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愛のカウンセラーU | |
麗しのアイリーンのハートを射止めたのは、リュークもよく知る青年、ランデルだった。 彼の父親は、王国の騎士団に、このひと有り! と謳われるほど高潔な騎士、ダンカン卿であり、 いつか指南を受けてみたい、とリュークが憧れている、剣の使い手なのだ。 いつぞや、湖の畔で挑戦を受け、その場はリュークが勝利した女剣士ニコは、実はダンカン卿の娘で、 青年ランデルの妹でもあるのだが、当のランデルはといえば、剣よりもペンのほうが得意なのだった…。 そんなランデルも、美しい恋人を得たことで、思うところがあったようだ。 二人の関係に異を唱える人々は、その大概が嫉妬や羨望から来るものだったり、 そうでなくても身分差を憂えたような忠告まがいのものだったりしたが、 ひとの価値、財産というものは、目に見えない部分のそれこそが大切なのではあるまいか。 幸いにして、アイリーンの父親であるウィルバー氏も、同様の価値観をお持ちらしい。 しかし、それに甘んじてしまわないところが又、ランデルの美点だとリュークは思う。 |
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そんなランデルから、相談を受けたリューク。 微笑みの森の賢者たちに弟子入りしたいという彼を、 ここはひとつ兄弟子としても、ぜひ手助けしたいと思う。 もちろん、何よりも守りたいものが、美しいひとの 心からの笑顔であることは、言うまでもない… 精歴147年土月60日 |