コトキタウン〜なにかが かすかに はじまる ところ P
「まだ、見たこと無いポケモンよね」
図鑑を取り出す。
タネボー − ????ポケモン |
「タネボーね」
タネボーは、まだシズクに向かってなにやら喚いている。
「うるさいわね。あたしが何かしたって言うの」
シズクは、一連の出来事もあって少々いらいらしてきた。
「ルーラ、出てきて」
シズクは、ルーラをタネボーに向かわせる。
タネボーは、急に出てきたルーラに驚いている。
「ルーラ、『たいあたり』」
シズクは、ルーラをタネボーの斜め前に誘導すると、攻撃させた。
タネボーは、気絶してしまった。
「ついでね。モンスターボール」
シズクは、ボールを投げた。
ボールは、タネボーを取り込むと草むらの影に隠れた。
シズクは、駆け寄ると辺りを探す。
「変ねえ。また、ボールがなくなっちゃったわ」
シズクは、もう一度念入りに草むらを探したが、やはり見つからない。
「ダメだわ、見つからない」
シズクは、諦めて先を急ぐことにした。
しばらく行くと、また少年が道の真中に立って、シズクの行き先を見ている。
シズクは、なるべく少年のほうを見ないようにしながら進んだ。
少年が話しかけてくる。
「きみ、トレーナーになったばかり?」
「えっ、私のことよね」
「僕もそうなんだ。お互い初心者だね」
「どうして、私が初心者だと…いいわ、気にしないことにするわ」
「何をごちゃごちゃ言ってるの? いくよ」
短パン小僧のイサムが勝負を仕掛けてきた。
短パン小僧のイサムはポチエナを繰り出した。
「行け、ルーラ」
シズクは、ルーラを選んだ。
勝負はかなり拮抗していたが、シズクは、ルーラの斜めに動く特性をつかんでいたので、ポチエナの攻撃をかわし、上手く立ち回ることができた。
ポチエナは倒れた。
「うーん、やられたか。よし次だ」
イサムは、次のポケモンを繰り出した。
「あっ鳥ポケモンね、まだ見たことがないポケモンだわ」
シズクは、図鑑を取り出す。
「スバメ…ね」
スバメは、黒い流線型の体に長く先が2つになった尾羽、頭と胸に赤いポイントが入っていた。目は大きく、くちばしは黄色い。見るからに素早そうだ。
「うーん、ルーラじゃちょっとキツイかしら」
スバメは、スピードを生かして、くちばしで攻撃しては素早く離れていく。
シズクは、スバメの攻撃をなるべく小さな動作で避けることに専念した。
「スバメ、『つつく』」
イサムは、攻撃することしか頭に無いようである。
そのうち、スバメのスピードが鈍ってきた。
「ルーラ、よく守ったわ。今度は、攻撃よ。『たいあたり』」
スバメは、必死にルーラの攻撃をかわし隙を見ては攻撃しようとするが、ルーラの攻撃が当たるたびにそのスピードも目に見えて落ちてくる。
へろへろのスバメに、ルーラの体が覆い被さるようにぶつかった。
スバメは、背中から地面に落ちる。
スバメは、倒れた。
ルーラはLv.6になった。
「ああ、また負けた。勝てると思ったから声をかけたのに…」
「だから、どうして私が初心者だと…」
シズクは賞金として48円手に入れた。
「僕、トレーナーになってからまだ1回も勝ってない…。早く勝ちたいなあ…」
イサムは、シズクの言葉など耳に入らないかのように去って行った。
「もう、どうして誰もあたしの話を聞いてくれないの?」
「クルルルッ」
「ああ、ごめんね。ルーラのことじゃないのよ」
シズクは、ルーラの頭をなでる。
ふっと思ったのですが、マッスグマの頭はすべすべでなでやすそうです。気持ちいいだろうな。^^
でも、ジグザグマの頭は、セットに失敗したぼさぼさジグザグな感じ。わしゃわしゃなでるというか、力要りそうです(笑)
それとも、意外とふかふかだったり?
そのまま、北に向かって歩いていくとまた、道は突き当たりになった。右の方を見てみる。
少し行ったところで段差がある。無理すれば降りれないことも無いがちょっと遠慮したい感じ。
その、段差の前の奥まったところに2本の木が生えていた。
シズクは、気になったのでルーラと一緒に近づいてみた。
「あっ、この実は、知っているわ。モモンの実ね。実際に木になっているのを見たのは初めて」
モモンの実が2個できている。
シズクは、モモンの実を2個取って、木の実ポケットにしまった。
すると、木はきらきらと光り輝いたかと思うとすうっと消えて、土は元のふかふかに戻った。
「わあ、スクールで習ったとおりだわ。本当に実を取ると木もなくなっちゃうのね」
シズクは、感動している。
「えーと、実を取ったら、1つ埋め戻すのが約束事なのよね」