「満更でもない」


 たまたま良い思いをしただけだと言えばそれまでだけど・・・。
沖釣りをはじめて3年目の昨年10月、御前崎で真鯛釣りをしてから「釣れない事を楽しむ」東京湾での真鯛釣りに疑問を感じ始めていたのかも知れない。
「なんで釣れない釣りを楽しめるのか?」東京湾の沖釣りで最大1kgしか手にしていないおいらにとっては”数を釣る事”もさることながら”型を見る事”も非常に大きな壁だったのだ。

 期待に胸を膨らませ訪れた海から肩を落として帰るのはハッキリ言って辛いからね。

そしていつからか真鯛船から足が遠のいていった・・・。

 仕事に追われて2週ほど釣りをしなかっただけなんだけど、先週手にした美しい真鯛の姿とその力強い手応え、それと海風の心地よさに再び目を覚ましたかも知れない・・・。



 

 剣崎沖が俄に活気付きはじめたか?。

前回と同じ剣崎沖50mラインを目指すのかと思いきや、剣崎沖は先陣松輪船団の様子から分が悪いと判断。船は久里浜沖50mで10艘ほどの船団の前につけ、冷たい北風が吹きつける中で実釣開始。

 上げ潮が僅かに残ったポイントではエサ取りの反応も薄く、最初に小気味よいアタリをだしたのは「カイワリ君」でありました。
このカイワリって奴は小さい体からは想像できないほどの力を持ってますよね。いったい何を喰ってるんでしょうか?真鯛と同じ様な手応えだけにその小さい姿を見た時の落胆は計り知れほど大きいのはおいらだけ?。


 反応も薄いのか9時を回る頃に船長は剣崎沖への移動を決断。

お馴染みの船団はいつになくばらけて広く形成されているように見えます。
船団の雰囲気は宜しくない様子で、業を煮やした船が次々と船団を離れ始めます。いつしか風も止んで剣崎特有?何も釣れず、釣れる気さえしなくなる”まったり”とした雰囲気に・・・。
成すすべもなく、この隙に「おむすび」をほおばり勝負の時合いを待ちます。

 やがて1時を過ぎる頃、松輪船団の船から「そんじゃぁ上がってきまーす」って声がスピーカーから聞こえてくると、おいらの乗った船は船団を離れ南へと位置を下げました。
沖上がりの2時半までの一時間ほど、船が減ったポイントで潮が動けばまだチャンスはあるはず。最後まで諦める事無くコマセを振り再度手持ちで誘いをいれた時・・・。

 竿先を海中に刺し、刺しエサの落とし込みをイメージしながら、今度はコマセの中を逆流する刺しエサをイメージしてゆっくりと竿を上げようとした時でした・・。
”コツン”と竿先が何かにあたるような感触とともにそれは力強く”グググッ”と引き込み始めました。操舵室からこっちを見てた船長が「入った!」と叫ぶと同時においらは竿を立ててゆっくり慎重に巻き始めます。手応えは先週の真鯛よりも少し大きいかな?って感じで。自らタモ取りしたのが下の写真。5cm程に発達した卵を持った雌でした。

右下のちっちゃいのはカイワリくん(^^)
38cm、1.4kgということにしておきましょう

 このポイントに入ってすぐに船中二枚を取り込むも盛り上がりはほんの一瞬?

再び”まったり”と戦意を喪失した雰囲気の中で独り気を吐き”14:20”最後の投入で片し始めようとした時でした・・。
コマセを振ってキーパに掛けようとするといきなり力強く一気に引き込み始め、緩めていたドラグから10m、20mとラインが出てゆきます。止まる気配は無く、竿で交しながらドラグを少し締めてみますが勢いは止まりませんでした。気が動転し、やや強引に竿を立てて30m程が引き出された時でしょうか、スポッと抜ける間隔が手に伝わると同時に軽くなって・・・。
決してハリスが切れたような感覚では無かったので巻き上げて確認してみあると針が伸ばされていました。

 なぜ、そんなに慌てたのか、その時は自分でもわかりませんでした。
御前崎の時は堪えられたのに・・なんで。それは釣りなれていないからに他ならないのでしょう。それと最後の一投、さらには余りにも突然の出来事で疑心暗鬼になっていたから。

いつもながら「油断は禁物。」

そこには何が潜んでいるかわからないんだから。

 ”OWNER、PEマダイ6号”
個人的に東京湾のマダイでは6号で充分なんて固定観念があったんですが・・・。

 写真ではちょっとピンぼけでイマイチでわかりづらいかもしれないけど、おいらにとっては初めての事で衝撃的でした。

 その針をくわえたのは「真鯛」じゃなかったのかも知れません。でも「真鯛」だと信じ、またいつかめぐり合う事を期待するのもよし。また「真鯛」ではなかったとしてもその正体を暴くためにも次のチャンスを待ち望む事にします。
(め〜さ〜だったらわかってんだろうなぁ!おら!!)

 そんなこんなで「KOC御前崎遠征」を前に今回の経験は役に立つのではなかろうかと。

Aiプラスの竿にも確かな手応えを感じながら来週も真鯛にトライかな?



TOPへ戻る