「ツ抜け」


 一つ、二つ、三つ・・・九つと数を重ねて二桁に達するとなんだか充実感を得る事が出来たりする。そんな数へのこだわりに翻弄されているここのところの釣行記。

 烏賊船の「烏賊専」による釣果は天文学的数字に近く、桁が違う事すら珍しくない。
昨日今日始めたおいらが「竿頭」を目指すなんざぁちゃんちゃらおかしいお話なわけで。

 あいだをあけるよりも暫く「烏賊釣り」を通すことで、基本に忠実かつ無難な身のこなしで早く自分なりに納得のゆく釣果が得られるようになりたいと思っているのでございます。

 金谷沖も3週連続となればアタリヅノや探り方、潮の按配など自分なりに雰囲気を掴めるようになってきたし、あとは烏賊のご機嫌とここぞ!という時のスーパー手返しなのですが・・・。

なんとか港をでたものの・・・

 船はだいぶ灘よりの40mラインから流し始めます。
2.4mと長めのムーチングタイプを借用して挑んだ第一投。いつもより長い竿の扱いに戸惑い出遅れます。(最悪)それでも着底後に竿を煽るとすぐに反応、慎重に巻き上げてくると一番上のプラズノについたムギイカが一パイついとりました。(少々細身)
まずは上層のムギイカにターゲットを絞って
速!再投入。35m位からサミングしながら落としてゆくと今度は着底後に乗っていたようです。今日はご機嫌良いのかなぁ〜。(ワクワク)

 他船もかなり密集し、長い流しを繰り返しているのは群が固まり動きが緩い証か。烏賊専・一之瀬・一郎・五郎・ツトムといった船を含めて10艘ほどが集まっているでしょうか。
最初の2投でムギイカ3バイと出だし好調。もち!・再投入っす!!。

好きなんです。この慌しさ。濃い群を捕らえた時の「
一気呵成」に攻め続けるこのひとときがたまらなく楽しいのです。3投目は10mほど誘い上げてきたところでしっかりとした重量感が。上がってきたのはマル2・ムギ・1の3点掛け。なんと!ここまで一流し3投で6パイ、ハズレ無しでよいスタートを切ったかのように思われたのですが・・・。
透明に見えるのがマルイカでっす
○3、エンピツ7本で「ツ抜け」っす

 今日は「海もよく」、「やる気は充実」、「烏賊もその気」・・・
ただ一つだけ欠けているものがあったのです。それは予期しなかった最も大切なもの。

実は船長の体調が悪かったんです。出船前に飲んだ薬が効いたか操船に気が入らない様子。
その後の流しは全く乗らない状態が続きました。あれほど乗りの良かった群もすっかりばらけてしまったのでしょうか、他船も大きく広がり何度となく潮周りを繰り返しています。

 結局、一流し目の大漁から次の乗りまで2時間を要してしまいました。
すっかり潮が淀んだような状況で既に諦めかけていた時に落とし込みでの反応が。
久しぶりの手応えに慎重に取り込んだのはムギの2点掛け。この一流しで再度2点掛け、4ハイを追釣することでなんとか「ツ抜け」を果たす事ができました。


左から4,5,6は自信を持ってチョイス(左が上)

 出だしが良かっただけにその後の展開には悔やまれますが、それも釣り・・・。
全ての条件が揃うのはなかなか難しい事を痛感しました。これぞ疫病神の威力なのか?

 にしても、出だしの良い流しであまりの乗りの良さにパニックで手前マツリ。仕掛けをロストする重大なミスを犯してしまっていたのです。「レバ・タラ」は禁物ですが、やはり今日も納得できる半日ではありませんでした。



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