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底板とニー(knee)


底板ジャーマンと一口に言っても、ひとつの決まったスタイルがあるわけではない。フレミッシュ、フレンチといったアルプス以北のヨーロッパのスタイルと、イタリアのスタイルとが影響を及ぼしあって成立したのがジャーマンと言えそうだ。
私は、イタリアンに近い方が好みなので、イタリア式の構造をとることにした。イタリアン-ジャーマンとでもいうべきスタイル。
まず底板をつくり、そこにニー(knee)と呼ばれる三角形の部材を立て、ライナーをめぐらす。そこに薄めの側板を貼りつける、というのが基本構造。フレミッシュやフレンチのように側板が厚い場合は、側板も構造体として機能するが、イタリアンは4〜5mm、ジャーマンは7〜8mmなので、ニーとライナーとの骨組みで張力を支える構造が必要になる。設計の段階では、ライナーのたわみを計算しながら、ライナーの断面積、ニーの数と間隔を決めていく。
立ち上がりの早い、明快なかつ豊かな響きを得るためには、楽器の重量を極力押さえなければならないが、軽くすることは楽器の強度との兼ね合いで難しい問題がある。そこで、一つの目安として強度計算をする必要が出てくる。