大真実裁判の実態


998年8月21日は、飛鳥氏にとっても僕にとっても、二重に忘れられない日である。
その前日、米軍はアフガンとスーダンのテロ基地を爆撃したが、第三次世界大戦予言“解釈”は外れた。
そして、この8月21日は、発売等差止仮処分の審尋として、事実上「大真実裁判」が始まった日でもある。
(仮処分とは、結審の前に、仮に出版物などを差し止める処置の事である)

この大真実裁判の正式名称は「平成一〇年(ワ)第一五五号発売禁止等請求事件」というが、通例にならって『飛鳥昭雄の大真実!?』裁判、さらに縮めて「大真実裁判」と呼びたい。


れではまず、このトンデモ裁判について語るにあたって、飛鳥氏がどんな理由で、何を求めて訴訟を起こしたのかをを明らかにしたい。
飛鳥氏によると、僕の犯した「犯罪行為」
(実際そう書かれた。民訴なのに(TT) )は、こういうものであるらしい。


  • 著作権侵害
  • 著作者人格権侵害
  • 名誉毀損
  • 誹謗中傷
  • 人権侵害
  • 宗教者としての名誉の侵害
  • エンターテナーとしての人格権の侵害


いくら温和な性格の僕でも、これだけ罪状を並べ立てられては黙っていられないというものだ。

それにしても、
人権侵害とは笑わせてくれる。
まあそれは置いといて、それらの代償として飛鳥氏が求めたものは、こういうものである。

  • 『飛鳥昭雄の大真実!?』(本件書籍)の発売停止

  • 本件書籍の内、すでに出回っているものの廃棄

  • 四大新聞においての謝罪広告の掲載

  • 文化創作出版の出版物の折り込みチラシ1ページ分での、向こう三カ月間の謝罪文の掲載

  • 筆者の印税出版社の利益、慰謝料、弁護士費用、合計七二二万五千円(後に五九九万円に減額される)


印税、出版社の利益を請求するというのは著作権裁判では普通の事だが、飛鳥氏の場合、その根拠がおかしい。『大真実』は私の著作物だけで構成されている以上、ある意味では私の著作物と同じだから、自分に印税の相談もしないのはけしからんというのだ(陳述書)。

あの本を飛鳥氏が書けるものなら書いてみろ!と思ったが、とにかく、あの本を読んだ事のない方が誤解されないように、判決により『大真実』の引用個所は適法引用(注)である事が認められたと付け加えておきたい。

(注)適法引用と著作権侵害を分けるポイントは、「批評、論評、研究目的である事」 (引用をする必然性)、「出所の明示」 (引用部分近くに出典をことわる事が望ましいが、やむをえない場合は別にしても可。著作者もことわること)、「引用部分と創作部分の明瞭な区別」、「創作部分が主で引用部分が従の関係である事」などである。
ただし、著作権法には引用は合理的と認められる方法、及び程度で良いとあり、それほど神経質になる必要はない。
著作権法とは、著作者の権利を守ると共に、公共の利益のために著作者の権利を制限する法律なのだ。


それにしても、内容が内容なだけに、僕は著作権には充分注意してあの本を書いたつもりだし、文中でもできるだけ出典をことわっている他、巻末には引用したものの出典を全て明記している。
それでも著作権侵害だとする飛鳥氏の主張は、大変、不思議である。

さらに不思議なのは、飛鳥氏がこの裁判で著作権侵害箇所として一覧表に挙げた部分のほとんどに、その場で出典がことわられている事である。
それはなぜか。
飛鳥氏は一体、何を言いたかったのだろうか‥‥?



‥‥その前にまず、はっきりさせておきたい事がある。
このように、裁判についての詳細な情報を公表する事は法的に許されるのだろうか?
それについては、憲法第八二条[裁判の公開]を参照していただきたい。

「裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行ふ」


マスコミも、話題性のある裁判については詳しく報道しているし、裁判関係の本などは裁判文書の引用も行われている。
飛鳥氏にとって幸運だったのは、社会的にはほとんど注目されていないがために、大恥をかかずにすんだという事である。

しかし、ネットを利用している飛鳥本読者にとって、この裁判の行方は懸案事項である。
飛鳥氏がこの裁判についての詳細を公開する事が期待できない以上、この件を読者に伝えられるのは、僕しかいないだろう。


さらに憲法八二条第二項には、政治関係と並んで、出版についての対審は常にこれを公開しなければならないとして特に挙げられている。言論の自由に国家が制限を加えるような事がないように、公正を期すためだろう。

例え国家であっても、言論の自由を阻む事はできないのだ。

ましてや、一介の作家に(例え本人の言うようにタレント・芸能人であったとしても)、それを覆す力があろうはずもないのである。

大真実裁判の経緯




失笑編つづく



Update/1999.6.10

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