徹底反論
ボイジャー1号
太陽系撮影の真相




目次

緒言
太陽系ファミリー・ポートレイト
フレーム図の検証
消えた40枚目のフレーム

参考文献・LINK








緒言

約二年前に発売された本について未だにあれこれと言うのはいささか気が引けるのだが、どうしても放っておけない事が一つある。それは、1990年2月14日にボイジャー1号が撮影した一連の太陽系画像の撮影方法の詳細についてである。

それについての『飛鳥昭雄の大真実!?』(以下、『大真実』)での記述に対し、飛鳥昭雄氏は『ロマン・サイエンスの世界』で反論をしている。それ以前にも、1998年にネットで反論文が掲載されたし、裁判文書においてさえ、わざわざこの件を取り挙げている。飛鳥氏はこの一例によって、『大真実』全体が間違っていると読者に印象付けようと試みているようだ。

しかし、『ロマン・サイエンスの世界』のその他の反論については、このサイトや飛鳥情報総合掲示板での反論で述べてきた通りである。
(『ロマン・サイエンスの世界』への反論、総合掲示板1999年12月、1月分を参照してほしい)
まだ反論していない分もあるが、それは反論する必要もないようなものだからだと言っておきたい。

そういうわけで、飛鳥氏の『ロマン・サイエンスの世界』での『大真実』への反論の中で、残す所はボイジャーの太陽系撮影のみなのである。
以前、掲示板において「現時点における反論」を書いたが、その時は残念ながら詳細が不明だったので、さらに調査をするつもりだと述べておいた。

随分と時間が経ってしまったが、実はすでに調査は完了済みなので、ここにその真相を発表し、長らく引きずってきたこの問題に決着をつけたい。
まずは、この件についての概略を述べよう。






太陽系ファミリーポートレイト
写真:NASA



太陽系ファミリー・ポートレイト


1990年2月14日、太陽系を離れゆくボイジャー1号は、太陽系を振り返って惑星とその間の宇宙空間を撮影した。地球に送信された画像は、“太陽系ファミリー・ポートレイト”と呼ばれる、太陽系の惑星が一堂に会するモザイク写真としてまとめられた。ただし、火星は太陽に近すぎたので写らず、冥王星も暗すぎたために撮影できなかった。
総撮影枚数は、60枚である。

さて、飛鳥氏はこの時の撮影で第12番惑星ヤハウェも撮影されたが、NASAはカメラが故障したと嘘をつき、その事実を隠したのだと主張をしている。
飛鳥作品では、ボイジャーが撮影した60枚の画像の内、広角カメラは39枚、望遠カメラは21枚であり、海王星から太陽に向かって撮影した事になっている。広角カメラの37枚目が木星、38枚目が地球、39枚目が金星や太陽、及び火星で、最後に太陽を撮影した時、シャッターが故障したとNASAは嘘をついたのだという。しかし、広角カメラの40枚目には、地球から見て太陽の裏側にある太陽系第12番惑星、ヤハウェが撮影されたとしている。(下図参照)

『ヤハウェ』のフレーム図
『太陽系第12番惑星ヤハウェ』P254,255

一方、筆者もこの撮影について調べてみたのだが、この件について詳しく述べている資料は、なかなか見つからなかった。そして、ようやく探し当てた資料には、このように書かれていた。

「ボイジャー1号の1,500mm望遠TVカメラに青色、緑色、橙色のフィルターを掛けて、地球から60億km離れたかなたから、1990年2月14日8時2分EST(米東部標準時間)に太陽を中心に火星と水星、冥王星を除く六つの惑星を撮影した。火星は撮影時の画像が太陽と重なるほどに近く、水星は強烈な太陽光で掻き消され、冥王星は暗すぎて撮影できなかった。この撮影は、ボイジャー2号が太陽系を離脱して、慣性飛行を続けていく方向を精密に観測する目的から行われ、経費は約20万ドルであった。

1,500mm望遠TVカメラを用いて4時間12分かけて、木星、地球、金星、土星、天王星、海王星の順に60枚の画像が撮影された」

これが、『NASAリポート宇宙探査』に書かれていた情報である。著者の中富信夫氏はJPLの客員研究員を務めていた事もある宇宙工学アナリストで、参考文献には1979年1月4日から1991年5月6日の"Voyager Bulletin MISSION STATUS REPORT"(ボイジャー公報ミッション現状報告、NASA、JPL)が挙げられていた事から、筆者はこの情報を信用に足るものと判断した。また、経費が約20万ドルとされているなど、情報が具体的であり、決して個人の推測では書けない内容と思われた。

ポイントは、60枚の画像が望遠カメラで撮影されたとされている事と、撮影の順番が、木星に始まり海王星に向かっているとされている事である。これは、飛鳥氏の情報と全く食い違っているが、飛鳥氏の情報と中富氏の情報では、中富氏を信用したとしても無理からぬ事ではないだろうか?
(当時、『太陽系グランドツアー』は見ていなかった)

そこで、『大真実』では出典を示した上で、このように書いた。

「NASAは広角カメラを海王星から順番に太陽に持っていき、四十枚目にヤハウェを撮影したが、世間には三十九枚目の太陽撮影でシャッターが壊れたとごまかしたという。……ところが、この一連の説明は、全くのデタラメなのである」(P79)

特に、『太陽系第12番惑星ヤハウェ』の「NASAは39枚目が最後であるというが、真っ赤な嘘である。筆者が独自に入手した情報によれば、広角カメラで撮影する写真は、はじめから40枚と決まっていたのだ」(P251,252)という記述に対しては、「自分の捏造した嘘で人を嘘つき呼ばわりするのだから、タチが悪い」とも書いた。

ところが、全てが捏造というわけではなかったのである。『大真実』発売一か月後の1998年7月に、ネットで「飛鳥昭夫氏からの反論」と題された飛鳥氏の反論文が発表されたのだが、そこには自分が正しいという根拠として、ニュートン別冊『太陽系グランドツアー』が示されていた。その『太陽系グランドツアー』には、こう書かれている。
(「飛鳥昭夫氏からの反論」では「米語和訳」の文章とされているが、これはNASAの資料を元にニュートン編集部が書いた記事である。この「さよなら素晴らしき太陽系」という記事は、奥付によるとNewton 1990年9月号が出典となっている。)

「ボイジャーは2台のカメラを搭載している。広域を撮影するための広角カメラとアップの写真を撮影するための望遠カメラである。今回の撮影では合計60枚の写真が撮影された。このうち広角カメラで撮影したものが39枚、望遠カメラで撮影したものが21枚である。
広角カメラは海王星から撮影をはじめ、しだいに太陽に近づき、(ただし太陽をさけながら)、最後に太陽が入る写真を撮影した。
(略)
太陽自身を撮影することは、当初からカメラを故障させるのではないかと危惧されていた。実際この撮影ののち、レンズによって焦点を結んだ太陽光の熱がカメラのシャッター機構をゆがめてしまったことが明らかになっている」(P22)

問題は、『太陽系グランドツアー』と『NASAリポート宇宙探査』の、どちらの情報が正しいのかという事である。残念ながら、日本ではこれ以上の情報は見つける事ができなかった。
他に、カール・セーガンの著書『惑星へ』上巻にも太陽系ファミリー・ポートレイトについての記述があるが、撮影枚数が60枚とあるだけで、それほど詳しいデータは載っていなかった。

ちなみに、このミッションの提唱者は、実はカール・セーガンなのである。遠く離れた所から地球を撮影するというのが、このミッションの目的らしい。反対者もいたが、太陽系の惑星を一度に撮影できる歴史的な機会にあたって、ついに実行に移されたのである。こうして撮影された、宇宙空間にポツンと浮かぶ小さな青白い地球に、セーガンは思いを巡らす。まあ、セーガンらしいと言えばセーガンらしい。
しかし、『コスモス/宇宙』といい、なぜかセーガンはヤハウェと縁がある。セーガンがヤハウェ隠蔽に関わっていたと言い出す人がいるといけないので、このミッションの責任者はエドワード・C・ストーン氏であるとことわっておきたい。

さて、日本には情報が無いらしいので、NASAのサイトを探す事にした筆者だが、残念ながら欲しい情報は得られなかった。NASAのサイトの広大さには驚かされたが、太陽系ファミリー・ポートレイト関係のページは十数ページ見つけたものの、撮影の実際について詳しいデータが載っていなかったのである。

そこで、筆者は最後の手段を取る事にした。ボイジャー計画のサイトに、メールで問い合わせたのである。幸い、ボイジャー計画のマネージャー、Ed B. Massey氏からの丁寧な返信を得られ、この問題の真相を知る事ができた。

まず、撮影フレーム数60枚の内、広角カメラは39枚、望遠カメラは21枚ということだった。つまり、望遠カメラ60枚という『NASAリポート宇宙探査』の情報は、間違っていたのである。(ついでながら、この撮影で望遠カメラに青、緑、橙のフィルターが使用されたというのも誤りで、実際には青、紫、緑のフィルターが使用されている)

さらに、撮影の順番についても判明した。
"Voyager Bulletin, Mission Status Report No. 99"(1990.6.6)には、こう書かれている。

「このモザイクは、海王星に始まり、天王星、土星へと入り込み、下方向へ水平に通過し、そして太陽の左側を垂直に、上側を弧状に動いて太陽の右側に、最後に火星を含むフレーム、木星、地球・金星に飛んで作成された」

念のため、最後の部分の撮影順についてさらに問い合わせた所、そこに書かれている通り、火星、木星、地球・金星の順番で正しいということだった。マッセイ氏は、このミッションに直接参加した制御シークエンスの設計者と話をし、確認を取ったそうなので間違いない。

これで、ボイジャー1号の太陽系ポートレイトの真相は判明した。
広角カメラの37枚目は火星、38枚目は木星、そして39枚目が地球と金星のフレームだったのである。

つまり、撮影の順番も、『太陽系グランドツアー』が正しかった。だが、これは同時に、飛鳥氏の情報がNASA情報などではなく、自分で勝手に巡らした間違った推測に過ぎない事をも明らかにしている。飛鳥氏は37枚目を木星、38枚目を地球、39枚目を金星及び火星としているのである。おそらく、その推測の元になったのは『太陽系グランドツアー』だろう。しかし、そこには海王星から撮影が始まり、太陽に近づいていったとあるだけで、最後の部分の順番は書かれていないのである。

しかし、誤った情報を『大真実』に書いてしまったという事実には変わりがない。どんな理由であれ、情報の確認を怠ってしまったのは、筆者の責任である。読者の方々には、自分自身の、若さ故の過ちをお詫びしたい(認めたくないものだな)。

だが、たとえこちらにミスがあったとしても、それに乗じてあることないこと読者に吹きこむような「反論」には納得できない。そこで、以下に飛鳥氏の「反論」に対して反論したい。






フレーム図の検証


「飛鳥昭夫氏からの反論」には、筆者がボイジャーに「広角レンズ」が存在した事実を全く知らなかったとか、フレーム数のチェックもしていなかったとか書かれている。同様の主張は『ロマン・サイエンスの世界』にもあり、「数も計算できない」と題された章節に、こう書かれている。

「さらにあの本には、“60枚の望遠レンズ撮影の根拠”として堂々と載せていた図表には、皮肉にも撮影フレーム(右ページ画面中の正方形の枠)の枚数が飛鳥説と同じ“39枚分”しかない。それも、飛鳥情報どおり、広角レンズは海王星から順番に太陽へと流れ、計39枚が撮影されていることを示している。あの作者は、図表にあるフレーム数のチェックすらやっていなかったのだ! これではズブの素人である」(P183)

ここで言う撮影フレームとは、NASAが発表した「太陽系ファミリーポートレイト」の図のフレームの事である。(下図参照)
しかし、この図には確かにフレームが39枚しかないが、『NASAリポート宇宙探査』に「この撮影は、ボイジャー2号が太陽系を離脱して、慣性飛行を続けていく方向を精密に観測する目的から行われ」たとあるので、残りのフレームは海王星向こうにあると考えたのである(当時、ボイジャー2号は海王星近くを飛んでいた)。

大体、『地球大壊滅の恐怖!!』、『太陽系第12番惑星ヤハウェ』には番号まで振った図が掲載されているのだから、枚数なんて見れば誰でもわかる。広角カメラについても同様で、その二冊の本や、『NASAリポート宇宙探査』に書かれている事である。

それから、飛鳥氏の作成した図のように番号を振っているわけではないので、この図だけでは撮影の順番はわからない。実際、飛鳥氏にしても撮影の順番を37枚目を木星、38枚目を地球、39枚目を火星のフレームと、間違った推測をしているのである。
また、飛鳥氏は海王星から天王星までのフレームを10枚だとしているが、実際は9枚である。(一方、土星のフレームは2枚重なっている)

フレーム図(NASA)

上図と同じ図は『NASAリポート宇宙探査』にも掲載されており、それを『大真実』に引用したのだが、飛鳥氏はこれを『NASAリポート宇宙探査』からではなく、なぜか『大真実』から孫引きしている。そして、なぜか「望遠TVカメラを用いて」という説明文に下線を引いている。

一応ことわっておくが、「望遠TVカメラ」というのは『大真実』の本文の言葉ではなく、『NASAリポート宇宙探査』の言葉である。飛鳥氏はこの言葉に対し、他にも「望遠カメラ(それもTVカメラ)」などと突っ込みをいれているが、何かおかしい所でもあるのだろうか?
ボイジャーなど宇宙探査機には、TVカメラが使用されているのである。

飛鳥氏がこの図を『大真実』から孫引きしたのは、おそらく『NASAリポート宇宙探査』をチェックしていないためだろう。この本を少しでも見れば、「その手の本は、どうしても大まかなデータしか表示しないし、読者対象からしても、細かなデータを表記する必要がない」(P176)などという言葉は、決して出ないからだ。さらに、飛鳥氏はこうも書いている。

「『NASAリポート宇宙探検』(立風書房刊)にある「ボイジャー1号」のデータなどは、その本のタイトルや形態から見ても、科学専門家を対象とする専門書では決してない」(P175)

‥‥言っておくが、この本の書名は『NASAリポート宇宙探検』ではなく、『NASAリポート宇宙探査』である。

このように、飛鳥氏は書名を間違えた上で「その本のタイトルや形態から見ても」などと決め付けているが、『NASAリポート宇宙探査』は専門書と言っても大げさではないぐらい、膨大な情報によって詳細に宇宙探査計画について記した本である。たまたま今回はその一箇所のミスが明らかになったが、それでこの本の全体をいい加減だと決めつけるとしたら、それは情報の取捨選択ができないと自ら明らかにしているというだけの事だ。

いずれにしろ、「ズブの素人」というのは取り消してもらいたい言葉である。中富氏にも同じ事を言っている事になるからだ。






消えた40枚目のフレーム


さらに反論しよう。続く章節で、飛鳥氏は39枚目のフレームについて、NASAがわざわざ火星軌道にまでフレームを合わせ、地球の位置の反対側をフレームに収めたと述べている。そして、このように主張する。

「39枚目の写真には、ちょうど地球軌道図の反対側に、何かの光る物(星)が写っている」(P184)

飛鳥本読者には、文意は明確であろう。飛鳥氏は、39枚目の写真にヤハウェが写っていると主張しているのである。
ここで、『ロマン・サイエンスの世界』をお持ちの方は、182ページの図を参照していただきたい。このページには二つの図が掲載されており、上には『大真実』から孫引きされたフレーム図、下には『地球大壊滅の恐怖!!』から、自分の作成したフレーム図が引用されている。その中央の説明文には、こう書かれている。

「「望遠カメラで60枚」撮影された根拠として引用された図には、フレームが39枚しかない。「広角カメラで39枚」とする飛鳥情報(下図)が正しいことを、逆に証明することになった」(P182)

しかし、「広角カメラで40枚」というのが「飛鳥情報」だったはずである。実際、その下の『地球大壊滅の恐怖!!』の図には、フレームが40枚あるのである(下図参照)

『ロマン・サイエンスの世界』のフレーム図
『ロマン・サイエンスの世界』P182より
クリックで修正前の図に。

ところで、この図には元々フキダシがあったのだが、なぜか『ロマン・サイエンスの世界』に引用されたカットでは、その部分が消されている。修正前は、こういうセリフが入っていたのである。

「広角カメラを海王星から順番にもっていき
コンピューター制御によって39枚目を惑星ヤハウェからギリギリかわさせた!
それで40枚目に第12番惑星ヤハウェを撮影したが
世間には極秘の天体のため39枚目の太陽撮影でシャッター機能がこわれたと公表してごまかした!!」(P68,69)

これは、意図的に隠したものだという可能性がある。『ロマン・サイエンスの世界』では「39枚目」にヤハウェが写っているのだと変更がなされており、40枚目にヤハウェが写っているとした過去の主張は、都合が悪いのである。

なぜ都合が悪いのか? 39枚目にヤハウェが写っていたとなると、40枚目の広角フレームは必要がなくなってしまう。それ以前に、“39枚目のフレームからヤハウェをギリギリで入らないようにし、極秘裏に40枚目でヤハウェを撮った”のだと、飛鳥氏は「NASAの極秘情報」として発表しているのである。今回の自説の変更は、それを虚構にしてしまうのだ。

付け加えれば、NASAが39枚目の太陽撮影でシャッターが故障したと嘘をついたという主張も崩壊してしまう。嘘をつく必要がないからだ。
この自説の修正は、結果的に「「真相を暴露しよう。39枚目でシャッターが故障したというのは、真っ赤な嘘である」というが、嘘つきはどちらだろうか? 自分の捏造した嘘で人を嘘つき呼ばわりするのだから、タチが悪い」という『大真実』の記述を、自ら認めた事になるのである。

飛鳥氏はなぜ、わざわざ墓穴を掘ってまで、39枚目にヤハウェが写っていると自説を変更したのだろうか? 筆者には思い当たる節がある。おそらくは、この『大真実』での指摘が絡んでいるように思われるのである。

「ところで、飛鳥氏の言う“39枚目”には、地球の太陽を挟んだ反対側が入っている。火星の軌道も収まっているので、ヤハウェが存在していたら撮影されているはずなのだ」(P81)

そして、これを読んだ飛鳥氏は、それを全面的に認めざるを得なかった。なぜなら、NASA発表のフレーム図、及びモザイク写真には、明らかに「39枚目」に“地球の反対側”が収まっているからだ。そして、“地球の反対側”が写っている以上、飛鳥氏はヤハウェが撮影されていると主張しないわけにはいかないのである。そうしないと、ヤハウェが存在していないと認める事になってしまうからだ。

『ロマン・サイエンスの世界』には、「NASAが公表した内惑星の軌道図(39枚目を参考に起こしたもの)」として『大真実』から「飛鳥氏の言う39枚目」のフレーム図が引用されており、この推測を裏付けている。火星軌道云々の飛鳥氏の主張は、この図に基づいているのである。
ところが、飛鳥氏は逆に筆者が39枚目の写真をチェックしていないと、筋違いな主張をしている。39枚目にはヤハウェが写っているのだ、と。

「よってあの作者は、間違いなく本物の39枚目の写真(全景)を見ておらず、『NASAリポート宇宙探検』(立風書房刊)のカットだけで検証したのだ」(P185)

過去の自説を棚に上げ、よくここまで開き直れるものである。
ある意味感心してしまうが、そうも言っていられないだろう。
飛鳥氏は39枚目の写真をチェックし、ヤハウェを発見した上でこのような事を言っているのだろうか?

とてもそうとは思えない。
というのも、飛鳥氏の言っている「39枚目」とは火星の入ったフレームだが、本当の39枚目のフレームは、前述の通り地球の入ったフレームだからだ。その39枚目のフレームに、地球軌道の反対側が入っているはずもない。

よって、飛鳥氏は間違いなく“39枚目の写真”(実は37枚目)を見ておらず、自分の推測だけでハッタリをかましていることが明確になるのである。
批判された説を修正した挙句、その修正した部分を根拠にして、それを指摘した当人に対して反論するというのは本末転倒というものである。
飛鳥氏には、自分のミスを人になすりつけるなと言っておきたい。
さらに、人の文章を引用する時は、文意を歪めず、正確に引用しろとも言っておきたい。

『ロマン・サイエンスの世界』には、『大真実』からの下のような「引用」があるが、色々といじっているにも関わらず、何の断り書きもない。『大真実』をお持ちの方は、この「引用文」には都合の悪い部分が省略されている事がおわかりいただけるはずである。

「この一連の説明(NASA情報のこと)は、全くの“デタラメ”なのである。実はこの時の撮影は“望遠カメラで”60枚撮られているのだ……嘘つきはどっちだろうか? 自分の捏造した嘘で人を嘘つき呼ばわりするのだから、タチが悪い。」(P183)

しかし『大真実』には、「この一連の説明」の前にこう書かれている。

「NASAは広角カメラを海王星から順番に太陽に持っていき、四十枚目にヤハウェを撮影したが、世間には三十九枚目の太陽撮影でシャッターが壊れたとごまかしたという」(P79、下線追加)

これがNASA情報だろうか? これは、自説の修正により、自らの手で虚構である事を暴露してしまった飛鳥情報である。飛鳥氏は、主張のすりかえをしてまで反論を試みているが、デタラメだと批判されている当の説を変えた時点で、それがデタラメであると自ら認めた事になるのである。
筆者には、せっかくの反論の機会を自分で台無しにしてしまったとしか思えない。

さらに、“嘘つきはどっちだろうか”の前の文章も省略されている。この前後の文章を引用しよう。なぜ飛鳥氏が省略せざるを得なかったのかは、ここまでお読みの方々にはおわかりだろう。

「「真相を暴露しよう。39枚目でシャッターが故障したというのは、真っ赤な嘘である」というが、嘘つきはどちらだろうか? 自分の捏造した嘘で人を嘘つき呼ばわりするのだから、タチが悪い。断片的情報にもとづく推測、それが飛鳥氏の“トップ・シークレットDレベル以上”の正体である」(P79)

これは二年前に書いた文章だが、今言いたい事も全く同じである。

飛鳥氏は、「引用文」に続いて、フレームが「飛鳥説と同じ“39枚分”しかない」などと書いている。飛鳥氏は批判されても自分のミスを決して認めず、そのくせ何食わぬ顔で自説をすりかえ、そして飛鳥説は正しかったのだとうそぶくのである。厚顔無恥と言う他ない。

筆者は単にミスをしたというだけだが、飛鳥氏はミスを犯した上に、それを嘘と欺瞞で覆い隠そうとする。元々のミスよりもその嘘と欺瞞の方が問題があると感じるのは、当事者として客観性を欠いた見解だろうか。



さて、読者の方々はどのように感じられただろうか?










(2000.5.31)



参考文献
NASAリポート宇宙探査 中富信夫 立風書房 1993
Newton別冊
太陽系グランドツアー
Newton編集 教育社 1991
惑星へ 上巻 カール・セーガン 朝日新聞社
太陽系第12番惑星ヤハウェ 飛鳥昭雄、三神たける 学研 1995
地球大壊滅の恐怖!! あすかあきお 講談社・コミックス 1994
アスカ・ファイル5 飛鳥昭雄 アスキー 1998
ロマン・サイエンスの世界 飛鳥昭雄 雷韻出版 2000
飛鳥昭雄の大真実!? 古関智也 文化創作出版 1998





LINK
Voyager Project Home Page ボイジャー計画チームのHP。Ed B. Massey氏の返信がなければ、この反論ページが発表される事もなかった。
Thank you, Mr. Massey !





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