謎のミイラ写真



数年前、チュパカブラを紹介するTV番組が放映され、その中でチュパカブラの子供のミイラと称される写真が紹介された。そのミイラは小瓶の中に座っていて、大きめの頭部には縦に溝のようなものが走っていた。場所は、プエルトリコ。予備知識なしに、チュパカブラだと言われるとそうかもしれないと思ってしまいそうな、不気味な写真だった。ところが、専門家のコメントでは、人間の胎児の可能性が高いとのことだった。胎児は頭部が大きいし、頭蓋骨が癒着していないため、溝ができるそうだ。

ところで、その写真を見て、筆者には何か引っ掛かるものがあった。どこかで見た事がある写真だったのだ。そして、それは飛鳥氏の1992年の著書、『地球のなぞとふしぎ大解明』(小学館)だと気付いた。確かに、とてもよく似た写真がそこにあった。瓶の中に入ってる事や、頭部に縦の溝がある事も一致している。しかし、そこでは「小人族」の成人の写真と説明されていた・・・

以上は、要約して『大真実』に書いておいた話である。
ところが、『ロマン・サイエンスの世界』(雷韻出版)で、それについて飛鳥氏が反論をしている。TVで使われたチュパカブラの写真と、小人族の成人のミイラと称されている写真は、全く別のものだというのだ。姿形も全く違うという。

「年代も場所も中身も全く別の物なのだ。それを、さも飛鳥を嘘つきとする材料に使うなら、まず両方の写真を並べて、全く一緒という根拠を示すべきだろう」
(P197。念のため言っておくが、全く同じとは書いていない)

しかし、そう言う割に、『ロマン・サイエンスの世界』にも写真が掲載されていない。3500巻に及ぶビデオ・ライブラリーの中に、あのチュパカブラ番組は録画されていなかったのだろうか。

それから、そのTVで、写真の生物を医学者が人間と全く別の体型だと分析していたともいう。よく覚えていないが、初めにそういう事はあったのかもしれない。だが、後に登場した日本の専門家がそれを否定し、人間の胎児だと分析した事もまた事実である。猿でもなく、人間、である。

ところが、『大真実』でも強調していたにも関わらず、『ロマン・サイエンスの世界』ではその事について全く触れられていない。そして、TVで使われた写真を「チュパカブラの写真」と、何の疑問もなく呼んでいるのである。
ブロス版ショック・サイエンスの2巻でも、倉庫でチュパカブラを飼っていたという少年が登場している。その少年は、ラ・エクスプラナダという山の洞窟の前でその生物を見つけたが、同じ生物がウジャウジャいたという。TVでも、山の洞窟でチュパカブラの子供の群れに襲われて一匹を殴り殺したが、それを持ち帰って写真を撮ったとされていた。マンガではフィクションが入っているが、この話を元にしていると見て間違いない。

仮に飛鳥氏の言うように、チュパカブラと小人族の写真が全く別の物だとしても、TVで“チュパカブラの子供の写真”が人間の胎児だと分析された事実は残る。それでもその写真をチュパカブラだと言うのなら、まずそれを証明すべきである。
そうでなければ、人間の胎児を化け物扱いして、見世物にしているという謗りは免れない。
反論すべきは、正にその点だったのではないだろうか。

‥‥話を戻そう。残念ながらあの番組は録画していなかったので、直接比較する事はできない。しかし、あるページで同じミイラの写真を公開していたので、引用しよう。
(※元のページは削除されました)
プエルトリコの謎のミイラ このミイラの出所についてはいくつか違う話があるらしく、このページではその内の二つを紹介している。一つは、プエルトリコ北部の大農場主とその仲間が、牛を襲ってきた4匹の生物の一匹を殺したというもので、最も広まっている話らしい。しかし、牛を空中浮揚させ、自らも宙に浮かんでいたという、荒唐無稽な話である。
そしてもう一つが、サリナス(プエルトリコ南部)に近い山で遺跡を探していた若者が、たくさんの小さな生物に襲われ、その内の一匹を棒で殴り殺したというものである。その生物は持ち帰られ、ホルマリン漬けにされたという。こちらが、TVで紹介され、飛鳥氏がマンガの参考にしたエピソードである。
残念ながらこのページには、ミイラの顔の部分しか載せられていない。違う角度で22枚の写真が撮られ、その内の4枚が雑誌に載ったとあるが、その内の1枚なのだろう。
ブロス版ショック・サイエンス2巻には山で捕まえたチュパカブラの子供の絵があるが、全く似ていない。グレイに似せてあり、頭部は大きく、アバラが浮き出ていて、座り込んだ姿勢をしている。しかし、頭に縦方向の隆起があり、ミイラ写真の頭の溝が元になっていると思われる。

さて、それでは『地球のなぞとふしぎ大解明』から、“「小人族」の成人のミイラ”写真を引用させてもらうので、比較してみていただきたい。



『地球のなぞとふしぎ大解明』P163より引用

どうだろうか。不鮮明な写真ではあるが、プエルトリコの謎のミイラとよく似ている事がおわかりいただけるだろう。

これで、この問題は片付いたと言える。
しかし、なぜ飛鳥氏があんな反論をしたのかは、興味のある所だ。
「姿形も全く違う」「年代も場所も中身も全く別」「小人族の成人のミイラと称されている写真と、プエルトリコで実際に撮影されたチュパカブラの写真とは、全く違う別物」‥‥

実は、これらの言葉は間違っているというわけではない。『地球のなぞとふしぎ大解明』によると、小人族のミイラはアメリカ合衆国ワイオミング州、ペドロ山脈で発見されたという。身長は35センチで、ワイオミング州キャスパーに展示されているそうだ。下の写真がそれだ(1932年発見、1952年消失)。


何の事はない、写真を間違えているのである。
ワイオミングの小人「写真についてだけは、物が見えるだけにいい加減な事は書かない方が身のためである」というのは、飛鳥氏が僕に対して書いた忠告だが、全くその通りだろう。

勉強になりますな。








写真引用元Webページ
エイリアン、1932年ワイオミング州採掘遠征隊より






Update/2000.1.18

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