ショック・サイエンスの謎

旧ショック・サイエンスについては、今までその作品中の仮説面に焦点を当てて来たが、今回は少し違う面を取り上げたい。
ショック・サイエンスには、毎号毎号意味もなく、時には2ページにわたって作者の写真が掲載されていた。後半では、「最近では各分野で名をなした多くの人たちと会う機会も増えてきました」として、有名人と一緒に撮った写真もある。(成り上がり根性というか‥‥)
しかし、イトウ・セイコウ、糸井重里、井沢元彦、TARAKOといった人達と一緒に写っているのだが、飛鳥氏が体を
ググッと近づけて、ムリヤリ撮っているような気がするのは筆者だけだろうか?
“こうして着実に私の発表する舞台が整えられてゆく”のだそうだ(笑)。

ところで、このショック・サイエンスには、いくつか不思議な点がある。
ショック・サイエンスは、初めは十二部構成になる予定だった。しかし、『ワンダーライフ』が廃刊になってしまったために第三部までしか出せなかったのだが、問題は第二部である。第一部は「太陽系12惑星群の秘密」の回で「第1部 完」とあり、第三部は「失われたヘブライ伝承」で「第三部 完」とあるのだが、
第二部がどこで終わったのか、どこにも書かれていないのである。

まだある。ワンダラ14号で「古代日本のAPOCRYPHA(アポクリファー)」が掲載され、予告には「古代日本へのAPOCRYPHA 第U部『古代ヤマタイトローグ』の謎」とあった。そして、15号ワンダラ次号予告では「古代日本へのAPOCRYPHA 第三部 古代大和の議定書(プロトコール)」とある。しかし、「古代日本へのAPOCRYPHA」というのは、そのままどこかに行ってしまうのである。その後も内容的には連続しているのだが‥‥
(ただし、〜部というのは、単行本では削除されている)

こういう事を書くと重箱の隅をつついていると言われそうだが、さらに、旧ショック終了にまつわる謎を取り上げたい。『ワンダーライフ』が廃刊となったのは第22号だが、ショック・サイエンスが終了したのは第19号の「失われたヘブライ伝承」である。しかし、実はワンダラ20号の予告には、次号掲載予定に「ショック・サイエンス「古代日本」特別版・『古代タカマガシック=ロード』」というのがあったのである。
ところが、それは中止となり、代わりに掲載されたのは『ノスタルジック・ミステリー』という、当り障りのないマンガだった。

このマンガのラストは、飛鳥氏がコートの襟を立てて幼少の思い出の場所に立つ場面で終わっている。
「現実は確かに冷酷で冷徹なものにちがいなかったが、ぼくの心の底に深く刻まれたイメージを消す力はなかった!」
なぜここで飛鳥氏がたそがれていたかというと、おそらくはワンダラ編集部との軋轢のためだろう。
ワンダラ編集部は中立を装いつつ、その実は小島露観派に乗っ取られていたような状態だった。
そのため、飛鳥氏は
作品打ち切りという“冷酷で冷徹な現実”を突きつけられ、自らのルーツを探しに里帰りしなければならなくなったのだろう。

ちなみに、ムー189号別冊付録『「古事記」は「聖書」だった!!』の副題は「古代タカマガシック・ロードの謎!!」となっており、ワンダラ21号で発表されるはずだった、因縁の作品らしい。
しかし、もし本当にそうだとすると、こう思ってしまうのである。

“これがあの時に掲載されなくて良かった。‥‥本当に良かった。”
当時の盛り上がったファンにしても、その多くはこのマンガにはついて行けなかったに違いない。
まあ、むしろその方が良かったかもしれないとも思えるのだが‥‥


                                  ('99 11/14)

参照:ワンダーライフ各号、SSR1〜3



ショック・サイエンス 写真の謎

ショック・サイエンスR第2巻で、なぜか写真中の人物の目に黒線が入っているのにお気づきになっただろうか? 第1巻、第3巻には、こんな黒線は入っていない。実は、それには裏話がある。ショック・サイエンスRは大真実裁判係争中に出版されたが、第2巻出版前に、こちらは原告側にこんな指摘を行っている。

“原告の作品中には写真が多用されているが、それらの人物に許可を取り、肖像権処理がなされているか、疑問である”

それに対して原告側はなされていると答えたが、その頃に発行されたショック・サイエンスR第2巻では、なぜか写真に黒線が入っていたのである(笑)
肖像権処理がされてないって言ってるようなもんじゃん‥‥‥(苦笑)

ショック・サイエンスのうさん臭い写真の数々。どちらかと言えばお世辞にもあまりうまいとは言えない児童漫画風の素朴な絵柄の漫画に妙なリアリティを添えていたのは、それらの写真ではないだろうか。エルサレムの写真を貼ればエルサレム、大西洋の豪華客船の写真を貼ればその客船、南極基地の写真を貼れば南極に、実際にあすかあきおが行っていると思った読者も少なくないのである。外人の写真が貼ってあってそれに〜〜学者とキャプションがあれば、その学者が実在して飛鳥氏と密談したと信じる読者がいるのもにべなるかである。その中には、CIAのエージェントがニッコリ微笑んでる写真まであるというのに。海外の写真で実際に飛鳥氏が写っているのもミクロネシア、他は後にテレビの取材で行ったアメリカだけなのだ。

ショック・サイエンス第1弾の「ネッシーは捕獲されていた」では、実は冒頭の飛鳥氏の写真以外、写真が使われていない。ショック・サイエンスのうさん臭い写真の始まりは、その次の回に出てくる、1946年に仁徳天皇陵に潜り込んだデビッド・レイ・ヨセフ伍長の写真からである。
少し前に復刊されたショック・サイエンスRでは、なぜか写真がキレイになっている。キレイになった分リアリティが増すかというとそうではなく、むしろ白々しいわざとらしさが出た気がするのは僕だけではないはずだ。
ヨセフ伍長の写真もキレイになっているのだが、それは演出的にマズかった。とてもではないが、それは1946年の写真ではありえない。ヨセフ伍長の写真は現代の誰かの写真であることは、熱烈なビリーバーたりとも認めざるを得ないだろう。白いワイシャツにネクタイをピシッと絞めた朴訥そうなこの若者は、もしかするとモルモンの宣教師なのだろうか・・・。

ショック・サイエンスの写真は“漫画の嘘”であることは論をまたない。フィクションだから許される演出上の嘘である。しかし、読者はそこにノンフィクションを見ようとする。あすかあきおもまたそれを正そうとはしない。フィクションとノンフィクションの危ういバランスでしか成り立たない虚構のカリスマ性を保とうと、沈黙の中で嘘をつく。そして、あすかあきおは原稿に写真を貼り、今日も世界中を飛びまわるのである。


     ・・・・・どこかで言い訳の声が聞こえてくる・・・・・



                                      (終)






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