童話王国クエスト日記

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金の斧と銀の斧
 森と湖の王国、美しいフェロルには、名前に恥じない美しい湖が首都を囲むように点在している。
東のバラ湖、西のそらまめ湖、北の白鳥の湖。
なかでも、交通の便があり、その穏やかな気候のために、
避暑地としても観光地としても名高い場所が、ここ、そらまめ湖である。

 そらまめ湖には王国の重鎮が家族を連れて休暇を過ごしに訪れる。
また、よんどころない事情を持つ人々も、観光客に紛れて隠棲しているようだ。
水の神殿がそらまめ湖のほとりではなく、バラ湖のほとりに建っているのは、
人々の出入りが多いことで修行者達が心乱さないように、という配慮からなるものなのだろう。

 そういえば、魔女もそらまめ湖には住んでいない。
やはり、観光客に邪魔されるのは御免、といったところだろうか?
 
「あの辺に落としたと思うんじゃ」                  「おじいさん、それもしかして『投げ捨てた』って言うのでは…」 「フハハハハ! よくぞ見やぶったり!」             「………」
 そらまめ湖の名前の由来は至極簡単で、
湖の形がソラマメに似ているからだそうだ。
昔語りをするという老人から、リュークはそれを教わった。

 この地には昔から湖の神様が住まわれていて、
人々の心が悪に向かう時、顕れて天罰を下されるという。
真剣に語る好々爺を、リュークは微笑ましいと思う。

 そして、人々が笑って暮らせるこの世界を、
力の限り守っていこう、と思うのだった。

                   精歴138年金月8日