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賢いオオカミ男 | |
微笑みの森の東側、森外れに流れる小川を渡った先には<北の野原>と呼ばれる草原が広がっている。 エルフの国から外の世界へ行くためには必ず通らなければならないこの草原には、 防御力の高い金色のネズミやオオカミ、体格のいい土色のイノシシやライオンなど、たくさんの幻獣が現れる。 ために、水や樹木を友としているエルフ族の若者には、いささか苦手な場所と言えるのだが、 だからといって避けて通るわけにもいかない事を、リュークは判っている。 北の野原では長い間、百獣の王と言われる、強く、たくましいライオンが草原の主として君臨していた。 無為な殺生をする事はなかったが、その牙や爪の一撃は重く鋭く、 その座を狙うどんな生き物も、主である彼には到底かなわなかった。 |
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ところが、圧倒的な強さを思いのままにした彼も 寄る年波には勝てなかったわけだ。 あわよくば、次の主になれたら…という ずる賢いオオカミ男の思惑など知った事ではないが、 草原の秩序を守るためならば、 持てる力を貸さないわけにはいかない。 若い力、新しい主の誕生を、 北の野原は待ち望んでいる…… 精歴126年光月5日 |