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アルフォンスの使い | |
そらまめ湖やブルーバードで冒険者の仕事を続けていた リュークが、しばらく振りでリュフ村へ戻ってみると、 いつの間にか新しい住人が増えていることに気がついた。 その中の一人、魔術師見習いのアルフォンスは、 真面目で勉強熱心な若者だが、 上からものを言うような態度が鼻につくため、 村人からは少々嫌われている。 彼のお気に入りの幻獣が自分と同じフクロウであることから それとなく話をする程度の間柄になったリュークは、 たまに苦言めいたことも言ってみたりするが、 当の本人は一向に、意に介さないようだ………。 |
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ある日のこと、いつになく真剣な面持ちのアルフォンスが、リュークに仕事を依頼してきた。 聞けば、木神殿の美しい司祭、ジョリーナに手紙を届けて欲しい、という。 微笑みの森に出没する幻獣達は、決して強くはないのだが、 魔法理論を学問として追求してきたアルフォンスは、どうにも実践魔法が不得手なのだった。 ジョリーナとは、森のイノシシ退治をして以来、親しく会話を交わす仲のリュークである。 しかし、護衛するから一緒に行こう、と誘っても、アルフォンスはモグモグと言い訳をするばかり。 その不自然な態度に首をかしげつつ、リュークは木神殿へと向かった。 「アルフォンスから質問? ……魔法封印における藤つるの樹齢と効果の関連性について。 ……これはとても難しい問題ね。 木の聖者様に聞いてから返事を書くわ。少し時間をもらえるかしら?」 |
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ジョリーナ司祭の微かに上気した頬を見て、 リュークは得心がいったような気がした。 なるほど、男女の仲にも様々な形があるものだ。 それにしても、女性に手紙を送る時に、 花の一本も添えられないとは……。 返事を携え、リュフ村へと帰る道すがら、 アルフォンスに 『指導』 すべき事柄について、 あれこれと思いを巡らせるリュークであった…。 精歴138年金月10日 |