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セルフメディケーションの推進 (カテゴリー賞ヘルスケアアドバイザー部 準大賞)
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第2回 セルフメディケーションアワード 準大賞作品 接客業、小売業、サービス業のチーム力アップ・教育への取り組み |
【2007/03 セルフメディケーションアワード エントリーレポート】
ヘルスケアアドバイザーの資格勉強で学んだ知識や話法を活かすには、4つの方法があり、店頭でセルフメディケーション推進として取り組んで来た事を紹介する。
一つ目は、服用方法、服用時間、飲み合わせの有無を確認する事である。
例を挙げると、「食後に服用して下さい。」「空腹時に服用して下さい。」「病院で同じ症状で、お薬は飲まれてないですか?」「点鼻薬・目薬の使用回数は守って下さいね。」「必ずお風呂上りに使用して下さい。」などがある。
すると、「それは知らなかった。ありがとう。」とおっしゃるお客様が少なからずいます。
また、直後「ありがとう。」と笑顔でおっしゃられた時に、ヘルスケアアドバイザーとしての役割を再認識します。
二つ目は、相談事例をノートにつける。つまり、接客しアドバイスした商品知識が、正しいかどうかをテキストを開き確認する作業です。
また、毎月来店される固定客のお客様の相談やコミュニケーションを別紙1の通り、「顔なじみの顧客10人の接客履歴」で記入し始めた。
すると、その相談事例を見ると昨日の出来事でもあったかのように、その光景やお客様の話ぶりなどが思い出される。
この事は、知識の再確認と未知の分野の学習にも役立つ。また、再来店のお客様から、「味が飲みやすかった。飲んですぐ調子が良くなった。」などの生の情報は、次のお客様への大切な情報源となる。
私たちは、店内全ての商品を試せる訳ではない。しかし、お客様からの情報は、効能・効果以外の五感に訴える有用なヒントやアイデアの宝庫である。
三つ目は、お客様視線での実践対応がある。これは、俗に接客スキルと言われる。そのノウハウをテキストで学んだが、いざ実践してみると使える事が多かった。
(例)1.お客様に話しかける時に、必要以上に近づきすぎない。つまり、お客様と自分との距離をフォーマルな距離(1.5〜3.3m)に保ちお声掛けする。
2.痔や陰部の相談には、声を張らず目線や姿勢・トーンを下げお客様と対話する。
3.年配のお客様の関節痛の相談や皮膚病発症部位の確認などは、絵を描いてお客様に説明した。
4.外国のお客様の相談には、ボディランゲージを使い、体のどこが不調であるかを確認する。また、選択商品ミスがないように再度身振り手振りを交えて確認する。
5.お客様の要望に沿った商品をお勧めする。例えば、「便秘薬が欲しい。」と来店されているが、コミュニケーションをきちんと取ってみると、便秘薬よりも整腸薬こそがお客様の要望を満たす商品として合致した事もありました。
6.アルコール好きのお客様や愛煙家の禁酒や禁煙の相談には、同じ目線で親身に考える。
精神的依存や身体的依存を否定せず、取り掛かりやすいことから始める。
四つ目は、10の治療より1つの予防・養生法である。つまり、病気になる前に自己管理方法や予防・養生に役立つセルフメディケーションのアドバイスをさせて頂く事です。そこで不可欠なのが、お客様との対話による食生活やライフスタイルなどの次の情報を引き出す事である。
(例)1.高価な化粧品を使用しているが、インスタント食品中心のお客様にそれとなく食事が及ぼす体の仕組みとの関係を伝える事に苦心した。
2.咳止めシロップを買われているが、缶コーヒーを大量に買うお客様にそれとなくコーヒーと咳との関係を説明する。
3.急性ねんざや関節痛のお客様に、2〜3日はお風呂で温めないよう説明する。
4.風邪が流行る季節には、手洗い・うがいの励行を説明する。
5.発熱時や下痢時に注意しなければならない脱水症状対策に、「食事が取れない時こそ、水分と電解質をこまめに補給して下さい。」などの説明補足をする。
6.痔のお客様には、タバコ・アルコール・香辛料などの刺激物が及ぼす痔への負担を説明する。
上記、大きく四つの項目が、セルフメディケーション推進への取り組みである。そこで新たな問題点が浮上した。
セルフメディケーション推進は、対応スタッフが変わっても同じサービス・情報をお客様に提供しなければならない。
だからこそ同じ接客スキルや情報量を共有しなければならない。その問題点を解決する為に下記の事を取り組んでいる。
第一点は、お客様を治す為の知識吸収や学習に終わりはない。既存の商品知識や薬の知識で満足しない。
テレビやインターネットで話題の商品や新製品・リニューアル品の情報共有化を図る。
その年毎に流行する病気や感染症等の相談の多い症状に対するお勧め商品の勉強会を実施する。(別紙2)
注意点として、薬事法上使用してはいけない表現や表示・陳列といった側面も教える。
第二点は、セルフメディケーションとは、治療と予防の両輪で構成されている。
お客様が、薬の効果を実感されるのは対話による服薬指導があり、正しい用法・用量を守る事で得られる。
さらに、予防・養生法も加えれば、よりお客様が効果を実感されるのではないかと思う。
治療と予防の両輪を動かす努力にも終わりはありません。
第三点は、副作用の防止に努めなければならない。薬は、両方の性質を持つ。
正しい使用をすれば治療という恩恵があるが、間違った使用により体に害を及ぼす可能性もある。
上記三点をの日々の取り組みを勉強会用テキストにまとめたのが別紙3である。
先の国会で薬事法が改正されました。医薬品の3分類化が行われるとの事です。
具体的に説明応需、添付資料などが実施されます。
このような法改正の変化にも、服薬指導・副作用防止の説明や予防・養生法のプラスワン説明が活かせるのではないかと思う。
また、人口の高齢化が急速に進んでいます。
地域のお客様の年齢層も高くなっています。その為の医薬品の3分類化、初期医療としての役割が、今後ますます重要とされる時代が近づいていると思う。
セルフメディケーション推進の社会的役割を果たし、地域の皆様に周知・信頼される事こそが私達の使命であり責務である。
最後に、お客様にとってかけがえのない健康と美容に携わるスタッフとして、日々専門性と人格を磨き続けていきたい。
お客様の病気が治り、より健康になるようセルフメディケーションの社会的役割と責務を果たしていきたい。
みなさまから是非、具体的で建設的なご意見、ご提言をいただけないでしょうか。
お寄せいただいたご意見、ご提言については、当ホームページに掲載させていただく場合がありますので、予めご了承ください。
E-mail:matsuyama.daisuke.masui@gmail.com