ。 |
■ おまけ ■ 白っぽく、濁ったような緑色 それが冷たい潮の色 今日はバケツの水も冷たかった。 久里浜は秋鯛が終ると 下げ潮より上げ潮に歩があるような気が・・ とはいえ、湾奥は例年よりまだ2,3℃高い模様 |