トンデモ超兵器ファイル[1]〜

幻のプラズマ兵器


序言
恐怖の人類最終兵器
プラズマの物質透過性
磁力線プラズナー
結論





麻原 「
秘密兵器研究家というか、あらぬ情報に詳しいティローパ
どうだ


早川 「
プラズマ兵器は、四千度くらいの高温を瞬時に出せる。
どんな場所にいても生命体だけを殺る
ことができます

麻原 「 ティローパ続けてくれるか

早川 「
  
シェルターなどの施設のない日本では、生き残るためには
自分で防御するしかない



―― 『日出づる国災い近し』(オウム出版)より




 
序 言



 人類最終兵器プラズナー‥‥
 飛鳥昭雄氏の著作品に登場する、米軍が極秘に開発しているとされるプラズマ兵器システムである。

 プラズナーについては『大真実』でも検証した通り、科学的に見て重要な欠陥がいくつもあり、現実に存在し得るとは考えにくい。結局の所、飛鳥氏の科学知識の不足により産み出された、妄想の超兵器であると言えるだろう。
 同氏はこの秘密兵器の情報を、某秘密組織や「NSA」(国家安全保障局)から得たと主張する。しかし、そのような主張は自己の情報ソースの虚構を暴露して、自分の信用を貶めるだけである。

 しかし、この空想上の超兵器は、今でも一部の間で信じられているフシがある。
 オウム真理教のサイトでも、湾岸戦争やバングラデシュでプラズマ兵器が使用されたと、まことしやかに書かれていた。その話が飛鳥作品をうのみにしただけのものである事は、飛鳥作品読者なら一目瞭然なのだが。

(そこのサイトには、プラズナーで焼かれたという、妙に生焼けの死体の写真まで掲載されていた)

 一度流された噂というのは、なかなかしぶとく生き残るものらしい。そのようなわけで、なおもプラズナーの虚構性を追及していく必要性を感じるのである。
 まずは、プラズナーとはどういうものなのかを見ていこう。



恐怖の人類最終兵器



 プラズナーとは、マイクロ波によりプラズマ球を作りだし、敵機を攻撃したり、敵レーダーを混乱させたりするプラズマ兵器システムである(狭義には、それにより作られたプラズマ球を指す)。
 巨大なプラズマを作り上げて都市全体を焼き尽くしたり、原子力潜水艦にプラズナーを搭載し、水中で使用することもできるそうだ。さらに、プラズマの物質を透過する性質により、地下深くのシェルターをも焼き尽くせるという。
 マイクロ波を衛星で中継するシステムも完成しており、プラズナーからは地球上の誰も逃げることはできない。

 「ティローパ続けてくれるか」

 その温度は五千度以上の超高温から手で触れるほどの低温にまで変化し、瞬時に敵兵器を消滅させたり、敵兵の神経を麻痺させることや、強力な電磁波で敵兵器システムを使用不能にすることが可能だとされている。
 他にも、プラズマで包まれた金属球を飛ばす「有体プラズナー」(プラズナー2)、プラズマを利用したアメリカ製UFO(プラズナー3)といったシステムがある(そうだ)。
 また、プラズマの発生源も、マイクロ波だけでなく中性粒子ビーム、磁力線が採用されつつあるという。

 さて、プラズナーにはいくつかの致命的な欠陥があるが、まず初めに取り上げたいのが、“プラズマの物質透過性”である。簡単に説明すると、プラズマというものが物体を通り抜けられる性質のことである。それが、様々な形態のプラズナーにとって、前提条件となっているのである。



プラズマの物質透過性



 飛鳥氏がその根拠にしているのが、大槻教授のプラズマ実験である。その実験とは、ガス(気体)を入れたケース内に発生させたプラズマ球を移動させ、セラミック板を通過させるというものである。この場合、ケース内に入れられたガスが、マイクロ波で作られた電場によりプラズマ状態になったのである。

 プラズマとは、固体、液体、気体に継ぐ第四の物質状態だとされ、原子を構成する電子が分離(つまり電離)した状態のことである。固体は液体となり、液体は気体となるが、気体からさらにプラズマ状態にすることができるのである。
 したがって、何も無い所からいきなりプラズマを発生させる事はできない。物質が非常に希薄な宇宙空間でのプラズナーの使用や、スペース・クラフトのエンジンとしてプラズナーを使うことは適切ではない。

 ちなみにプラズマには気体プラズマと固体プラズマがあるが、普通に言われるプラズマとは、気体プラズマのことである。固体プラズマとは、固体状態のまま電子が分離しただけのものである。

 さて、大槻教授の実験ではプラズマ球がセラミック板を通り抜けたように見えるが、実は
本当に通り抜けているわけではないのである!
 それについては、大槻教授自身の著書にある図を見てもらうのが一番わかりやすいだろう。


(大槻義彦著『怪奇現象の正体』悠飛社刊、P163より)


 つまり、プラズマの物質透過性とは、
見せかけにすぎなかったのである。同著によると、ゆっくりとプラズマを通過させようとすると、板がプラズマの高熱で破壊されてしまうそうだ。

 さらに、この実験で使用されているのが、
セラミック板であることにも注意が必要だ。セラミックやガラスはマイクロ波を透過させることができるのだ。これが、金属板やコンクリートのようなマイクロ波を通さないものなら、この実験は不可能なのである。
 マイクロ波は金属を透過できると思い込んでいる方もいるようだが、99%以上は跳ね返され、残りは金属内部に流れてしまう。大槻教授の実験室でも、部屋中にアルミ箔を貼って、電波が漏れるのを防いでいる。
 コンクリートの場合も、ほとんどは跳ね返され、残りはコンクリート内部で熱エネルギーとして消費されてしまうのである。もしマイクロ波が金属やコンクリートを透過できるのなら、レーダーというものは何の役にも立たないことになる。

 代わりに中性粒子ビームを使ったとしても、事情は変わらない。高出力の中性粒子ビームで金属やコンクリートに穴をあけることはてきるだろうが、その場合「透過」したわけではないことは、おわかりいただけるだろう。



磁力線プラズナー


 では、磁力線ならどうか?
 磁力なら、大抵のものは透過するに違いない。
 しかし、マイクロ波、中性粒子ビームでプラズマが発生することは実験で確かめられているが、磁力によりプラズマが発生するというのは根拠のない話である。
 核融合実験炉は磁場によりプラズマを閉じ込めているが、もし磁力でプラズマが発生したら、核融合炉は破壊されてしまうに違いない。

 また、磁力線とは磁気力の方向を表す
想像上の線にすぎない。N極とS極の間の磁力の流れをわかりやすく示したものにすぎないのだ。ビームのように直線状に放射できると思ったら大間違いである。磁場というのは、距離が離れると急激に弱くなるものなのだ。
 さらに、周りに磁場があれば曲がってしまうし、当然「指向性」などないも同然である。
 ところが、飛鳥氏は『[超真相]UFO2&シークレット・ガバメント』(KKベストセラーズ刊)において、こう述べている。

「磁力線は、ミラー衛星を介してリレーされ、ピンポイントで複雑なプラズマ攻撃を可能にする新システムの雄である」(P99)

 ただし、最新作の『[超真相]エイリアン&第3次世界大戦』(同社刊)においては、こう変更されている。

「(電磁波、磁力線の)どちらもが、比較的近距離の範囲か、逆に遠距離で広範囲にプラズマを発生させる場合に適応するが、プラズマを遠距離にピンポイントで発生させるには不向きだった」(P86)

 どちらにせよ、中学生にも失笑されそうな記述ではある。

 ところで、オーロラというものは地球の磁場により発生するプラズマ現象と聞く。ただし、磁場がプラズマを作ったというわけではない。磁力線プラズナーはここら辺の誤解から生まれたような気がするので、少し説明しよう。

 プラズマ状態である太陽風が地球に吹きつけられる時、約98%は太陽系外へと拡散されてしまうが、残り約2%は地球の磁気圏に入る。そして、その大部分はバンアレン帯に捉えられるが、残った太陽風の粒子は地球の磁場に沿って極に集められて大気に突入するが、その時に大気中の分子と衝突して発光させるのが、いわゆる「オーロラ」である。
 ちなみに、大気中に入った太陽風がその後どうなるかというと、大気の分子と衝突してエネルギーを消費して、大気中に吸収されてしまうのである。それは、オーロラが高度100kmほどまでの現象であることからも明らかである。

 また、太陽風が直接地球に吹き付けてこないのは、地球の磁場のせいで侵入できないからである。極に集められた太陽風の粒子が、極の周辺部から大気に入ってオーロラを発生させるのはこのためである。
 そういうわけで、極に存在するというプラズマ・トンネルから太陽風が地球内部に入るとは考えられないのである。

 要点をまとめると、オーロラとは磁力で作られたプラズマ現象ではなく、磁力は単にプラズマ風を集めただけということである。
 磁力線プラズナーは依然として、何の裏づけもない空想的理論なのである。



結 論


 ここに至って、プラズナーのほとんどの要素が成り立たないことになる。無論、地下シェルターをプラズナーで攻撃できるわけもないし、そもそも建物の内部にいきなりプラズマ球を発生させることはできないのだ。
 水中の場合、マイクロ波も中性粒子ビームも遮られてしまうので、プラズナーを使用することはできない(正確に言うと全く透過しないわけではないが、すぐにエネルギーが吸収されてしまうのである)
 さらに、“物質同時存在”や“プラズマ・トンネル”、そして“プラズマ亜空間理論”も根拠を失うのである。

 脆弱な基盤の上に、無闇やたらと“理論体系”を膨らませるからこういう結果に陥るのである。
 あとは、公開はできないが、米軍やらNSAやらの極秘資料があるのだと主張するしかない。
 トホホ‥‥(脱力)






Update/1999. 6. 28

UFO2 最後の真実

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