初めての「乗っ込み?」・・・

 昨年の秋、ワラサから始まったOLMは春を向かえワラサと並んで港が賑わう「乗っ込み真鯛」のシーズンを迎えた。寒い時期に水温が安定する深場で産卵ための準備をし太陽光の届く水深30m前後の浅場に乗り込んでくる「乗っ込み」この時期は3〜5kgといった大型の個体が釣れる事で港は腕自慢の釣り師達で賑わうのだ。この時期の卵を持った鯛は卵に栄養がゆくために味は落ちるらしいが何年にもわたり釣り人の罠を掻い潜って知恵をつけた大型を手にするために釣り人達は競い合う・・・。

 昨年の秋から例年になく小型の真鯛の高活性状態が続き、深場に落ちたのか何なのかわからない状況が続いたかと思えば、春になって大型に混じりながら小型が釣れ続くと言う状況の中「ちょっと早いかも?」ってな感じでいつもの剣崎・江奈港は「浜鈴丸」さんよりちょろ松さんなんまるさんおっきな@デブさんといった御馴染みのメンバー4人での仕立てとなりました。

 朝日の中、ポイント目指して

 朝5:00集合の5:30に港を離れて沖にて準備をしてAM6:00の時報とともにポイントを目指して疾走する。平日と言うこともあり船の数も少ないせいかさほど急いでいるようには感じられなかった。船の数も週末に見る海上に比べるとぱらぱらと非常に少なくも思える。前日の釣果が良かったらしいだけに、昨日は良かったんだけどねぇの結末だけは避けたいとの思いを抱えながら船は進んだ。

 準備に余念のないおっきな@さん テストを兼ねた2本出しのちょろ松さん

 釣り座はじゃんけんで左艫にちょろ松さん、右艫におっきな@デブさんと右ミヨシになんまるさんが構えておいらは残りものの左ミヨシ。4人ではいくらか余裕があり快適すぎる。海も良い状況でこれで釣れれば・・・ってなほど珍しく良いコンディションかと思われたが・・・実釣開始後、潮が余り動いていない様子で釣れる気がしないという雰囲気が立ち込め始めた頃、時間にしてAM7:00を回った頃だろうか右ミヨシのなんまるさんがレギュラーサイズをゲット。こちらもポツポツ差しエサに反応があった事から手返しを5分程度で繰り返す。棚は船長の言う+1〜2mとなんまるさんの言う+2m。で、おいらの棚は1.5mでほぼビンゴと思われた時に、魚信によりキーパに置いた赤い竿が気持ちよくお辞儀をする。最初の一枚と言うことで慎重にあげてくると400g程度の本命。先程までのちょっとした反応が真鯛だと確信が持てた時から俄然やる気がみなぎり、まめに誘い、手返しをうつ。

外道とはいえ、嬉しいよぉ〜 棚を見切ってから同サイズ3枚を追釣。後は型を見るだけと考えながら置き竿を眺めていると鋭い突っ込みと同時に赤い竿の穂先が海面に突き刺さった。慌てて手にした竿は明らかに今までの4枚とは異なった重量感がある。魚の引き込みに対応するためにリールのドラグを調整しハリスに負担がかからないように何度となく竿とドラグで魚をかわしながら30mを上げてきた。念のためタモ取りをなんまるさんにお願いしたのが39cm1.6kgの「石鯛」嬉しい外道でした。

 久しぶりににぎやかな樽  

 AM9:30頃になって全く潮が止まった感じで反応も薄い。時折餌が取られるも本命の気配がなくなってきた。下げ潮の止まり際にバタバタと喰いがたったと言うことだろうか、こうなると上潮が動き出す10:30頃までは厳しいかなぁなどとなんまるさんと話していると差しえさの頭が無いことが2度ほど続くとなんまるさんに再び真鯛が・・・ところが、途中で「プッツン」。どうやらサメの気配が出ているようで、おいらも5m程のやり取りのあとあえなく切られた。船はすかさず移動してサメを避けるよう真鯛を探して釣りを続ける。
これがあたって再び反応が出始め2枚を追加。船は船団を離れた少し深めの50mラインを攻め始めて3投目。良い感じの手応えが伝わりやり取りをする。久しぶりの感触と石鯛の時よりも明らかに大きい重量感が、真鯛の背びれで右手中指を切って流血によるやり取りを余儀なくされた状態で船中の視線がおいらの集中していた時・・・

 

何度となく突っ込みをかわしながらハリスを持った時、意外なほどに獲物が走った時に思いもしなかった「イ・ナ・ダ」という言葉が・・・これが今日のフィナーレになってしまった。結局のところ乗っ込みサイズは船中拝むことなく沖上がりの時間になりました。

 豪華なトロ箱 
真鯛に比べ透明感の無い石鯛の刺身やっぱ石鯛の塩焼きは最高!!

 ここぞとばかりに小型の真鯛を釣り上げて憂さを晴らした天罰か船上にて1匹の真鯛が樽からこぼれ落ち、それを拾おうとした時に背びれで切った中指の切り口はかなり深く血が止まらなかった。そればかりか季節外れの風邪を引き喉、鼻、微熱と珍しく寝込んでしまったのは、やはり自然の営みとして産卵期を邪魔した天罰なのだろうか・・・。
とはいえ、この時期に1度は2kgクラスを手にしたいものだ。



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