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エンジェルの微笑み | |
剣士であるリュークの副業は「薬の調合」である。 リュフ村のリカルド先生に教えを請うてから早2年半、ようやく大親方の免許が手に届きそうなところまで来たが、 趣味で始めた料理のほうも、すでに親方級の腕前であり、自身も調理が楽しいと思う日々が多い今日この頃。 冒険者を続けるためにはどちらも同じように重要な仕事であるのだが、 生産品のほとんどを自分と連盟員で消費してしまうために、冒険以外で得る収入は皆無に等しいのだったり。 赤帽村のシルダは、各地の病院に自作の薬を届けたり、村人の治療を引き受けたり、と、 毎日休むところ無く調剤に励むかたわら、自宅で薬の店舗販売もしている万能薬剤師だ。 幻獣用の薬についてシルダの講義を受けながら、 そのバイタリティの秘訣をぜひとも知りたい、と、リュークはひそかに思ったりする… |
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シルダとの出会いは、やはり彼女の仕事がらみだった。 うつ病特効薬である「エンジェルの微笑み」を作るための 材料探しを手伝うこと。 フェロル王国特産品の微笑みのモモは、 その名の通り、微笑みの森でしか育たないが、 世捨て人の3賢者や、森の番人、 王国屈指の狩人に、料理上手な木こりの妻など、 森を知る人々との交流は深い。 あっという間に薬の材料を揃えたリュークは、 師であるリカルド先生に、 シルダの薬を無事、届けたのであった。 精歴138年金月10日 |