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銀の皿 | |
そらまめ湖をさらに東へと向かえば、そこにあるのは赤帽村だ。 赤帽村は、海の幸と山の幸が同時に手に入る地の利を生かすことで、豊かな村作りを目指してきた。 村を通過してさらに王国深くへと分け入れば、そこは雪のちらつく北の大地。 白雪の森や白鳥の湖でしか採取出来ない貴重なハーブや作物のおかげで、赤帽村は栄えてきたのだ。 赤帽村の薬剤師シルダは、王国でも名高い療法師の一人だ。 リュークが日頃お世話になっているアガトス先生やリカルド先生は、人のための薬を調合する専門家だが、 市井に暮らすシルダの技は、動物にも分け隔て無く与えられてきた。 シルダの技を学ぶためなら、遠路はるばる出向いても少しの時間も惜しくない、とリュークは思う。 ある日のこと。赤帽村を訪れたリュークは泣きそうな顔で洗濯をしているジニーに出会った。 聞けば継母が大事にしている銀のお皿をいたずら者の猿に取って行かれてしまったという。 |
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そらまめ湖の野生猿たちは可愛いけれど、 悪さをするのが玉にきずだ。 「大丈夫、取り戻してあげますよ」 性悪な父親と意地悪な継母を持っているのに、 気だてが良くて働き者のジニーは亡くなった母親似らしい。 薄幸なこの娘のささやかな幸せを取り戻すため、 リュークはそらまめ湖へと、きびすを返すのであった…… 精歴138年金月9日 |