童話王国クエスト日記

「Copyright c Lager・SUCCESS・GAMESPACE24 2003」

アルフォンスの使い
 そらまめ湖やブルーバードで冒険者の仕事を続けていた
リュークが、しばらく振りでリュフ村へ戻ってみると、
いつの間にか新しい住人が増えていることに気がついた。

 その中の一人、魔術師見習いのアルフォンスは、
真面目で勉強熱心な若者だが、
上からものを言うような態度が鼻につくため、
村人からは少々嫌われている。

 彼のお気に入りの幻獣が自分と同じフクロウであることから
それとなく話をする程度の間柄になったリュークは、
たまに苦言めいたことも言ってみたりするが、
当の本人は一向に、意に介さないようだ………。
『研究の成果』を見る限り、Lvはかなり低そうな彼@@;

 ある日のこと、いつになく真剣な面持ちのアルフォンスが、リュークに仕事を依頼してきた。
聞けば、木神殿の美しい司祭、ジョリーナに手紙を届けて欲しい、という。
微笑みの森に出没する幻獣達は、決して強くはないのだが、
魔法理論を学問として追求してきたアルフォンスは、どうにも実践魔法が不得手なのだった。

 ジョリーナとは、森のイノシシ退治をして以来、親しく会話を交わす仲のリュークである。
しかし、護衛するから一緒に行こう、と誘っても、アルフォンスはモグモグと言い訳をするばかり。
その不自然な態度に首をかしげつつ、リュークは木神殿へと向かった。

   「アルフォンスから質問?
   ……魔法封印における藤つるの樹齢と効果の関連性について。
   ……これはとても難しい問題ね。
   木の聖者様に聞いてから返事を書くわ。少し時間をもらえるかしら?」 
 
木の聖者様? …素敵な方よ(うっとり)  ジョリーナ司祭の微かに上気した頬を見て、
リュークは得心がいったような気がした。

 なるほど、男女の仲にも様々な形があるものだ。
それにしても、女性に手紙を送る時に、
花の一本も添えられないとは……。

 返事を携え、リュフ村へと帰る道すがら、
アルフォンスに 『指導』 すべき事柄について、
あれこれと思いを巡らせるリュークであった…。

              精歴138年金月10日